《められていた僕はクラスごと転移した異世界で最強の能力を手にれたので復讐することにした》11・濡れの年
パンドラの軽い重をじながら、優希は來たに向かって歩き出す。
相変わらず魔境に住まう魔達は視線をよこしながらも姿を見せない。
「いい加減見られるのも疲れるな。なんとかならないのか?」
「どうせ襲ってこないんだから気にしなければいいだろ。俺も今はしの力も使いたくないんだ。ていうことだから降りろ。」
「斷る。それに、魔界の魔を倒して練度はかなり上がったのにマナは回復しなかったのか?」
「疲労が増しただけだった。多分魄籠がマナを溜め込める量は上がったけど、マナはそのままなんだろうな。そうだ、お前のマナを寄越せ、運賃だ」
優希は純白の世界でパンドラが優希にマナを送り込んでいたことを思い出し、しでもマナを補填しようと運賃を要求。しかし、彼はそれを拒否。
「殘念だが私の魄籠も空っぽだ。お前の命を繋ぐほどのマナを使っているんだぞ、普通ならマナ欠乏癥で倒れている」
優希は死んでもおかしくない、いや死んでなきゃおかしいほどにやられていたのだ。だが、パンドラがマナを送り、命を繋いでいたおかげでこうして生きている。當然、命を救うほどのマナは計り知れない。そもそも、人間には不可能かもしれない。
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優希はパンドラの正に疑問を持っている。
「結局お前って何者なにもんだ? いきなり俺の前に現れたと思えば消えて、空から降ってくるとか」
「その辺はおいおい話すとしよう。まずは落ち著いて話が出來る場所へ行け」
「へいへ~い」
背後から命令するに優希は上辺だけの返事で返し、気怠さをアピールしながら足を進める。
かれこれ數十分歩き続ける。優希の予想ではもうそろそろ森から抜けてもいい頃なのだが。
「……おかしい」
「やっと気付いたか」
優希が抱いた違和に、パンドラは鈍さを指摘する。
初めての魔境で分からなかったが、先程からじる視線。しかし奴らはその姿を見せない。
優希はてっきり自分の練度が上がったため萎、警戒しているのだと思った。
「けど、魔境の連中は竜崎に襲い掛かってた。敵わない敵であることは奴らも分かっていただろうに」
現時點で、優希と竜崎との練度差はあまり無い。その上、今の優希に至っては魄籠の中は空っぽ。
普通なら今じる視線的に、數百もの魔族が押し寄せているはず。それに、弾丸鼠ガンガル―を倒した後とは違い、今は視線はじるが気配は全くじない。明化しているかのように。
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「それに気のせいかさっきから同じ道をまわってる気がする」
「だろうな。攻めてこない魔族、ループする魔境。これはまるで……」
「監視されてる?」
パンドラの言葉の続きを優希が言い、彼は肯定の意味を込めて首を縦に振る。
だが、もしそうなら問題は誰が監視しているかだ。
「魔族の目を通じて俺たちを監視しているのなら相手はおそらく獣使。だが、魔境から出れなくするような特殊な恵は存在しないから、相手は『天恵』使い。なくとも四千近い練度差」
その上優希のマナはほとんど殘っていない。パンドラから授かった力だけでどうにかなるものだろうか。
優希は立ち止まり、警戒しながら周囲を観察する。
相変わらず視線はじるが、特に誰がいるわけでもない。次は音、魔族の吐息、そよ風による葉音、後ろでしがみ付いているの鼓。やはり何も見つからない。
「厄介だな。姿どころか位置も確認できないとなると相手は弓兵の可能も出てきた。なくとも二人はいる」
獣、魔族をる獣使と、隠活が得意な弓兵が敵の恩恵と考えた。
これはあくまでも推測だ。ただの思い過ごしの可能もある。しかし、思い過ごしであるという確認が取れないと安心はできない。それに、魔族が襲ってこないのはともかく、魔境から出れないとなると何かしらの力が働いているとしか思えない。
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「まぁ、お前が極度の方向音癡ということなら大解決するがな」
「フン、殘念だが方向覚には自信がある。とりあえずは今どうなってるか見てみるか」
優希は屈んでタイミングを計る。そして、屈んだ足を大地に踏み込んで跳躍。
