《められていた僕はクラスごと転移した異世界で最強の能力を手にれたので復讐することにした》24・最強の攻撃力
優希を追う矢は生きのようにき回る。
ボールを追う犬のように、獲を見つけたチーターのように、優希を対象に延々と追い続ける。
優希は矢をかわしながら周囲を観察。今だに盜賊姿のは姿は隠れたままだが、特定するチャンスはあちらから與えてくれた。
盜賊姿のはダガーを持っていたため、剣士かと思っていたが弓兵のようだ。
弓兵の恵には【追鏃ついぞく】というものがある。自らのマナを矢に籠め、思うままに軌道をる。
優希がこれを使っていると思ったのは理由がある。
一つは優希を必要以上に追ってくること。もし、矢が特定の人を追うようにする能力なら、彼が持つ優希の報はほとんどが偽りだ。彼に敵意を持っているを追うのなら、アリサも該當するし、男というのなら獣使の男も該當する。恩恵が該當するのなら彼は優希の恩恵を剣士だと思っている。
そもそも自追尾という強力な恵は彼ではまだ使えないだろう。弓兵は自らの実力を完全に消せるが、彼の立場や立ち振る舞いからして明らかに下っ端。練度はさほど高くない。
二つ目、優希は何度かを盾にした。だが、矢は貫通するどころか、盾を回避して優希に迫った。自追尾か作しているか。前者は可能がないことは言った通り、なら作していることになる。
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三つ目、本來この狀況では【追鏃】を使っている可能が低いということ。なぜなら【追鏃】は使用者が見ていないと明後日の方に飛んでいくいからだ。彼は姿を隠している。今の彼が【追鏃】を使うということは、目を閉じてラジコンをっているような。地図を認知し障害に當たらないようにすることは出來ても、人を追うのは不可能。と、普通なら考える。
だが、彼は優希のことを見ている。あれほどの追尾してくるのだ。運や勘などで出來るものではない。
そして、彼の仲間は獣使の男だ。獣使の恵【共】は人間も該當する。つまり、獣使男が見ている景を彼も見ているのだ。そうなれば、【追鏃】を使っている以外に考えられない。
そこまで気付けば、狙いは自然と獣使の男に絞られる。だが、獣使の男は近接戦闘にも長けている。おそらく、そこまで気付かせて獣使の男は餌となり近づいてきた奴を仕留める。獣使の男いくつか隠し玉を持っているのだろう。
なら、優希のとる行は一つ。盜賊姿のを先に見つけて倒すこと。本來それは難しいことだ。だが、優希には簡単にそれが出來る。
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優希は紙一重で矢をかわすとその矢を摑んで、権能を発する。カルメンの時と同じ手法。マナを籠めて矢をっているのなら、矢と使用者の間にマナの繋がりがある。それを辿れば逆探知が可能だ。
「見つけた。そっちは頼んだぞ」
優希は一言アリサに殘して、盜賊姿のの方へと走り出す。摑んでいる間も尚優希の方に矢先を向けていた矢を放すと、再び優希を追尾する。よけながら、迅速に盜賊姿のの方へ。
「なっ、噓でしょッ」
「殘念だけど噓じゃない」
優希が自分の方に迫っているのを理解したのか、場所を特定されたことに驚きを隠せない。そして、驚嘆の本音を零したのと同時、背後から聞こえる冷徹な返答。
彼はとっさに背後を振り向く。そして、優希を認識するとそのまま再び元の視界へ。
行き過ぎた視界に疑問を覚えた。なぜなら、視界報だけで見れば、彼ははそのままに百八十度全を見わたしたのだ。そして、鈍くじる痛み。
「なっ……い、やぁ……」
彼はどさりと倒れ込む。首元に歪な捻じれ跡を殘して。
一方その頃。
