《スキルイータ》第八話
ライに窟の拡張をお願いして、俺は、カイとウミと窟の周りを探索する事にした。
敵生の存在も気になるが、植生や水場なども気になっている。できれば、近くで確保できたほうが嬉しい。
「カイ。ウミ。魔をさけて周囲を回りたいができるか?」
『容易な事です』『もちろんです』
カイとウミから、明快な答えが返ってくる。
周辺と言っても、何が有るのかわからないので、窟がある巖山を”まず”は一周する事にした。
カイとウミが先導する形で、巖山を右回りで進んでいく。小高いじになっている場所だが、窟の前の開けた場所を抜けると、木々が生い茂る森になっている。
/***** ライ Side *****/
あるじさまからの命令は、窟ここに通路を作る事。
僕は、カイ兄やウミ姉のように戦えないから、あるじさまからの命令は嬉しい!僕にしかできない事だって言ってくれた。
でも、なんでこんな簡単な事ができないの?
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わからないけど、あるじさまの為に、僕は頑張る!
通路はこんなじかな?
壁とかは、そのままでいいって言っていたから、今度は、部屋を作ろう!
さっきの部屋と同じくらいの大きさって言われたから・・・こんなじかな?
うん!いいじ!
そうだ!り口に、あるじさまが作ったようなを付けたら褒めてくれるかな?
うーん。できそうだから、作ってみよう!
巖だと思ったけど、土だったのかな?
魔蟲が沢山居たみたい。食べちゃおう!
味しかった。
そうだ、もうし部屋を作ってみよう。また、魔蟲が居るかも知れない。
あるじさま。カイ兄。ウミ姉。まだかな・・・。
/***** カズト・ツクモ Side *****/
巖山の周りは、自然かな狀況だ。植生も、地球と変わらないように思える。
大きな巖山だと思ったが、巖ではなく、埋まった狀態になっているようだ。
もしかしたら、ダンジョンができていた所に、何らかの原因で、巖が落ちて、り口を塞いだ。
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さらに土砂が、り口を塞いだ。巖の切れ目の窟を、ゴブリンたちがばした結果、ダンジョンと繋がったのではないだろうか?
想像の上に、妄想を重ねた推論だから、別に當っていなくても構わない。俺が納得できればいいだけだ。この仮設が正しければ、あのダンジョンは、"若くない"という事になる。
『ぴんぽーん』
「スクルド様?」
『正解。若くないですよ。古參の部類になります。近くに、もう一個のダンジョンがありますが、そっちは若いですけどね』
「そうなのですね?・・・それよりも、勝手に、俺の思考を読まないでもらえますか?のぞき見なんて、悪趣味ですよ」
『ごめん。ごめん。もうしないから安心してね』
「はぁわかりました」
これは、のぞき見も、思考を読むのも、止めてくれないだろうな。
「カイ。ウミ。戻るよ!」
『はい』『わかった』
窟の寄木細工をあわせて、中にる。
ライが待っているであろう広間に向かう。
え?なに?
「ライ?」
『あっあるじさま。おかえりなさい』
し甲高い子供っぽい聲が聞こえてきた。
「ライなのか?」
『うん!念話使ってみた!』
「え?念話なんて、どこで?」
広間を出るまで、ライにスキルカードがない事は確認している。
短時間で、どうやって?ダンジョンに・・時間的に無理だ。それならどうやって?
// 名前:ライ
// 年齢:0歳
// 種族:ビッグ・スライム
// 稱號:カズト・ツクモの眷屬
// 固有スキル:収納
// 固有スキル:理攻撃半減
// 固有スキル:スキル攻撃半減
// 固有スキル:溶解
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// レベル1:火種(22)・微風(10)
// レベル2:巖(12)・水(4)
// レベル3:
// レベル4:隠蔽(4)・巖弾(8)
// レベル5:念話(2)・呼子(3)
// レベル6:
// レベル7:
// レベル8:
// レベル9:
// レベル10:
// 力:D
// 魔力:F
また、進化している。スキルカードが大量に取得している。念願の水まで得ている。
それに
// スキル:溶解
// ビッグ・スライム固有スキル
// 酸:酸で対象を溶かす(飛ばす事ができる。レベル4の弾が必要)
// 腐:取り込んだを腐らせる(飛ばす事ができる。レベル4の弾が必要)
// 溶:取り込んだを溶かす。魔力依存。
進化して、固有スキルを得て、一気に部屋を加工したのか?