パンドラは落ちないようにしっかりと摑まり、優希は疎らに並んだ樹木を壁蹴りの要領で上り、木の葉の屋を突き抜ける。が――
「おわっ!?」
時間はもう夕方。茜のが優希を照らしたかと思えば、天地逆転。
優希のにじる重力は上向きに働き、大地は空に、木の葉の屋は地面に変わった。
落下しているのだ。優希が木の葉の屋を突き抜けたと思えば、頭から落下していた。
「よっと。……場所の把握は無理だったが、これで俺の方向音癡説は無くなったな」
「殘念だがそのようだな。どうやら私たちは閉じ込められているらしい」
前後左右上下どの方向に進んでも同じ場所に戻される。周囲が鏡で囲まれて進もうとすれば鏡の世界に溶け込んでしまうような未知の覚。
「どうする? 敵が飽きて出てくるまでしりとりでもするか」
「なんでしりとりだよ。まぁ、何もできないのも事実だしな」
明らかにおかしいと分かっていながらも、それを解決するが見つからない以上することが無い。
優希の知識量では今自分に何が起こってるのか分からないのだ。
「まぁこの狀況を打破できるまでとりあえず降りろ」
「嫌だ……と言いたいが仕方ない。そこの巖場に降ろせ」
優希は言われるがままにパンドラを近くに落ちている大きい巖に降ろす。
そして、し開放をじながら手足をばして筋をほぐした後、足元に落ちている小石を拾って、
「よっ」
上に放り投げる。小石はそのまま一直線に木の葉の層を貫いた。
そして、
「…………なるほど、人以外は出れるんだな」
投げた小石は葉の層を突き抜けてもしばらく戻ってこなかった。つまり、普通に上に飛んでいき、そのまま重力に従って落ちてきたということ。もし小石も出れないならそのまま葉の層にれた瞬間すべてのベクトルが反対に働いたかのようにお勢いよく落ちてくるはず。しかし、數秒間を開けて落ちてきた。そこから、この力は生命以外は対象外ということ。
「服はそのままだかられてさえいなければ扱いになるのか。まぁこれが分かったところでだけどな」
「問題は敵が私達をどうしたいかだな。心當たりは?」
パンドラが視線を優希にやると、優希は首を橫に振る。
「俺に用があるとすれば生徒ぐらいだろうけど、こんな力が使えるほど練度が高い奴はいない。お前の方こそどうなんだよ?」
「私か? そうだなぁ恩恵の有無はともかく私に用がありそうな奴は……十七人ぐらいか」
「多いな。その気にさせるだけさせといて捨てたのか?」
「失禮だな。私から近づいた覚えはない」
「冗談だったんだが……。で、真面目に答えると?」
「全くないな。私の知り合いなど遠の昔に死んでいる」
お互い敵の心當たりがない。報がないままかれこれ數十分、日も落ち始めていた。
今日はここで野宿だなととりあえず現狀打破を諦める。
樹木を倒して椅子代わりにし、乾いた枝や葉をかき集めて火を起こす。
「起きてても腹が減るだけだし寢るか。どうする互に見張りでもするか?」
「ふぁぁ……私も眠たい、お前が見張りをしろ、ずっと」
欠をしながらパンドラは優希に見張りを押し付け反対意見を聞かずに眠りにる。
ただ、優希も瞳を閉じて倒した木にもたれ掛かる。
焚火の音だけが靜寂の中に響く。月も上り、魔境の中は焚火の炎以外源が無い。
パチパチと……小枝の弾ける音だけが……響く……
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――――――――――――。
「クククッ……と~んだおバカさんですねぇ~。あれほど警戒しておきながら、両方眠ってい~るではありませんかぁ~」
魔境の森で無防備に寢息を立てる二人。それを監視する魔族の目は、ある男へと繋がっていた。
細のを包む迷彩柄の軍服、右腕には同じく迷彩柄の鞭を持っており、カメレオンを連想させる特殊なゴーグルをかけている。出している舌は長く、そこから唾が零れ落ちる。
そいつは優希から遠く離れた樹の上で隠れていた。音を消し気配を消し、自然の一つとなって優希たちを監視していた。
彼の恩恵は獣使。魔族と覚を共するのは獣使の専用恵【共】。れた相手と五を共し作するもの。もちろん実力差で効果時間や、掛かり合は変わるが、彼の練度ならこの魔境の魔族は大恵対象だ。
そして、優希達を閉じ込めたのは彼の天恵【出不可能な空間ノンエスケープ】。
対象を指定した空間から出れなくするという恵。その力を使われた優希は半徑10メートルほどしか行できない。本來は大量の魔族や獣も一緒に閉じ込めて対象を攻撃するというものだ。
