《自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十數年酷使したはいつのまにか最強になっていたようです〜》番外編終:自分で作ったSSSランクパーティを追放されたが、俺は自分の幸せを見つけ出しこの手につかんだ。
王國の奧地。
人里離れた場所にある街。
今日はここの教會で結婚式が行われようとしていた。
新郎、新婦共に親なし。
しかし街からも好かれている2人の結婚式には、大勢の參列者が集まっている。
中には久々に會う人もいるらしく、最初からワイワイと和やかな雰囲気が流れていた。
ケイドは椅子に座って貧乏ゆすりをしている。
これからリムの結婚式だ。
當日までリムのドレス姿をお預けしていたので早く見たいのだろう。
腕を組み、ひたすらキョロキョロしながら落ち著かない。
目線の先にはドアがある。
男子制。おばちゃん達にケイドは追い出された。
今頃ドレスを著て化粧をし、髪もセットしているのだろう。
し妄想するだけでもケイドの頬が緩む。
(……いかんいかん。これでは渋くてカッコいい大人が臺無しーー)
「ケイドー!  見て見て!」
ドアが勢いよく開くと、メイクアップされたリムが出てきた。
頬には薄くチーク。
Advertisement
しい緑髪は後ろで纏めている。
長したに沿った純白のドレスが眩しいほどだ。
ケイドがをにしてシルクの糸を魔から取ってきただけはある。
王都まで行き、一番腕のいい裁屋に土下座した事も思い出す。
リムのサイズにぴったりの、最高のドレスだ。
ケイドは目の前にいるリムを凝視し続けた。
その視線に最初はポーズなどを決めて答えていたリムだが、あまりにも喋らないケイドにほっぺを膨らませる。
の子は反応がしいものだ。
目の前で手をひらひらされて、ようやくケイドが意識を取り戻した。
「かっ……かっ……」
「へっへーん!どう?どう?」
「可い!!」
勢いのまま抱きしめようとするケイドに待ったがかかった。
一緒に著付けをしたおばちゃん達である。
せっかくセットしたのが崩れたらどうするんだと小言までもらった。
「いやだってよぉ……天使、いや神だぜ?神がいるんだよ!」
「わかったから落ち著きなさい。いいかい?式が終わるまでは抱きつき止だよ!」
Advertisement
おばちゃん達の剣幕に負けたケイドがしょんぼりした顔を見せる。
そんなケイドをリムがめると、し元気が出たようだ。
もうすぐ挙式が始まる。
ケイド達は呼ばれるまで控え室で待っていた。
そこに來客が現れた。
その人は黒と赤のドレスにを包み、非常に高貴な雰囲気を纏わせている。
部屋にると丁寧なお辭儀をした。
「ケイド様、リムちゃん。ご結婚おめでとうございますわ」
「おー!サラじゃないか!久しぶりだな」
サラ・ワードクリフ。
現在は國王として國を治めている。
さらには魔族の王とも停戦を結び、両國の発展にまで貢獻中だ。
サラはドレス姿のリムを見て微笑む。
ケイドと結婚する相手をしっかりと確認しているようだ。
英雄ケイド。サラの中ではずっと憧れた存在。
リムの貌にもサラは負けていない。
國中からサラには毎日求婚願いが屆いてるほどだ。
それを全て斷り、後継を育てる事に注力し続けている。
「リムちゃん。ケイド様と幸せにね?」
「はい、サラ國王様。これからもよろしくお願いします」
リムが丁寧なお辭儀をする。
スタンピート事件から既に5年、リムも大人になった。
もう型になる事は出來ないが、心共に長している。
「しかし……いいのか?もう俺は45だぜ?」
「ふふっ。ケイド様は変わらずお若いじゃないですか」
「そ、そうか?サラに言われると自信つくなぁ」
しばらくの間、3人で雑談し続ける。
最近の國政の話から、味しかった料理の話など。
途中サラが冗談っぽくケイドに一夫多妻を提案した時には顔が赤くなっていた。
楽しい時間を過ごしていると、もう一度ドアがノックされる。
「結婚式の主役はここにいるのか?」
低音で響くような聲。
ケイドもリムも聞いたことがある。
だがその覚には嫌な予しかしない。
聲のした方を全員が注目している。