「ライ。念話のスキルを出して、カイやウミと同じようにしよう」
『うん!』
ライが、スキルカードを吐き出すように出してくる。
「え?念話だけでいいよ」
『わからないから、あるじさまが持っていて!』
「いいの?」
『うん!カイ兄も、ウミ姉も、そのほうがいいって!』
「そうか、わかった。ありがとう」
ライから、出されたカードをけ取っていく。念話のカードを、一枚見つけて、ライに付ける。
// 名前:ライ
// 年齢:0歳
// 種族:ビッグ・スライム
// 稱號:カズト・ツクモの眷屬
// 固有スキル:収納
// 固有スキル:理攻撃半減
// 固有スキル:スキル攻撃半減
// 固有スキル:溶解
// 固有スキル:念話
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 力:D
// 魔力:F
固有スキルの枠がまだ有るようだ。
巖弾も付ける。これで、攻撃手段ができた。
// 名前:ライ
// 年齢:0歳
// 種族:ビッグ・スライム
// 稱號:カズト・ツクモの眷屬
// 固有スキル:収納
// 固有スキル:理攻撃半減
// 固有スキル:スキル攻撃半減
// 固有スキル:溶解
// 固有スキル:念話
// 固有スキル:巖弾(酸弾)
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 力:D
// 魔力:F
巖弾だけを付けたのだが、”酸弾”が増えている。固有スキルの酸の影響だろう。攻撃手段が増えるのは良い事だ。
それにしても、ライがどうやって、スキルカードを得たのか気になる。もしかしたら、この世界の攻略方法がそこに隠されているのかもしれない。
考察をする前に、スキルカードを取り込んでおこう。
// 固有スキル:固有化(レベル3)
// 固有スキル:眷屬化(レベル1)
// 固有スキル:創造(レベル2)
// スキル枠:鑑定
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// レベル1:火種(22)・微風(12)
// レベル2:炎(1)・巖(12)・水(4)
// レベル3:
// レベル4:隠蔽(4)・巖弾(7)
// レベル5:念話(1)・呼子(3)
// レベル6:
// レベル7:
// レベル8:
// レベル9:
// レベル10:
// レベル∞:転移門(2)
// 力:G
// 魔力:A-
そうか、固有化を行っていたからレベルが上がったのだな。
枠も増えた事だし、念話を自分につけておくか、眷屬化と相が良さそうだし、これから、カイやウミやライに、指示を出すときにも念話のほうが良い場合も有るだろうからな。
// スキル枠:念話
念話を起する
『カイ』
『カズト様』
『よかった。これでいいのだな』
『はい。念話ですか?』
『そうだ』
念話は、起するときに、話したい相手を指定する。指定する方法も、ARで選ぶようなじだ。GUI よりも、CUI のほうが好きなのだけど、これは"by design"だと思って諦めよう。慣れの問題なのだろう。
いろいろ問題はあるが・・・。
「ライ。沢山の部屋をありがとう。扉も付けてくれたのだな」
『はい!あるじさま』
ライが、ぴょんぴょん跳ねている。褒められて、嬉しいというが伝わってくる。
転移門を設置する部屋が一つあれば、後はゆっくりと作っていくつもりだったのだが、ライのおかげで一気に解決できそうだ。
広間を見渡すと、7つの部屋が作られているようだ。
一つは、注文通りの大きさで、後はサイズがバラバラだ。ライの気分で作ったのだろう。注文した部屋を真ん中にして、左右に3部屋づつ作られている。
中央を、転移門の部屋にして、右側の小さい部屋が、トイレ。その隣が、風呂。その隣が、炊事場。だな。仮だけど・・・。
左側の比較的大きな部屋が、倉庫で、その隣は開けておいて、一番出口に近い所を寢室にしよう
そうなると、燈りの問題が発生するな。何か、方法を考えないとだめだろうな。いつまでも、剣を松明代わりにしているわけにはいかない。
ゴミの中から使えそうなを見繕って、ランタンでも作ろうかな?
「カイ。ウミ。ライ。俺は、ちょっと使えるがないか探してくる。自由にしていていいぞ」
『かしこまりました』『はい』『はぁーい』
うーん。本當にゴミだよな。
全部燃やしたい気分になってくる。匂いもきついしな。ライに全部処分してもらったほうがいいかな?鉄製品だけ分けておいて、後は処分でいいよな。布?も気分がいいものでもないし・・・。
決めた、全部処分!
