《スキルイータ》第十話

魔蟲が來てから、が劇的に変化した。

當初、炊事場で火を炊いたら當然の様に、煙が窟の中に滯留した。それを解決したのが、蟻だった。炊事場から、上に抜けるを作した。竈も、蟻たちが、俺の指示に従って作ってくれる。煙突狀にびたに、煙が導されるように”頑張って”設計した。

寢床も同じ様に、蟻たちが作ってくれる。蜘蛛たちの協力で、布団もできた。蜘蛛は糸を自由に組み合わせる事ができるようだ。その蜘蛛の糸を使って、用に布を作っていた。布団の中は、森に生息していた、水鳥の羽を使った。匂いや油分は、何回か水で洗う事で綺麗になった”ようなきがする”。そうやって、住居が整えられる事がわかったので、ダンジョンアタックが疎かになってしまっている。

今は、3階層を攻略中だが、遅々として進んでいない。魔の強さは、楽に・・・鏖殺できるレベルなので、困る事は無いのだが、実りがなすぎる。要するに、ダンジョンアタックよりも、周りの森で魔を狩ったほうが味しいのだ。食べられる魔も多く、だけじゃなくて、皮も使える。骨も、煮出したら出になったりしている。

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それから、大きかったのは、ド○ファンゴクラスの魔を倒すると、おでこの辺りに、がついた球が見つかる。

// 魔核:レベル5

// スロット:空き×2

この魔核は、レベル5相當のスキルが使えるようになるのだ。実験の結果、同じレベルのスキルなら、付與する者の魔力に依存するのかもしれないが、一日程度が連続使用ができる。一つ下のレベルでは、1週間程度びる。厳には、10日ほどだ。ウルズの言っていた価値と同じなのかもしれない。そうなると、2つしたで、100日。3つ下で、1,000日となる。

固定化をしなかった場合には、そこでスキルが消えてしまう。固定化を行った場合には、魔力が切れてしまった場合でも、スキルは殘されて、魔力を注する事ができるようだ。レベル5相當では、魔力Fで十分という事になる。

魔蟲が増えた狀況では、心配する事がない。殆どの魔蟲が、魔力Fに到達している。そのものが、魔核を持って、スキルを発すれば、注力できるようだ。この世界の魔力は、一回で出せる最大の魔力を表していて、総量を表しているのでは無いようだ。実験で、魔力Fの魔蟲に、連続で魔核を発してもらったが、魔力切れにはならなかった。限界まで確認していないが、かなりの回數が使えるようになっているようだ。

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スキルは強力だが、スキルカードが”有限”の為に、いくら総量の魔力が多くても、使える回數に限界が有るのだろう。

だからこそ、固有スキルを持つ者が有利な狀態になるのだろう。俺は、その固有スキルを”れ替える”ことができる。単純に取り上げる事もできる。固定化のスキルがレベルアップしてできる事が増えた結果だ。

ヤギに似た魔。羊に似た魔。鹿に似た魔。兎に似た魔。熊に似た魔

これらの魔の存在が確認されて、食べる事ができる事も確認している。

食べられないとして、狼に似た魔の存在も確認している。殘念ながら、意思疎通ができなかったために、眷屬化に至る魔には遭遇していない。ライの眷屬は、著実に増えている。同種の違いや、大きさが明らかに違うものも居るが、ライとカイとウミの教育が行き屆いているのか、俺に対して、害意を向けるものは居ない。

蜘蛛や蟻は、基本天井を通路として利用して、下を使わない。蜂は、天井付近を飛んで移するでの、俺やカイ。ウミ。ライの邪魔になる事はない。

魔核に寄って、生活環境は格段に上がった。

まずは、通路を照らす事に功した。使ったのは、火のスキルだ。間隔を置きながら、スロットが一つしかないものを中心に、り口の扉から、転移門の部屋まで照らす様に設置した。

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広間も同じ様に天井付近に設置した。炊事場では、換気扇の作功した。

風のスキルを、の方に吹き付けるようにした。それだけだと、周りの煙を追い出すに至らなかったので、竈を囲むように、微風のスキルカードで、煙を集約する様にした。

もともと、転移門を設置しようと思って広く作った部屋は、俺とカイとウミとライが寢る場所になった。テーブルなども作って、それらしい部屋になってきている。暖爐も作った、炊事場の竈と同じ様に、煙は外に抜けるようにした。窟の中は溫度が一定だが、生前?にしかった暖爐を作った格好になる。