アリサは今だに踏み込めないでいる。ナイフの恐怖にも慣れ、何度か接近を試みたが、それでも獣使の男の守りはい。
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「チッ、やられたか」
いらだちの舌打ちをして、男は盜賊姿のがやられたことを理解した。【共】が解除されたからだ。そして、彼の景も獣使の男は見ていた。なら、彼がどんなふうにやられたのか、一瞬の出來事で詳しくは分からなくても、大予想出來る。
そして、同時に優希の危険を理解した。本來ならアリサを見捨てて撤退を選ぶところだが、それをさせない存在が脳裏をちらつく。
早急にアリサの口を封じて撤退するに限る。
「ちょっと急がせてもらうぜッ」
獣使の男はアリサの方に走り出す。そして、右手に持っているナイフを彼の顔目掛けて突く。だが、アリサはそれをいないし、すかさず綺麗な手で拳を作り、男の顔面に打ち放つ。
男はそれをギリギリのタイミングでかわし、再び距離を取る、
「おうおう、前から思っていたが、にしては迷いのない男らしいパンチ。アリサお前男けするタイプじゃないだろ?」
「なっ、違うわよ! そりゃ昔から男子に負けず劣らず気が強かったのは認めるけど、べ、別に男けしないわけじゃないから!」
「ほぅ、なら甘い話の一つや二つあるんだろうな?」
「も、もちろん……ある、わよ……」
「あれぇ、徐々に聲が小さくなってますけどぉ?」
「ええい、うるさい煩い。ていうか今あたしがモテるモテないは関係ないでしょッ!」
半ばかけくそのようにアリサの一撃が男の方へ。
男は後ろに跳躍しそれを回避。アリサの拳は大地をクッキーかと誤認させる威力を誇り、簡単に大地と周辺の家屋を破壊した。
その事実に男は目を見開く。
「おいおい、お前ホントに槍兵か? 武闘家並みのパンチ力だぞこれ」
瓦礫と化した家屋と、陥沒した大地を見て、アリサの恩恵を疑った。
槍兵に威力のみの攻撃力はあまり無い。それこそ剣士か武闘家が一番の攻撃力を持っている。だからこそ、アリサの恩恵が槍兵だとは思えない。
「結構上がって來た。あたしの恩恵は槍兵、天恵は【限度知らずの能力ゼロリミット】」
【限度知らずの能力ゼロリミット】は、発してから時間が経てば経つほどあらゆる能力値が増幅されていく天恵。
「あたしが天恵を使い始めたのは最初に攻撃を仕掛けた時。今なら一撃であんたのに風開けれるよ」
アリサが天恵を発した最初の攻撃とは、獣使の男に特攻を仕掛けた時。その時は使い始めであまり変化は無かったため、ナイフを頬に掠らせてしまったが、今となっては武闘家並みの破壊力を持っている。今まで気付かなかったのは、アリサが回避といなしで攻撃力を見せつけず、攻撃を放っても地面などにはぶつけていなかったからだ。
それは確実に渾且必殺の一撃を叩きこむためと男は思ったが、簡単に挑発に乗ってまんまと天恵を明かすあたり、彼はそれほど深く考えていないようだ。でなければ天恵を明かすようなことはしない。
「どうする? 今なら撤退してもらって構わないけど?」
勝ち誇ったかのような笑みを浮かべるアリサ。だが、彼は心は焦っていた。彼の天恵は、能力は上がり続けるが、天恵を解除すればそれ相応の疲労が襲いかかってくるのだ。これ以上は試験に影響が出る。早急に勝負を決めたい。
「俺としてもここは逃げたいんだが、リーダーの存在が脳裏にチラつくんだよ」
「なら、あんなとこ戻らなければいい」
「それが出來たるぁッ!?」
男の脳天に向かって弧を描く漆黒のブーツ。突然の聲に無意識に反応してしまうが、その反の言葉が最後まで続く前に、男の視界がぐるぐると回る回る。鈍く伝わる側頭部の痛みが、この天変地異の景を引き起こしているのを理解したときには、男は頭から地面に叩きつけられていた。