「ま、まさか……」
「う……そ……」
2人の目が丸くなる。
そこに現れたのは、いつぞやの魔王。
始祖の魔王として人間から恐れられ、あの塔でリムに殺されたはずーー
普段の2人ならすぐに戦闘態勢に移行しただろう。
魔王の重圧はかなり重い。
しかし2人は困の方が強かった。
何故なら、魔王はケイドにも負けないほど綺麗な白いタキシードで現れたのだ。
部屋にった魔王が手に持った花束をケイドに渡してきた。
何が何だかわからないままケイドもそれをけ取る。
「終焉の魔王が結婚とは……中々面白いものだな」
「そう?ケイド様と一緒になれるなら誰でも幸せになるわよ」
魔王の言葉にサラが言葉を返す。
2人は何度も顔を合わせてる間柄だ。
今回、魔王はリムとケイドが結婚する話をサラから聞き、冷やかしも兼ねてここまでやってきた。
「魔王……」
「おう。まぁあの時は水に流してやろう。今は純粋に祝福をな」
魔王がウィンクをしながらケイドに口を開く。
あの塔ではわからなかったが、かなりフランクな格をしているらしい。
サラとはかなり仲良く話している。
「ケイド様、リム様。準備が出來ましたので、こちらにお願いします」
ドアが開いて聲をかけられた。
ここからが本番だ。
ケイドの顔に張が走る。
冷やかすようにサラと魔王が出て行った。
結婚式。
ケイドが張したまま神父の前まで進む。
し遅れてリムが現れた。
頭には白いベールを乗せ、著付けをしてくれたおばちゃんとバージンロードを歩く。
一歩ずつ。足を出して、殘った足を前に合わせる。一歩ずつ。
ケイドはそれを見ながら目頭が熱くなっていた。
道の途中でリムを譲りけ、一緒にゆっくりと神父の前に向かう。
一歩踏み出す旅に思い出が蘇る。
たった數歩の距離。
2人は無言で、ゆっくりと歩き続けた。
神父の前に到著すると、誓いの言葉をわす。
これから夫婦となる2人。
一緒に力を合わせて共に過ごす誓い。
その後ケイドから指を渡す。
これもし遠出した火山の火口路でしか取れない寶石を使っている。
エメラルドのような深い緑が輝く指。
リムの指にぴったりのサイズだ。
「それでは、誓いの口づけをお願いします」
ケイドがベールを上げ、リムを見る。
恥ずかしいのかし顔が赤い。
目を見つめ一度頷くと、ゆっくりと目を閉じた。
◇
『おい聞いたか?あの噂』
『ん?ザブラ以來のSSSランク冒険者が誕生したの話か?』
『そうそう!しかも夫婦共にSSSランクらしいぞ』
『ひぇー。そらよっぽど恐ろしい夫婦だろうな』
『嫁さんは恐ろしくべっぴん。旦那はおっさんのと野獣だ』
『すげぇな。世の中にはんな人間がいるもんだなぁ』
ーーーーーーーー
「國を救った英雄?」
「あぁ、聞いたことはある。確か颯爽と現れたと思ったら、大軍を一瞬にして倒す冒険者だろ?」
「いや、冒険者じゃないのかもしれないな。人間じゃ不可能な領域にいるんだろ?」
「俺の友人も英雄を遠目から見たらしい」
「腕の一振りで目の前の大軍に大を開ける」
「何か唱えたかと思えば、天候をもり雷が落ちる」
「俺だって信じなかったさ。でもな、そいつは噓をつく奴じゃないんだよ」
「人間の限界……下手したら神の領域に突っ込んでるのかもな」
ーーーーーーー
「俺英雄って呼ばれてる奴知ってるぜ?」
「たまたまあいつを見たんだ。なんか依頼をしてるとかなんとか」
「どこでだって?  酒場だよ酒場」
「久々にあいつの顔見たからさ、ちょっとからかってやろうとしたんだよ」
「『よぉ!  萬年ザブラの荷持ち』ってさ」
「そしたらあいつ……なんつーのかな、大人になってた」
「いや元々おっさんだ。ただ何つうかな、神が達観してたんだ」
「依頼の話を聞いたのもその時だ。もう終わって帰るって聞いてたからな」
「聞いたことない依頼だからよ、調べたら王直轄だったんだよ!」
「たまげたね。だが、あいつを見て話したらなんか納得しちまったんだ」
「教えてほしいか?」
ーーーーーー
「凄いの!  すごーくかっこよかったのよ!」
「あんな素敵なおじさま絶対にいないわ!  ほんと渋くてカッコよくてダンディーで……」
「え、私?  私は拐されてたのよ」
