《規格外の殺し屋は異世界でも最兇!?》お説教
「って言うことがあってな…」
そして、一通り説明し終わると同時に、フィーナさんが一言
「いやいやいやいや!意味がわかりませんよ!?」
あれ?どこか話し方を間違えたのだろうか等と考えたが、今話した事が非現実的すぎて理解できてない方で意味がわからないと言った顔をしているので話し方の問題では無いのだろう。
「ソラ...1つづつ確認しますよ?まずあなたは、もう魔力自が無いんですね?」
そうして、先程の話をしずつ確かめるためにフィーナさんと俺の質疑応答が始まる。
「そうだな、訳あってゲートごと無くなっちった。」
「そしてその代わりにステータスの欄に忌目録インデックスという欄があったと...」
「そして、こいつが出てきたわけです。」
そう言って俺はイラの頭をヨシヨシとでる。イラも抵抗せず、むしろ気持ちよさそうに目を細めている。正直かなり可い...
「そして、その子から手紙を貰って神様の所へ行って喧嘩を売りに行ったと...」
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「いやぁ、エレノス強かったなぁ…完全に遊ばれてたもんなぁ…もっと強くならないとだよなぁ…」
「ん、主様ならきっと、どこまでも強くなれる。」
「そして帰ってきて今に至ると...?」
「厳には帰ってきて、し寢て飯食って今に至る、だな。」
「あ、はい、そうですか。...って、そうではなくて!?」
「ん?理解できてない所あった?」
「ありますよ!?ありすぎて困るくらいですよ!?」
「例えば?」
「百歩譲ってあなたの魔力がゲートごと無くなる事はいいでしょう、創造神であられるエレノス様にならば可能なことですから。」
「そんなじで、理解できないこと全てあの人のせいにしてくれていいんだよ?」
蒼空からしてみれば、要するにエレノスが々手を回した結果、現狀に至るのだ。
そこにある程度自分の意思があったとはいえ、基本的にはエレノスが原因と思っている蒼空は、自の魔力同様、『エレノスのせい』で片付けようとする。
しかし、神という存在は元いた地球よりもこちらの方が近な存在だとは言え、それでも天井の存在であることに変わりはなく、全てをり付けるということも土臺無理なわけで...
「そうしたいのは山々なんですけど…分かっていても頭の方が追いつかないんですよ!」
「そりゃお気の毒に」
「うぅ...まぁいいです、それより1番疑問なのはそこのなのですが…イラちゃん...でしたよね?」
そうして、チラと傍らにいる桃の髪のを見る。
「ん、主様の...仲間?家族?...主様、どっち?」
「んー、仲間でいいんじゃねーの?」
「じゃあ家族で」
「まぁいいか」
なぜ、逆の選択肢を...と思ったが、正直な所家族と仲間の定義に関してはあまり気にしていないので、気にしないことにした。
「という事です、おねーちゃん、よろしく。」
「よろしくね。ねぇイラちゃん、君の種族って何か聞いてもいいかな?」
「...たしか、神霊種?だったはず。」
その瞬間フィーナさんの表に張が走る。
「神に最も近い種族ですか…あなたってスキルの欄に書いてありましたよね?その辺の仕組みがよく分からないのですが…」
「??...あぁ、本來エレノス様のいらっしゃる《天界》から、この世界への干渉は不可能なので、結果的に天界図書である私がこちらの世界に存在することも本來なら不可能なのです。」
イラは一瞬、なんとの事かと首を傾げるが、直ぐにその質問の意味を理解したのだろう、しずつ彼からの質問へ答えて行く。
「えぇ、だから疑問なんです。たぶん、そのスキルの欄に書いてあることが関係してると思うんですけど…」
「おねーちゃん、頭いいんだね…私は主様のスキルとして、主様を『依り代』にする事でこの世界に存在しています。言うなれば向こうの世界とこちらの世界を主様で繋いでいる、と言えば分かりますでしょうか?」
イラ自が賢いのか、それともフィーナさんの理解能力が良いのか、意外と早く話が進み、フィーナさんも最初と打って変わって冷靜に會話を進めていた。
「なるほど...よく分かりました。それで、イラちゃんは、神様に挑むなどという無茶をしていたソラをお説教していたと言うことですね?」