倉庫に関しては、し頑張った。

氷と風のスキルを付與する形にして、倉庫自の溫度を下げる事に功した。倉庫は、3箇所になるのだが、イメージ的には、チルド/冷蔵/野菜室になっていると思う。厳な意味での、溫度管理はしていないので、かなり適當ではあるが、気にしてもしょうがないのだろう。常溫で保存したほうがいいものは、そのまま炊事場に置いておくことにしている。

野菜は見つかっていないが、果実はかなり充実してきている。

蜂から、はちみつの納品も期待できる。

トイレの問題もかなり改善した。

蟻に、を深く掘ってもらって、そこに貯め込むのだが、貯める場所に、”清掃”スキルを付與した、魔核を放り込んでおくことで、匂い問題は解決した。そして、排泄に関しては、反対側を流れる川にまで流すようにしている。蟻たちが頑張って掘り進めてくれた結果だ。下水道ができた事で、水のスキルを付與した魔核を、トイレの上部に付けて、水で洗い流す仕組みにした。簡易的な水洗トイレの出來上がりだ。

昔の薪で沸かす風呂と同じような仕組みにした。ただ、パイプがなかったので、鉄で、パイプもどきを作った。

鉄の部分に直火が當たらないようにして、溫度調節ができるように試行錯誤した。水も、魔核に水のスキルを付けて、出し続けている。溫泉では無いが、常にお湯になって流れている狀態になっている。排水に関しては、一度、トイレにつないで排水している。トイレも、常に水が流れている狀態にしているので、匂いも気にならなくなった。

飲みは、水が常に確保できるようになっている。蛇口は無いが、常に流れ出ている狀態になっている。小川に行く必要もなくなっている。果も、なくなれば、魔蟲が補充に出かけている。カイとウミが護衛についていく事もあるが、怪我をしたりしていない事から、安全には気を使っているのだろう。

森の魔を狩っている関係で、スキルもすごい勢いで集まってきている。レベル5程度のものだが、かなりの枚數になってきている。最近知ったのだが、下位のスキルでも複數をあわせる事で上位のスキルにレベルアップする場合がある。

炎のスキル10枚と風のスキル1枚で、炎弾に融合できる。

レベル2を10枚と、レベル2を1枚で、レベル4ができるのだから、価値的にはプラスになる。同じレベルのものを10枚合わせると、一つ上のスキルレベルになる。これは、聞いている価値から想像できる事だ。

下位のスキル攻撃を數発使うのと、上位のスキル攻撃を一回行うのでは、どっちが効率がいいのかは考えなければならないと思う。

食料も飲料も準備できた。

「カイ。ウミ。ライ。そろそろ、ダンジョン攻略に乗り出そうと思うけどどうだ?」

『賛です』『いこう!』『ダンジョン。ダンジョン』

カイ。ウミ。ライの順番だが、賛け取っていいようだ。攻撃系や補助系のスキルは、ウミとライにもたせた。

俺は、剣を裝備して、カイと前を進む。カイが、速度で敵わない魔が出てくるまで進む事にした。

連攜の確認を考えて、1階層から攻略していく。

ライの眷屬になった、魔蟲も辺りを警戒しながらついてきている。

カイの種族由來の警戒力と、魔蟲を使った警戒網のおかげで、殆どの場合奇襲に功している。魔がこっちに気がついて向ってきたときには、既に蜘蛛が罠を完させている。こっちに向ってくる時には、手足に蜘蛛の糸が絡まっている。きを阻害された狀態で、俺とカイの攻撃をける。狹い窟での戦いだから、蜘蛛と蟻が大活躍している。

1階層は、なんの問題なく通過できた。2階層に向った。セーフエリアに魔法陣が浮き出ているのが確認できた。これで、拠點に戻る事ができる。一度、俺だけ戻ってみたが、負擔も何もない。2階層のセーフエリアに戻ってきて、そのまま、2階層の攻略を行う。