「あの豚貴族。盜賊使って私を攫うだけじゃなくて酷い目にも……」
「でもねでもね、そこに現れたのが彼なの!」
「暗くてジメジメした場所で私は絶しかなかった」
「でも彼がを照らしてくれた!」
「私を助けた時、何をしたと思う?」
「『俺が一時的だが君のになる。ほら、外もこんなに君を祝福している』なんて!」
「しかも腕を振ったら外まで直通の道ができたの!」
「太のを久々に浴びれたわ」
「ううん、そんな事より彼よ」
「輝いてて、どんな殿方よりもしかった……」
「會えるなら私の全てを捧げてもいいぐらいよ!」
ーーーーーー
今まで々あった。
々ありすぎた。
平凡な人生は俺にこなかった。
育てる喜びを知り、裏切られる悲しさを知り。
人を好きになるを知り、幸せを知った。
俺は自分の幸せなんてあんまり考えてこなかった。
だが、俺を必要としてくれる人がいる。
俺を好きだと言ってくれる人がいる。
だから、俺はそいつらに応えたい。
自分の全てをかけて、俺は家族を守っていこう。
「俺の名前はケイドだ。……俺に惚れるなよ?」
fin
【書籍化決定】婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。
アメリアには、婚約者がいた。 彼は、侯爵家の次男で、貴重な「土魔法」の遣い手だった。 婚約者とは良好な関係を築けていたと思っていたのに、一歳年上の彼が王立魔法學園に入學してから、連絡が途絶える。 不安に思うが、來年には自分も入學する。そのときに話し合えばいい。 そう思っていたのに、一年遅れて入學したアメリアを待っていたのは、周囲からの冷たい視線。 婚約者も理由をつけて、アメリアと會おうとしない。 孤立し、不安に思うアメリアに手を差し伸べてくれたのは、第四王子のサルジュだった。 【書籍化決定しました!】 アルファポリスで連載していた短編「婚約者が浮気相手と駆け落ちしたそうです。戻りたいようですが、今更無理ですよ?」(現在非公開)を長編用に改稿しました。 ※タイトル変更しました。カクヨム、アルファポリスにも掲載中。
8 50彼女たちを守るために俺は死ぬことにした
約200日後に死ぬ俺。業界初!…かは知らないけどリアルタイム小説! 5月19日以降、 物語はリアルタイムで進みます。 ┛┛┛ のんべんだらりと生きる高校2年男子、 小鳥遊知実(たかなし ともみ)。 ある日突然、頭痛で倒れ、 病院で目覚めたとき 半年の余命か 今までの記憶がなくなる可能性の高い大手術か 選択を迫られることになる。 そんな狀態にも関わらず、 無情にも知実の學校生活は穏やかではなかった。 1⃣全校生徒をまとめきれないワンマン文化祭実行委員長。 2⃣學校の裏山を爆破しようと計畫している馬鹿女。 3⃣ロボみたいなイエスマンの心を閉じた優等生のご令嬢。 4⃣人生を全力で寄りかかってくる俺依存の幼なじみ。 5⃣諦めていた青春を手伝う約束をした貧乏貧乏転校生。 おせっかいと言われても 彼女たちを放っておくことが どうしてもできなくて。 ……放っておいてくれなくて。 そんな知実が選んだ道は。 悲しくて、あたたかい 友情の物語。 ※病気は架空のものです。 ※第6部まであります。 ┛┛┛ エブリスタ・ノベルバ同時公開。 ノベルバは時間指定でリアタイ更新です。 16時一気読みしたい人はエブリスタで。 (長すぎる日は16時と20時に分けます) リアタイ感をより味わいたい人はこちらで。
8 101クリフエッジシリーズ第二部:「重巡航艦サフォーク5:孤獨の戦闘指揮所(CIC)」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一二年十月。銀河系ペルセウス腕にあるアルビオン王國では戦爭の足音が聞こえ始めていた。 トリビューン星系の小惑星帯でゾンファ共和國の通商破壊艦を破壊したスループ艦ブルーベル34號は本拠地キャメロット星系に帰還した。 士官候補生クリフォード・C・コリングウッドは作戦の提案、その後の敵拠點への潛入破壊作戦で功績を上げ、彼のあだ名、“崖っぷち(クリフエッジ)”はマスコミを賑わすことになる。 