「カイ。ウミ。この辺りに、窟は有ったか？」

『・・・』『あったけど・・・』

二匹が言い淀んだ所から、二匹が城にしていた場所なのだろう。

「どのくらいの魔がり込んでいる？」

『え？あっ僕たちが確認した時には、20位でした』『うん』

20か・・・以外と多いな。草を抜いて、地面を出させる。

「カイ。ウミ。覚えている限りでいいから、その窟を書いてみてくれないか？」

『はい』『わかった』

二匹は、何かいいながら、地面に窟の見取り図を書いていく。

どうやら、り口は一つで、それほど大きくないようだ。分かれ道も一つしかなく、すぐに最奧部に到達できる。

「そうか、カイとウミが覚えている限りで、魔はゴブリンだけだったのか？」

『僕が見たのは・・・あっスキル持ちがいるかも知れません』

『アタシは、コボルトが數荷を運んでいたのを見たよ』

り口を塞いで、出てくる一一始末していくか・・・時間がかかりすぎるな。

それに、食料調達に外に出ている奴がいると後ろから襲われてしまうし、あまり時間はかけられない。他の魔が來ない間に、拠點として使える狀態にしたい。

「カイ。ウミ。その窟が見える場所まで案してくれ」

『・・・わかりました』『はい！』

ウミはなんだか、嬉しそうだ。

広場から、1時間くらい森の中を移した。しだけ広がった場所が見えた所で、カイとウミが止まった。

『カズト様。あれがそうです』

カイの目線を追うと、巖山があり、そこに切れ目がある。高さ的には、2ｍは無いだろう。1.5ｍ程度だろうか、幅も大人がやっと通れる位だ。確かに、大型の魔はってこられないだろう。拠點と考えると、ちょうどいいのだろう。

しばらく、監視していると、數のゴブリンとコボルトが出りしているのが確認できた。

出ていった者も何かを持って帰ってきている。

辺りに、闇の帳が降りてきた。もう帰ってくる者は居ないようだ。確認しただけで、ゴブリンが11。コボルトが6だ。

出ていかなかった者もいるだろうから、拠點化を進めているのだろう、木材や石を持ち込んでいるのが確認できた。あと、何かしらの道と思われるも持ち込まれていた。そして、人間と思われる死もあった。

この近くに、人間が住んでいる可能が上がったが、カイとウミは、人間は俺以外見たことがないと言っている。

人里の事は、棚上げだな。今考えてもしょうがない。

さて、使える武は、剣が二本と、知恵と勇気！絶的だな。戦力比は、3：17～30程度だろう。30と考えると、一人、10倒せばいい計算だ。はぁ頭かいて寢てしまいたい。でも、拠點はしいし、カイとウミに、安心して過ごせる場所を提供してあげたい。何よりも、俺が安心したい。

狀況を注視していると、ゴブリンたちは見張りは出ていないようだ。

正面に回って見たが、見える位置に、ゴブリやコボルトを確認できない。もしかしたら、スキルで何かしているのかもしれないが、その場合には逃げ出すしかない。

り口が思った以上に狹い上に、ターゲットが奧にっている。カイとウミの説明でも、奧は、広がっているが、り口の通路は狹いようだ。１対１には慣れるのだろうけど、30と戦い続けるなんて事は考えたくない。

「カイ。巖山の上はどうなっている？」

『え？わかりません。申し訳ありません』

『アタシ知ってる！沢山土とか石とか有ったよ』

「し大きめの巖は有ったか？」

『うん。有ったよ！』

「ウミ。ありがとう！」

『えっへん！』

「カイ。ウミ。大変だけど、さっきの場所まで戻るぞ」

『はい』『わかった』

さっき抜いた草が必要になる。生木も沢山ある。

// 名前：草

// 食用には適さない。水分に、睡眠効果がある。

そんな草だ。

広場に戻って、風向きを確認して、枯木の上に草を置いて、火を付ける。立ち上った、緑の煙を鑑定してみると、

// 名前：煙

// 一定量吸い込むと、睡眠狀態になる

當たりだ！

必要量がわからないから、広場に生えている草を片っ端からっこから抜いた。木に巻き付いていた、蔦を剝がして、草を束にして縛る。まとめて、窟の近くまで持っていく。

次に、巖山に登った。ウミが言う通りに、堆積しただろうか、草が生える程度の土や石がある。

直徑１ｍ程度の大きな巖が數個転がっている。１トン超の重さになる。俺にかせるとは思えないがやってみる事にした。森から、そうな木を選んでテコでかせるのなら転がしたい。