「き……さま、がっ……」
男は地面に倒れ込んだまま気を失った。
「あんたいつの間に……」
アリサは終始神出鬼沒に現れる白髪の年に、上手く言葉が出なかった。
********************
「おぅ、えっとアリサだっけ? 大丈夫だったか」
表面上の心配。正直彼の安否はどうでもいい。だが、彼の天恵は使える。味方にして損はない。
優希の心配に、アリサは笑顔で対応。
「あたしは大丈夫」
そして、さほど興味のない安否確認を終えたところで、優希はずっと気になっていたことを調べることにした。
「替わった服だな」
彼がに著けている神格高校の制服。
そして、記憶に引っかかる名前と聲。
その答えは彼の口から明かされた。
「この服はあたしのいた世界の服でね、気にってるから普段も來てるんだ。この世界の服は嫌いじゃないけど、なんかねぇ」
「この世界? あんた召喚者か?」
自分で言ってて疑問に思う。優希達が召喚された時、彼はいなかった。エンスベルが簡易的に創った漆黒の空間でも、召喚されて最初に説明をけた教會でも彼はどこにもいなかった。
「召喚者とかよく分からないけど、いつも通りバイト……働いてたら、変な男が來て、壁になんか描き始めてそれがってなんかこんなところにいるってわけ」
狀況だけ見れば優希達と同じ。
つまり元の世界の住人なのだろう。なら、優希の記憶に引っかかるのも頷ける。
つまり、彼は生徒から制服をもらったのではなく、初めから彼のものだったということ。優希達と二年四組の他にも召喚者がいたとは驚きだ。
まだ気になることはいくつかあるが、とりあえずそこまで納得して、
「そうか。まだ名前言ってなかったな。俺はジークだ、よろしく」
「アリサ、沼倉亜梨沙≪ぬまくらありさ≫よ。よろしく」
彼のよろしくはとても友好的で、明るい。だが、そんなこと吹き飛ぶほどに、優希は靄が晴れる開放を覚えた。
優希は彼を知っていたのだ。
優希のいた二年四組二十二番、沼倉亜梨沙。同じクラスでありながら、誰か分からなかったのには理由がある。彼は學式の日以降、一度も學校に來ていないのだ。
どんな事があるのかは知らないが、彼は學式に顔を見せてから、學校に來ることはなかった。
優希の記憶にあったのは學式の時のことだろう。その頃から金髪だった彼は、自然と周囲から視線を集めていた。
だが、彼が召喚者だとしたら腑に落ちないことがある。
彼は天恵を使っていたのだ。天恵が使えるということは練度は5000を超えている。彼がアルカトラに來たのは優希達とさほど変わらないだろう。なら練度5000に到達するまでまだかかるはず。彼の長速度の正が優希には分からない。
「で、あんたはこれからどうすんの?」
優希が學式の頃の記憶を辿っていると、活発な聲が意識を現実に引き戻した。
聲をする方に視線をやると、亜梨沙が優希の瞳を覗いていた。
「どうするって何が?」
「何がって試験よ試験。あたしはチームのやり方についていけなくて半ば任せで出て行ったけど、今回の試験は一人じゃ厳しいのも事実だし」
「お前なら一人でも大丈夫なんじゃないか? 天恵あるし」
優希が言うと、彼はの筋をばす。彼がくたび、骨の音が重く響く。
「見ての通りあたしの天恵は反がやばい。そう連発できるもんじゃないの」
「なるほどな。俺んとこは現狀四人チームだ。俺は他のチームにるために、視察してるとこ」
優希の狀況を知り、亜梨沙はし考える。だが、それは本當に剎那の思考で。
「なら、あたしはあんたのチームにるよ」
彼は親な笑みを浮かべた。
こうして、最強の攻撃力、沼倉亜梨沙が仲間になった。
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