時の人となったクリフォードは少尉に任官後、僅か九ヶ月で中尉に昇進し、重巡航艦サフォーク5の戦術士官となった。 彼の乗り込む重巡航艦は哨戒艦隊の旗艦として、ゾンファ共和國との緩衝地帯ターマガント宙域に飛び立つ。 しかし、サフォーク5には敵の謀略の手が伸びていた…… そして、クリフォードは戦闘指揮所に孤立し、再び崖っぷちに立たされることになる。 ――― 登場人物: アルビオン王國 ・クリフォード・C・コリングウッド:重巡サフォーク5戦術士官、中尉、20歳 ・サロメ・モーガン:同艦長、大佐、38歳 ・グリフィス・アリンガム:同副長、少佐、32歳 ・スーザン・キンケイド:同情報士、少佐、29歳 ・ケリー・クロスビー:同掌砲手、一等兵曹、31歳 ・デボラ・キャンベル:同操舵員、二等兵曹、26歳 ・デーヴィッド・サドラー:同機関科兵曹、三等兵曹、29歳 ・ジャクリーン・ウォルターズ:同通信科兵曹、三等兵曹、26歳 ・マチルダ・ティレット:同航法科兵曹、三等兵曹、25歳 ・ジャック・レイヴァース:同索敵員、上等兵、21歳 ・イレーネ・ニコルソン:アルビオン軍軽巡ファルマス艦長、中佐、34歳 ・サミュエル・ラングフォード:同情報士官、少尉、22歳 ・エマニュエル・コパーウィート:キャメロット第一艦隊司令官、大將、53歳 ・ヴィヴィアン・ノースブルック:伯爵家令嬢、17歳 ・ウーサー・ノースブルック:連邦下院議員、伯爵家の當主、47歳 ゾンファ共和國 ・フェイ・ツーロン:偵察戦隊司令・重巡ビアン艦長、大佐、42歳 ・リー・シアンヤン:軽巡ティアンオ艦長、中佐、38歳 ・ホアン・ウェンデン:軽巡ヤンズ艦長、中佐、37歳 ・マオ・インチウ:軽巡バイホ艦長、中佐、35歳 ・フー・シャオガン:ジュンツェン方面軍司令長官、上將、55歳 ・チェン・トンシュン:軍事委員、50歳
8 155努力次第で異世界最強 ~喰えば喰うほど強くなる~
ある日突然異世界召喚されてしまった黒木レン。 そこは剣と魔法が存在するアイン・ヴァッハと呼ばれる世界だった。 クラスメイトはスキルもステータスもチートレベルなのに対して、レンのステータスは一般人よりも弱かった。 魔法が使えるわけでも剣で戦えるわけでもないただの一般人よりも弱かったのだ。 しかし、彼には謎のユニークスキルがあった。 効果も分からないしどうすれば発動するのかも分からない謎のユニークスキルを持っていたのだ。 そう【|喰種(グール)】というユニークスキルが。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 星雲は大の廚二好きです! 現実で出せない分ここで好きなだけ廚二病を発揮したいと思います!! たくさんの人に見ていただけると幸いです!
8 133二つの異世界で努力無雙 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いに成り上がってました~
異世界へ転移したと思ったら、まさかの最強(らしい)魔法使いになっている。 しかもステータスの伸びも早いし、チート級のスキルも覚えていくし、こりゃレベルカンストしたらどうなんだろ? いつのまにかハーレムまで―― 【俺TUEEE・ハーレム・異世界・チート・ステータス・成り上がり・スキル】 この作品には以上の要素があります。 また、元の世界に戻って主人公SUGEEも起きたりします。 全力で書いております。 ぜひお立ち寄りくださいませ。 *この作品には転移タグをつけておりません。詳しくは活動報告に記載してあります。
8 80神籤世界の冒険記。~ギルドリーダーはじめました~
ガチャに勤しむ會社員郡上立太は、コンビニで魔法のカードを手に入れた帰りに異世界へと送り込まれてしまった。それは彼がプレイしていたゲームの世界なのか、それともよく似た別世界なのか。世界を統治する『虹の女神』と、彼女に瓜二つの少女の正體。彼がこの世界にやってきた理由。これはいずれ世界を震撼させることになる男、『塔』の冒険者たちを統べるギルドマスターリッタ・グジョーの物語である
8 162