一旦、皆の所に戻って、ライを連れてくる。カイとウミも一緒についてきた。
「ライ。ここに、あるで、鉄以外のを全部消化できる?」
『うん!食べていいの?』
「いいよ」
『やったぁぁぁ!!!』
許可を出した途端に、ライが大きくなり、ゴミを飲み込む形になった。5m四方くらいに雑に置かれていた、ゴミを飲み込める大きさになり、鉄以外を全部綺麗に消化してしまった。鉄の部分だけを吐き出した。それを、け取って、形を変えておく。何かに使えるかもしれないので、”融合”させておく事にする。あぁぁ・・・どっかに、伝説の鍛冶職人とか落ちていないかな。そうしたら、道作りとか、あれや、これや、できるのにな。
生活空間と、転移門は分けた方がいいのだろうか?
スタンピードが発生したときに、逆流してこないとも限らない。二重三重の防壁を設置できるようにしておいたほうがいいだろうな。
まぁいい。誰かに何か言われるような事でもないし、ここに、転移門を作ってしまえ!
「ライ。その鉄を、さっきの部屋に置いておいてしい」
『はぁーい』
「そう言えば、カイやウミは、この暗い中でも見えるのだよな?」
『あっはい。僕たちは夜目が利きます。ライは、周りの魔素を使って、辺りを認識しています』
「そうか・・・。それなら、多暗くても大丈夫なんだな」
『はい』『うん。このくらいの暗さなら平気!』
『あるじさま。それでは行ってきます』
「あっライ。お願いね。俺もすぐに戻ると思うから、向こうで待っていてね」
『はぁーい』
さて、転移門を取り出して・・・。床に、スキルカードを置いて”発”。
・・・
・・・
・・・
ん?何も発生しない。スキルカードも無くならない。それに、魔力が抜けていくじが一切しない。
あれ?
『あぁ客人』
ん?聲が?
「スクルド?」
『スクルドは、末の妹になります』
「??」
『はじめましてですね。客人。ウルズといいます』
ウルズと來たか・・・北歐神話の”ノルンの神”だったよな。
『名前は、客人にわかりやすいように変換されていると思って下さい。神名を聞くと、心が壊れてしまいますからね』
「・・・ご配慮ありがとうございます」
『いえ、いいのですよ。それで、本題にっていいですか?』
「え?あっはい。お願いします」
『客人は、スクルドからけ取った転移門を起させようとして、失敗していますよね?』
「そうです」
『それは、起の為の、魔力が足りていないのです。あの子から、説明はありませんでしたか?』
「・・・いえ」
『そうですか、こちらの不手際のようですね。申し訳ない。簡単に説明します』
「お願いします」
ウルズの説明を要約すると、スキルカードのレベルは、そもそも、スキルを発する為の、魔力を示している。レベル1は、魔力J。レベル2は、魔力I。と、いったじで、レベル10で、魔力A。が必要になる。転移門のスキルカードのレベルは∞となっている。これは、魔力Sが必要になり、魔力Sは、魔力A+の上にあたるのだという。
ついでに価値に関しても聞いてみたら、俺にわかりやすい表現として、レベル1は1円。レベル2は、10円。相當という事だ。レベル10では、10億相當になるらしい。この辺りは、街に行って確認すればいいのだが、指標ができたのは嬉しい。
『客人。それで、転移門は、その場所に設置するのか?』
「あっはい。お願いします」
『し離れていなさい。まったく、あの子は、スキルだけ渡しても、ダンジョンと結び付けないとだめでしょうに・・・』
なにか、ブツブツいいながら、作業をしてくれている。
何も変化はじられない。心持ち、部屋が広くなったじがしたくらいだ
『もういいわよ。部屋の中心で”起”と唱えれば、転移のカウントダウンが始まるわ。魔法陣が展開するにはし狹かったから部屋も大きくしておいたわ。行った事がある階層なら、転移できるからわよ。戻ってくるのも、セーフエリアで、”帰還”と唱えれば戻ってこられるわよ』
「ありがとうございます」
部屋の中心に、俺が置いたスキルカードが殘されていた
『カードは、持っておきなさい。今回は、こちらの不手際だから、プレゼントよ』
「え?あ、ありがとうございます」
『それじゃぁね』
軽いじだけど良かったのか?何も言われなかったし、よかっと思うようにしよう。
今日も疲れた。
部屋に戻って寢よう。明日は、ダンジョン攻略を進めよう。
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