《スキルイータ》第十二話

水路を作った翌日堀に十分な水が溜まっている事を確認した。排水用の水路も完しているらしいので、水が出ているのかを確認した。

立派に、巖の隙間から水が出ている。窟のり口を隠すように綺麗に流れている。

カイとウミは、引き続き44階層の探索を行っている。ライも昨日と同じだ。

堀ができたので、ログハウスの周りの畑仕事を行う事にしている。スキルの実験過程で見つけた使い方だが、速度向上スキルを付與した魔核を畑にれる事で、果が俺の常識以上の速度で長した。

スキルの合計枚もかなりの數が溜まってきている。

レベル5相當が、400枚以上ある。収納や呼子や転寫といった便利系のスキルの枚數もある程度揃ってきている。貧乏なので、なかなか使えないが、そろそろ使っても後悔しない程度にはなってきていると思う。

実際、既にスキルを把握できなくなっている。

レベル1では、火種と微風しか無いようだ。もしかしたら、他のダンジョンに行けばあるのかもしれないが、このダンジョンからは、火種と微風しか出てきていない。レベル2は、いわゆる屬系なのだろう。炎・水・巖・風が出てくる。俺としては、魔核に埋め込む事で便利なるので、すごく重寶している。大量に出るので、実験にも好都合なのだ。

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レベル3では、上位屬なのだろうか、氷と雷と、補助系である力強化/攻撃力向上/速度向上/命中向上が出てくる。煙幕と言った使い勝手がわからないもある。いわゆる”ハズレ”と呼ばれるだろう。

レベル4から、し攻撃系が増えてくる。炎弾/巖弾/水弾が攻撃に使える。詠唱の工夫もできるようだが、イメージして発しても同じ結果が得られる事は実験でわかった。”ボール”と詠唱した場合では、魔力を相手にぶつける事ができる。バレットでは、小さく分裂したが飛んでいくイメージだ。レベルが上がったでは、アローで矢の様に速度と命中重視になったり、ランスで槍の様になったりする。この辺りは、イメージ次第でどうにでもなりそうだ。要するに、スキルを飛ばす事ができるという事だ。レベル4では、ほかにも、毒/麻痺/睡眠の攻撃補助系が出る。清掃と調管理は、ダンジョン攻略時には有効なスキルだ。特に、調管理は、排泄の抑止ができるので、ダンジョンにっているときには必須だと思える。清掃は、自分のにも適用する事ができる。

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個人的な覚としては、レベル5になってスキルとして使い道が出てくるのだろう。

レベル5には、治療のスキルがあるが、RPGであるようなヒールだと思うのだが、”よくわからない”効果だ。調が悪い時に行えばいいのか、ダメージをけた時に使えばいいのか・・・わかったのは、毒や麻痺や睡眠狀態を復活させるのには、治療スキルが有効だという事だけだ。念話/呼子は便利に使っている。攻撃系は、上位屬の弾が出てきて、下位屬にはが加わった。逃亡のスキルが出てきたが、レベル依存で一緒に逃亡する事ができるスキルのようだ。ただ、ダンジョンでは使えそうにない。逃げる場所が”不定”になってしまう。俺は、リアル・ウィザ○ドリィで『いしのなかにいる』なんてなるつもりはない。

結界/障壁/防壁/耐のスキルが出ている。同じ様で微妙に違うで、使い所が難しい。攻撃補助としては、拘束と停止が出た。

ダンジョン攻略には、まだ余裕があるが、そろそろスキルの調整をしたほうがいいだろう。踏破ボーナスでもらったも増えてきている。

カイとウミとライが戻ってきたら、相談しながらスキルの固有化を行う事にしよう。

/***** ??? Side *****/

安っぽい宿屋の中で、男が言い爭いをしている

「おい。いい加減にしろよ!」

「何よ!!」

「もう、二年だ。それに、ダンジョンの最踏破層まで探して居なかったのだぞ」

「わかっているわよ。わかっているけど、兄さんは・・・」

そこに、男が一人ってきた。

「まだやっていたのか?」

「なんだよ」「なによ!」

「気にするな。それよりも、ミュルダから早馬が來たぞ」

ってきた男は、持っていた羊皮紙を、と言い爭っていた、男に投げ渡した。

「・・・」「何か有ったの?」

は、羊皮紙を一読して、に渡した。

渡された、羊皮紙を読んだ、の顔が強張っているのがわかる。書かれている容が信じられないのだろう、周りの男の顔を見てから、もう一度確認するように、羊皮紙の容を読んだ。