2階層は、俺が知っている”ダンジョン”の様になっている。罠は見つかっていないが、魔とエンカウントして、倒して道を進む。窟ではなく、”ダンジョン”だ。迷路になっているが、ここでも蜘蛛と蟻が大活躍だ。蜘蛛は、糸で來た道をわかるようにしてくれている。蟻は、先行して罠の確認をしてくれている。

時間的に、半日程度で、2階層を攻略できた。

も、ゴブリンとコボルトと魔蟲だけで、戦いにこまる事はなかった。倒した魔は、魔力をカイとウミが、死骸をライと魔蟲たちが処分している。低位のスキルカードを俺が回収する。

3階層のセーフエリアに到達した。

// レベル5

// 収納

を、初踏破報酬でもらった。

今は、ライの収納があるから困らない。使い道は、そのうち考えよう。

一度拠點に戻って、し休んでから、続きを行う事にしよう。

拠點は、日々進化している。

魔蟲たちが住みやすいように”魔改造”してくれている結果だ。倒した、魔や魔蟲から出たスキルカードも、俺の寢室?まで持ってきてくれている。レベルは低いものだが、何かの役に立つのだろう。スキルカードも不思議な存在で、取り出して、から離れると、レベル以外の容がマスクされたように見えなくなる。取り込むまで、なんのスキルかわからないようになっている。

スキルに関してもわかった事がある。取り出さなくては、スキルを使えないと思っていたが、スキルの容や詠唱がわかっていれば、取り出さなくてもスキルを使う事ができる。ただこの時に、同じ”火種”のスキルで、レベルが違うものがある時には、しっかりとレベルを認識しないと、レベルの高いものから使われてしまう。込める魔力に寄っても、効果が変わってくる。レベル1の火種に、レベル7相當の魔力を込めると、辺り一面焼き盡くすような”火種”が出現した。レベル2の火種を使うと、火種の大きさが単純に2倍になる。ただ、レベル1とレベルの価値が、10倍違う事から、コスパを考えれば、レベル1にレベル2の魔力を注ぐほうがいい様に思える。低いレベルのスキルに、魔力を上乗せして起したほうが、より効果が得られる。

あと、二枚同時使用もできるようだ。例えば、レベル2水とレベル2風を同時に使用すると、レベル4相當の水弾の様になる。威力が弱いので、レベル4相當の魔力を2つに注がなければならないが、コスパで考えれば、2枚×魔力のほうが安上がりだ。2枚同時使用は、カードを出さなくてもできるが、それ以上の枚數になると、カードを出して手に持った狀態でないと発が難しい。慣れの問題だとは思うが、同時使用時のイメージも複數枚になればなるほど難しくなる。

窟の中が快適になってきたが、太しく思えてくることもある。窟は、窟でメリットも多いのだが、普段生活するのなら、太が差し込む場所も確保しておく必要があるのだろう。

大改造を行うべきか?人と遭遇することを考えると、家のようなものを作しておくほうがいいかもしれない。窟のり口の前に家を作るよりは、巖山の上に作ったほうが、萬が一の時に逃げやすのではないか?

後々の課題だな。今は、太しくなったら、日向ぼっこにでも出かければいい。スキルは、もうし練習しないとしっかり使えるとは言えないが、スキルも無限にあるわけじゃない。練習のためにも、スキルの確保を優先したほうがよさそうだな。

「ライ!」

近くで跳ねて遊んでいたライに聲をかける。

『はい?』

「眷屬たちに、上に出られるような階段を作ってもらってしい」

『山にですか?』

「まっすぐでなくていいから・・・そうだな。転移門の近くに出ればいいかな?」

『わかりました。侵の警戒は、どうしましょうか?」

「まずは、り口ができたら、塞いでおけばいい。時間ができたら、ダミーになるけど、山小屋を作ろう」

『わかりました。山小屋の場所はどうします?』

「巖山の頂上付近でいい。カイ。水場はあったよな?」

『あっ水場は、反対側になりますが、有ったはずです』『わかりました。指示を出します』

外に通じる階段ができれば、それがダミーのり口になるし、その上に建を作っておけば、ごまかせるだろう。

ライの眷屬が、階段を作っている間に、俺たちは、ダンジョンの攻略を進めればいい。

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