彼の名前はカルメン。眷屬の資格は無い恩恵者で、この魔境を狩場にしている。しかし、彼にとって狩りの対象は魔族だけでない。ここは『始まりの町』に近く、まだ弱い恩恵者も練度上げに來ることが多い。カルメンはそんな奴らを大量の魔族と一緒に天恵で閉じ込めて、【共】で外から見することを趣味にしている。
今回も複數の魔族に【共】を使って、今日の獲を探していたところ見つけたのだ。まみれの優希を。弾丸鼠ガンガル―の死は原型を留めていなかったため、優希の力を知らなかったのだろう。魔境で手こずるような奴が自分に勝てるわけないと思い、カルメンは狙いを優希に絞った。そこからは優希に天恵を仕掛ける隙を伺っていた。が、ここで問題が起こった。
優希が凄い速度で移し始めたのだ。ちょうど優希が落下するパンドラを見つけた時だ。
カルメンは見失わないように魔族を移させたが、魔族では追いつくことができなかった。
しかし、ここで見逃せばプライドが傷つくし、それに苦労した分ほど楽しめるというもの。彼は強手段に出た。
獣使の上級恵【観染】を使った。【観染】は【共】と効果容は同じだが、【観染】は植にも対応、自からの視覚を樹に植え付ける。何より直接れずとも【観染】に掛かっているものがれれば効果は発する。つまり、魔境の樹一本に【観染】を使うと、枝や葉を伝って魔境中に広がるのだ。これで準備は整った。
優希がちょうどパンドラと出會った時、カルメンは天恵を発した。
【出不可能な空間ノンエスケープ】の発條件は、マナをれさせること。【観染】によってカルメンのマナは魔境中の樹に微弱だが流れている。れれば優希達にも【観染】のマナが微妙に流れ込む。ただ、なぜか優希達をることは出來なかったが、そこは問題ない。なぜなら天恵の発條件は満たしたからだ。
唯一の誤算は【出不可能な空間ノンエスケープ】を発したとき、カルメンのマナはほとんど使い切り魔族に使っていた【共】が解けてしまったのだ。周囲に魔族が居なかったこともあり、魔族も一緒に閉じ込めることは出來なかった。
途中から視線の気配が消えたのは、その視線は魔族ではなく【観染】されている樹だったからだ。
しかし、今は回復薬などでマナを回復し、大量の魔族に【共】を使って囲んでいる。【観染】を使わないのは、樹は監視が目的のため効果が薄れても移させる訳ではない為問題ないが、魔族はる作業も必要になる。【観染】はれれば自的にマナが流れるため、マナを勝手に分配されてるほどの効果が消える可能もある。
それ故、る必要のある魔族は【共】なのだ。
「さぁ、そ~の寢息を斷末魔だ~んまつまに変えて差~し上げましょう」
オーバーロード:前編
未來に存在するVRMMO『ユグドラシル』のサービス終了の日。最強クラスのギルドの一角である『アインズ・ウール・ゴウン』のギルドマスター『モモンガ』は、メンバーと共に作り上げた居城の玉座に、臣下たるNPCたちにかしずかれながら座っていた。たった1人で、もはやいないかつての仲間達を思いながら。 そしてサービスが終わり強制ログアウトが生じるその瞬間、異変が起こった。ログアウトできず、そして何より話すことの出來ないはずのNPC達がまるで生きているかのように忠誠を示しだしたのだ。さらには外の世界は未知の世界。モモンガは混亂しながらも、絶対者(ギルドマスター)として行動を開始する。 これはアンデッドの肉體を得た絶対者たるモモンガが、己の(頭のおかしい)目的のために、異世界を蹂躙していく物語である。 この作品はarcadia様の方でも公開しております。
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【注意】 この小説は、執筆途中で作者の続きを書く力が無くなり、中途半端のまま放置された作品です。 まともなエンディングはおろか打ち切りエンドすらない狀態ですが、それでもいいよという方はお読み下さい。 ある日、パソコンの怪しいポップアップ広告らしきものを押してしまった青年「藤崎啓斗」は、〈1日100連だけ引けるスキルガチャ〉という能力を與えられて異世界に転移した。 「ガチャ」からしか能力を得られない少年は、異世界を巡る旅の中で、何を見て、何を得て、そして、何処へ辿り著くのか。
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