「これ・・・どういう・・・ううん。違う。なんで?ミュルダが?ねぇどうして?」

「アンクラムの奴らだろうな・・・」「あぁ十中八九やつらが手招きしたのだろう」

「え?なんで、アンクラムが、なんでミュルダを?」

の手からり落ちた、羊皮紙には、

// ミュルダが、アトフィア教の異端都市指定をけた

// 同時に、ミュルダ市民は、異端者として、亜人と同等に扱う旨が通知された

この世界には、大きく2つの教會勢力がある。

すべてに神が宿っていると考え、どういう方法でも、意思疎通が取れる者を、人族と定義する。コルッカ教。

人族だけを人類と定義して、レヴィラン語を話せる者を亜人と定義して、それ以外は魔と同一視している、アトフィア教。

昔から、コルッカ教を信仰する者は多い。彼らが本拠地にしている。ミュルダもその一つだ。しかし、近年勢力をばしているのが、人類史上主義で、人族以外はすべて奴隷にして、人族繁栄の為に”力”を”スキル”を、使うべきと唱える、アトフィア教が勢力をばしてきている。

「・・・わからん。何が・・・」

「そうよね」

ドアの所で立っている男が、座っている男を見て

「それでどうする?早馬で知らせてくれた事は、奴に謝しなければならないが、すぐにこの街にも知らせが屆くと思うぞ」

「そうだな。街道も封鎖されているかもしれない」

し危険だが、ブルーフォレストにって、サイレントヒルを踏破するのがいいかもしれないな」

「え?ブルーフォレストは、なんとかなるかもしれないけど、サイレントヒルは、食料が持たないかも・・・」

「食料は、ブルーフォレストで確保しよう。幸いな事に、サイレントヒルは、魔ないし、見通しもいい。ブルーフォレストでしっかり準備すれば、踏破もできるだろう」

「・・・そうね。兄さんも、そう・・・」

「そうだな。最悪、ブルーフォレストとサイレントヒルの境界辺りで、拠點を作って準備してもいい」

の意見はまとまったようだ。

「意見はまとまったようだな。行くか?」

「あぁ」「そうね」

「明日の朝といいたいが、街の封鎖が怖い。すぐにでも出るぞ!」

3人は、旅裝を整えて、普段使っている武を確認してから、宿を出た。

宿は先払いで、店主が算すると言ってくれたようだが、スキルで返されるよりも、日持ちの良い食料をもらった。

そのまま、ブルーフォレスト方面の門に向った。門の封鎖はまだされていなかったが、門番が何やら話し込んでいるところを見ると、ギリギリだったのかもしれない。三人は、手続きをして、ブルーフォレストでし狩りをしてから戻ってくると告げた。ダンジョンにはらない予定である事も告げた。

門番から許可が出て、三人は、はやる気持ちを抑えながら、ブルーフォレストの方向に歩き始めた。

/***** カズト・ツクモ Side *****/

寢てしまった様だ。まだ、明るい事から、それほど時間は経っていないだろう。

堀の様子でも見てくるか・・・。

柵と堀の様子が変わっていた、ライの眷屬に、せっかく、堀ができたので、広げるようにお願いした。合わせて、柵の高さも調整してもらう事にしたのは覚えている。この辺りに居る魔は、ベア系/ディア系/ボア系/ラビット系/ウルフ系で、時々大蛇を見る事がある。この中で面倒なのがウルフ系とベア系だ。ディア系も面倒だが逃げ足が速くて捕まえられないという意味での面倒なだけで、強さではウルフやベアと比べると一段か二段くらい落ちる。

俺が頼んだのは、ウルフが飛び越えられないくらいの堀と、ベアが突っ込んできても壊れない柵だ。堀を深くすれば、ベアはそれほど怖くないと思っていたのだが・・・。作られていた、堀と柵は、そんなではなかった。