「...?その事には私は怒っていませんよ?必要なことでしたので、むしろ謝しています。」
「...え?では何故ですか?」
「それは...」
「それは...?」
「主様ったら、食事中に本なんて読んでいるんですよ!?お行儀が悪いったらありゃしないですよ!」
「だから、悪かったってば…」
そう、要するにそれだけの事なのだ。
クタクタになって帰ってきて、一眠りした後、食事の時間までまだし時間があった。やることも無いので、暇つぶしに読み終えていない本でも読んでおこうかと思い、本を手に取った。
そして、食事の時間になり、食堂へ行くことになる。彼は(今いい所なのに…)と思ったが、食事の時間は決まっている。さてどうしたものかと、一瞬悩むが、まぁ別にいいか、と、本を片手に食堂へ行った。
食堂へは他のクラスメートも來るので、紅葉達とし話をした後、空いている席へ行き食事を始めた。もちろん片手に持ってきた本を読みながら。
陸稲や紅葉達は他の奴らと話をしていたし、イラの存在はまだ知られてはいないため、余計な騒ぎになるだろうという事であまり人前には出ないことになっている。
そういう狀況が噛み合って、蒼空を注意する人は誰一人としていなかった。もちろん、イラは蒼空の中から見ていたので注意したくてしょうがなかったが、姿を見せるれるはずもなく、結果的に帰ってからお説教する事にしたのだった。
「まぁ、お説教は終わったのでもう怒っていませんけどね」
「そりゃよかった。」
端的に言って、これからはイラを怒らせないようにしようと蒼空が心の中で決めたほどにイラの説教は凄かった。
部屋にり一息つくと、直ぐにイラが実化し、眉間にシワを寄せ一言「...正座!」
と言った。咄嗟のことに何事かと驚いた蒼空であったが『あ、これ、逆らったらダメなやつだ....』と直的にじ、丸々1時間お説教され、そして今に至るわけであった。
なぜか、イラの態度が「主様」と言っている割に、主従と言うより、弟に手を焼く姉のようで、本當に家族に接するようなじになってきつつあるのだが、これはこれで悪くないと思ったのはここだけの話だ。
「え?えぇ...そこなんですか…」
フィーナさんはもはや呆れて何も言えないという顔で肩を落としてしまった。
無理もないだろう、神様に喧嘩を打ってきたという、教會のお偉いさんが聞いたら即倒しそうなことをしでかし、それなのに怒られている容が『食事のマナーが悪い』と來た。
狀況のギャップにフィーナさんが本來の目的・・・・・を忘れて落ち込んでいるのを見て、流石に非常識過ぎたと、軽く反省した蒼空から聲が掛かる。
「それはそうとフィーナさん、俺になんか用事があったんじゃないのか?」
「....あぁ、そうでした。明日から本格的に勇者一行の王城訓練が始まるので、そのお知らせに來たんでした。明日の朝10時に王城の訓練公園に集合してください。」
「明日の朝10時ね、了解、ありがとな。」
「いえいえ、これも職務ですので。では、私は他の仕事が殘っていますのでこれで...」
彼は思い出したように必要事項を話し、
仕事に戻ろうとしていた。
「おう、頑張ってなー。」
騎士団長であり、今はメイドでもある彼にはやる事が多いのだろう。なにかしてあげたらと思うが、出來ることがあるわけもないので軽く一言労いの言葉をかけた。
「はい、ありがとうございます。....本當はもっとソラとお話とかしていたいのに...(ボソッ)」
フィーナさんが、最後に小さな聲でボソボソと呟いていたが、生憎、俺はどこかの難聴系主人公ではないのでしっかり聞こえていた。そんなわけで、
「また時間ができた時にいくらでも話くらい相手になるよ」
「なっ!聞こえていたんですか!?」
「そりゃもうバッチリと」
「うぅ...ものすごく恥ずかしいですが、嬉しいので良かった事にしておきます。」
そう言って顔を真っ赤にしながらフィーナさんは早足でどこかへ行ってしまった。
そんな姿に微笑ましくじつつも、異世界に來てから自分の心境の変化に疑問が出てくる蒼空であったが、
「主様、私からもし話があります。」
と、イラの方から聲がかかった。もしや、まだ説教が殘っているのか…と思ったが、イラのなんとも言えない微妙な表に、お説教では無いことが分かった。
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