巖をかす功した。うまい合に、近い場所での支點を作る事ができた。不思議な木だったが、魔力を注ぐと、鉄のように固くなると説明が出ていたので、魔力を注ぐイメージで、5ｍの木で、5ｃｍの支點位置でかす事ができた。異世界バンザイだ。

”ズドン”という音と共に、巖が窟のり口の3/4を塞ぐ。

中でゴブリン共が騒いでいるが、出られるのは、頭や手だけのようだ。

位置もうまく行った。ゴブリンどもが、巖に當たりしているのがわかるが、その程度では巖はかないだろう。

煙がうまく流れるように、土と巖でかまどの様なを作る。それから、枯れ木を組み上げて、持ってきた草を上からかぶせてから火を付ける。あとは、木の皮を剝いで作ったうちわもどきで、煙を窟の中に流し込む。

火が強くなりすぎるので、生木をれて、煙の量を調整する。

奧まで屆いているのかは不明だが、出ている煙と、上から出ている煙の量が明らかに違うし、窟と言っても、大きさから空気が有っても不思議ではない。カイとウミも、用に二匹で巖を運んでくる。それで、塞いでいる巖の隙間を埋めていく。

そのまま、火が消えない程度に、草を燃やし続けた。近くの土が粘り気が有ったので、巖と石の隙間に詰め込んでいく、これで、煙の流出もなくなる。安全ラインがわからないが、一晩程度送り続ければ大丈夫だろう。

もうひとり人手がしい・・・。

一人と二匹で、頑張った。

朝日が辺りを照らし始める。數時間前から、窟の中から音が聞こえてこない。音で起きてしまう可能もあるので、一酸化中毒を狙って、巖の隙間から、燃えた炭を投する事にした。

カイとウミに、持てる範囲で枯木を集めてもらった。無理の無い範囲でやってもらっている。

何回目の投が終わった。

カイとウミが戻ってきたら、食事に行こうと思っていた。

二匹が戻ってきた。

ん？後ろから、何かがついてきている。”ぽよんぽよん”とした生きで、いわゆるスライムなのだろう？

「カイ。ウミ。そのスライムはどうした？」

『広場に居たから連れてきました』

「え？広場？果を食べた所？」

『はい。アプルの皮や芯を食べていました。”もっと食べたい”と、言っていました』

『ほら、カズト様にお願いしなさいよ』

ウミが、スライム向けて命令したら、”りんご”や”もも”を、10個くらいずつ吐き出した。

「これは？」

『剝いてしいそうです』

「そのまま食べないのか？」

『・・・。あっ芯だけ食べたいそうです。種とかですね』

「そうか、それにしても・・・」

// 名前：---

// 年齢：0歳

// 種族：スライム・ベイビー

// 稱號：なし

// 固有スキル：収納

// 固有スキル：---

// 固有スキル：---

// 固有スキル：---

// 固有スキル：---

// 固有スキル：---

// 固有スキル：---

// レベル1スキル：

// レベル２スキル：

// レベル３スキル：

// レベル４スキル：

// レベル５スキル：

// レベル６スキル：

// レベル７スキル：

// レベル８スキル：

// レベル９スキル：

// レベル１０スキル：

// 力：H

// 魔力：H

確かに最弱なのは間違いないけど、固有スキルが優秀すぎる。固有化のスキルを持っている俺との相が良すぎる。

この世界の人間は、スライムを眷屬化して、便利に使っているのだろうか？

なんとか、眷屬化したい。カイとウミは、ペット枠で、スライムはペット兼倉庫役だな。収納が、どの程度収納できるのかわからないけど、なくても、果20個を収納できる程度の大きさは有るようだ。