堀は、幅10m以上ある。深さはわからないが、俺が作った時でも2m近い深さにはしている。水がまだたまりきっていない事を考えると、深さもかなり深くなっているのだろう。柵は、細い木で作っていたが、數メートルおきに、太い木が支えるようになっている。

俺が、柵の確認をしていると、ライが近づいてきた。

『あるじ』

「おっライ。帰ってきたのだな?カイとウミは?」

『もうすぐ帰ってくると思います。今日もらったスキルを後でお渡しします』

「あぁ別に、ライが持っていていいけどな」

『僕が持っていてもしょうがないですし、あるじに持っていてしいです』

「わかった。わかった。カイとウミが帰ってきてから話を聞くけど・・・この柵と堀は、ライが作ったのか?」

『はい。あるじがお命じになったと聞きました』

「・・・そうか・・・堀はどのくらいの深さにした?」

『あっ部屋が2-3個るくらいです』

え?ライが言っている部屋って窟の中の寢室だろうから、あの部屋の高さは3m近くある。下手したら10mくらいの深さになるってことだな。

「幅は、部屋と同じくらいだよな?」

『はい!ウルフが超えられない幅と聞いたので、そのくらいは必要だと思いました』

確かにそう言ったが、柵があれば飛び越えてきても押し返せると思ったのだが、堀だけで対応しようとしたら、そのくらいは必要になるのだろうな

「柵は?」

『はい。ベアでも耐えられるようにとの事でしたので、スパイダーが以前住んでいた場所に、エントが居たので、移住してきてもらっています』

「この柵を支えている木は、全部エントなのか?」

『はい。エルダーエントの配下です』

「それで、エルダーエントは?あれがそうなのか?」

ログハウスの正面にひときわ大きな木が存在を出しながら風に幹を揺らしている。

『そうです。呼びますか?』

「いや。いい。大丈夫なのか?」

『大丈夫です。カイ兄とウミ姉にもお願いして格付けも終わっていますし、あるじの許しがあれば、僕の眷屬にできます』

「そうか、眷屬になったほうが安全だろう?」

『はい』

「ライの負擔にならなければいいぞ。エントの食事とかはどうしたらいいかも聞いておいてくれ」

『それは大丈夫です。この質の良い土と、水と切り開かれて味しいと言っています。あと、時々魔の死骸がしいと言っています』

「そうか、魔は何でもいいのか?」

『死骸なら何でもいいようです』

「そうか、それじゃこれから、食用に適さないも持って帰ってきて、エントに與えればいいな」

『はい!僕、エルダーエントを眷屬にしてきます』

そういってライは、エルダーエントの下に向っていった。

ざぁっとログハウスの周りを數えると、木と思わしき者は、50くらいは”居る”だろう。ライが、エルダーエントと何か話をしているように思える。問題があれば何か言ってくるだろう。魔蟲はともかく、スライムに従う、エルダーエント・・・考えてみると、シュールな関係だな。

ライが戻ってきた

『あるじ』

「どうした?」

『エルダーエントがいうには、地形変更ができるから、なんでも言ってしいと事です』

「え?そうなの・・・うーん。それじゃ、ライ。こんな事ができるのか聞いて、できそうなら実行してもらって」

ライに説明したのは、一辺が70m(敷地+堀)程度ある敷地を囲むように、星型を形する。五稜郭のイメージだ。

明確な敵が存在するわけではないが、敵が見つかってから作り出すのでは遅い。俺とカイとウミとライだけなら、ダンジョンに逃げ込んでしまえば、迎撃制も取れるのだが、エントは難しいだろう。エルダーエントが中央で指揮するにしても、しでも防が楽になったほうがいいに決まっている。

エントからできる旨の返信が有ったようだ。時間がかかってもいいから無理しないようにお願いした。

あと、5箇所のエリアをそれぞれの眷屬に分ける事にした。蜘蛛エリア・蟻エリア・蜂エリア・エントエリアにして、余った場所を、俺の眷屬に使わせる事にした。

ライが、エルダーエントに指示を出してから、カイとウミが戻ってきているであろう、窟に戻る事にした。

何をしたわけじゃないけど、なんだか疲れた。

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