《規格外の殺し屋は異世界でも最兇!?》蒼空vs神様
「わしを毆るとな?」
エレノスがニヤつきながら返してきた。
「あぁ」
「何故に4発なのか聞いてもいいかのう?」
そんなもの...決まっているじゃないか。
理由は単純明快、そう
「なんとなく」
だ。
「なんとなくにしては數のキリが悪すぎんかのう?」
「まぁまぁ、そんな細かいこと気にしてると白髪増えるぞ?」
「お主、喧嘩売っとるのか?わしはもう白髪どころかすらないというのに...」
あ...(笑)
「そりゃ失敬、んじゃまっ...いくぞっ!」
俺は右手にダガー、左手にハンドガンを構えエレノスの懐へ走り出す。
対してエレノスは1歩もかない。エレノスは以前、俺の心を読んでいた。ならば、作戦など立てるだけ無用、無心に無數に、己の殺気を刃に変えて攻撃するのみ。
が
「ほう...悪くない、しかし、遅いのう。」
據えなくあしらわれる。まぁ予想してはいたが、強いどころの話じゃないな…仕方無い...本気でやるか
1、さぁ、自問自答の時間だ
2、敵は?
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 自稱神、エレノス
3 今回の行理由は?
  なんとなくって言ったけど、本當はいくつかある。
     1つ、エレノスは゛家族”をクズと言った。
     2つ、オタクの神を汚した。
     3つ、イラは、特になんともないと言っていたが、そんなのは噓だった。あいつの一瞬の表が、聲のトーンが、手足の震えが悠然と語っていた。すなわち、『悲しい』と。
イラはもう俺の仲間だ。なら、それだけで十分なだ。
4 手持ちの武は?
  ハンドガン一丁、予備の弾薬はなし。
ダガーが2本、閃弾に、暗。
5 相手の裝備は?
 
  特に何もなし、服の中に仕込んでいる可能もあるが、ここはもうファンタジーだからなぁ…
6  今回の対処は?
  エレノスを毆る
7 勝つ見込みはあるか?
 まぁ、無理だろうなぁ…だって相手神様だし…
8 この戦闘に意味は?
  あるさ、いや、見出してみせる。
9 最後だ、お前は何者だ?
 師匠の弟子、殺し屋、ただの高校生。
10 それともう1つあるじゃないか
  あぁそうだな、俺は《死神》だ
「こっからは全力だ、いくぞ。」
いつものルーティンを終え、俺の頭の中は隅々までクリアになっている。中の全神経をエレノスと俺の一挙手一投足に集中させる。
「ふっ!」
俺はさっきのように、銃とダガーを構えエレノスの懐に飛び込む。
「同じことを繰り返すだけでは何度やってもっ!...ほう...これは中々...」
速さはさっきとそんなに変わらない、変わったのは殺気の大きさだ。自分の中から溢れ出る殺気をダガーと、銃に集中させる。するとどうなるか…俺の気配が薄くなる。要するにと影のようなものだ。ダガーと銃に相手の意識を割かせることで自分への意識を薄くさせる。
そして俺はダガーの間合いにるし手前でダガーをエレノスに投げた。もちろん、エレノスには通じず、ダガーはつかみ取られてしまった。が、それでいい。エレノスのその行、その一瞬の隙に俺は背後に回り込みハンドガンを1発放つ。
パァン、と銃聲が響き、意識外からの1発を頭に撃ち込む。しかしそれをエレノスは振り向きざまに摑み取ったナイフで弾くと、
「中々じゃのう、流石はあやつの弟子なだけあるわい…し遊んでやるかのう《武創造》メモリーメイク・アサシンダガー」
すると、エレノスの周りに何十本ものダガーが浮かび上がる。
「やっぱファンタジー能ありかよ…」
「ふぉっふおっふぉっ、このスキルはつい先日までお主も持っておった《武創造》イメージ次第でどんなものでも作れるんじゃ、凄いじゃろ。そろそろ尊敬してくれてもいいんじゃよ?」
「へー、つまり俺も本來ならあれを使えたわけか…まぁあったら便利だけどなくて困るものでもないか…」
あと、尊敬しない。
あっ....
「ほう、お主はよっぽど神が嫌いと見える。しお灸を據えねばならんのう…」
エレノスが心読めるの忘れてた…しょげてるし、怒ってるし...
不機嫌になったエレノスは両手にそれぞれ何本も握っては投げ、また握っては投げてを繰り返してきた。しかも俺が回避する先をも狙ってきていて、実に嫌らしい攻撃するだった。
「いつまで耐えきれるかのう?」
俺が回避に手一杯になってるのに、エレノスは余裕の顔である。そして何より気に食わないのが、ここに來て、エレノスと対峙してから1歩もあいつがいていないということ。
その事がさらに蒼空をやる気にさせた。
「....負けねぇ」
そして、死神と呼ばれた殺し屋はさらに殺気を研ぎ澄ませ、神に刃を向けた
──────────────────
防戦に回ってどれくらい時間が経っただろうか、數分、あるいは數十分経っただろうか。
「....はぁ...はぁ、こふっ...」
そこには対峙してから1歩もかず、無傷なエレノスと、中に刺傷、切傷を無數に付けられ塗れになって仰向けに倒れた蒼空が居た。
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