「カイ。そのスライムを、俺の眷屬に加えたいけど、話を通してもらえるか？」

『・・・大丈夫です。是非と言っています』

「ありがとう。契約を行う」

スライムにれながら、眷屬化のスキルを発する。

「名前は、ライ。お前の名前は、ライだ！」

// 名前：ライ

// 稱號：カズト・ツクモの眷屬

ライを鑑定して、眷屬化ができた事を確認した。

早く、念話のスキルカードを得ないとな。カイやウミに、間にってもらえば話が通じるけど、會話ができないと寂しい。

ライが持ってきた果で腹を満たした。

皮や種や芯は、ライが喜んで食べている。

果で、水分と栄養を確保した。

これからどうしようかと悩んでいると、

『カズト様』

「ん？どうした？」

『ライに、何をしているかと聞かれて、簡単に説明したら』

「ん」

『”隙間から、中にって確認してくる”と、言っていますがどうしますか？』

「大丈夫なのか？」

カイと、ライが、何か話している様子だ。

ウミは、マイペースなのか、果を食べたら、づくろいをしてから、俺の膝の上で丸くなって寢息を立て始めている。

『ライが言うには、ライは、魔力で生きているので、煙はなんともないようです』

「そうか、睡眠の煙も有るけど大丈夫なのか？」

『スライムは、眠らないので、大丈夫だと思います』

「そうか、睡眠しないのなら、睡眠の煙があっても大丈夫か・・・」

し考えてみるが、中がどうなっているのかは気になる。

巖をどけて確認して、まだけるやつがいたら大変な事になってしまうかもしれない。確かに、ライが確認してくれたら、安全は格段と上がる。

「ライ。剣は使えるのか？使えるのなら、一本持っていって、生きているゴブリンやコボルトが居たら・・・」

『カズト様。ライが言うには、剣は使えないけど、スライム特有の攻撃で、”弱っていたら倒せる”と、言っています』

「そうか、それなら頼む。もし、けるやつがいたら無理しないで逃げてこい。約束だぞ！」

ライが、その言葉を聞いて、飛び跳ねる。

命令されるのが嬉しいのか、自分ができる事が有ったのが嬉しいのかわからないが、喜んでいるは伝わってくる。

巖の隙間を埋めていた石と土をどかして、ライがっていける隙間を作る。

ライが、巖の隙間から窟にっていく、ドキドキしながら、ライが帰ってくるのを待つ。

20分くらい経過しただろうか、

『カズト様。ライなのですが、窟の中には、起きていたり、生きている者は、居ないそうです』

「わかった。戻ってくるように伝えてくれ」

『あっ。カズト様。ライが、ゴブリンやコボルトを食べていいかと聞いています』

「そうだな。カイとウミがいいのなら、問題ないぞ」

『わかりました。僕たちは、問題ないです。ライに伝えて、最初は、魔力だけ食べさせます』

「任せる。俺は、巖をどかす」

ウミを、草むらの上にどかして、巖をかしたときと同じ要領で、窟を塞いでいる巖をどかす。

炭の燃えカスあるが、煙はそれほど心配なさそうだ。

り口の辺りは、煤で汚れているが、し進むとそれも収まっているようだ。り口付近に、コボルトの死が転がっている。毆られた跡がある事から、ゴブリンに命令されて、巖をどかすか、なんとかしようとしたのかもしれない。

中も煙は大丈夫なようだ。し息苦しくじるけど、多分大丈夫なのだろう。窟の中は、それほど狹くない。り口から3ｍ位は狹かったが、それをすぎると、學校の廊下くらいの幅と高さがある空間になっている。

分かれ道から、右側はし上り坂になっている様だ。ライ（カイの通訳）からの報で、”右側にゴブリンが居た”と、いう事だ。左側のし下りになっている所には、ゴブリンも、コボルトも居ないようだ。

カイと、起きたウミは、右側のライがいる方に行ってもらう事にして、俺は左側の、いろいろなが有ると言っていた場所に向かう。

左側の先を暫く行くと、また道が分かれていた。

カイとウミからの説明になかった事から、ゴブリンたちが作ったのかもしれない。

分かれ道を下にびる、左側を進む。

しずつ降りになっている通路を、10分くらい歩いたが、まだ底にたどり著かない。一旦戻る事にする。

分かれ道まで戻ってきた所で、カイとウミとライが待っていた。

『カズト様』

「あぁすまん。そっちは大丈夫だったか？」

『はい。魔力は、僕とウミで処理しました。ゴブリンキングも居たようですが、死骸は、ライが消化しました』

「あぁありがとう」

『それと・・・』

「なんだ？」

『人族の死骸はどうしましょうか？』

「魔力はなかったのだろう？」

『はい』

「それならしょうがない。ライに処分させたほうがいいだろうな。ここに置いておいても腐ってしまうだろうからな」

『・・・わかりました』

「何か言いたいのか？」

『いえ、人族ですよ』

「あぁその事か、俺は、別に同じだからって人族のほうが大事なんて思わない。話をしたことも無ければ、顔も知らない奴らよりも、お前たち、カイやウミやライのほうが大事で大切だ」

「え？あっありがとうございます」

先にき始めていた、ウミが戻ってきて、カイを連れて行った。

俺は、ゴブリンたちが溜め込んだを見に行く事にした。