《スキルイータ》第四十七話
/*** カズト・ツクモ Side ***/
「ツクモ様。あれが、黒狼族の村落です」
確かに、ブルーフォレストにあった、他の村とは違う。
村落という言葉が合っている。簡単な柵で守られているが、それだけだ。
俺たちの住処から、眷屬たちが先導しながら、麓を迂回するように進んだ。大河を渡るのに苦労したが、それだけだった。どこから、これだけの水量が産まれているのか不思議だが、この世界は何でもありのご都合主義でり立っていると割り切ることにした。
ヨーン殿も、黒狼族にお土産を持っている。魔の素材だ。ダンジョンで自分たちが狩っただと話していた。
あとは、ダンジョンで作っている、穀を持ってきてる。白狼族に割り當てられたを、部族の総意として集められただ。
「ツクモ様。それで、本當によろしいのですか?」
「ん?念話の事か?」
「・・・はい」
「うーん。ヨーンがやめてほしいのなら出さないけど、まない婚姻を続ける意味は無いと思うのだけどな。それに、巫姫になってしまうと、ヒルマウンテンに縛られて、一生出られないのだろう?それじゃナーシャが逃げ出したのはしょうがないと思うぞ?」
「あの馬鹿は、ツクモ様の所まで來ておきながら・・・」
「それは、許してやってほしい」
「はぁ・・・ツクモ様がそうおっしゃるのでしたら、本當に、あの娘はいつまで経っても・・・」
村落から、若い黒豹族が2名ほど出てきた。
「止まれ!人族よ!何をしに來た。返答次第では、我らが相手する!」
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『主様!殺っていい?』
『カイ。大丈夫だよ。ウミも、オリヴィエも、スーンも殺気を出さない。通過儀禮だよ』
この黒狼族は、カイ達の殺気を浴びても何もじ・・・なかった事はないのね。しっぽが可く丸まっている。
おっ!村から、10名ほどの、さっきの二人よりいい裝備をに著けた者が出てきた。
「お待ち下さい!」
ヨーンがカイたちの殺気から開放されて、復帰した。
「お前は、たしか白狼族の族長だったな。久しいな」
「おぉ黒狼族の跡継だったな。娘の件はすまん。今日は、その詫びを含めて、族長に話が有ってきた」
「それは、いい。終わった話だ。その人族と、フォレストキャット・・・エルダーエントは、なんだ?お主が支配したのか?」
「馬鹿な事を申すな。この方は、カズト・ツクモ様。ブルーフォレストのフログレンスリバー以東を支配されておられる」
え?俺?支配なんてしていないよ?
スーンはし不満気味だが、まぁいい。
「その人族がか?白狼族よ耄碌したか?」
フンっとでも鼻息が聞こえてきそうな雰囲気だが、テンプレートでは、この辺りで、ヨーンやカイ辺りが”ふざけるなよ”ってなるのだけど、”可哀想な人”という雰囲気だ。俺としても、無駄な爭いは避けたいので丁度よい。
あぁダメな奴・・・。スーンの方を見る。
俺に向けて一禮している。そういう事だろう。
/*** イサーク Side ***/
リーリア殿が、ミュルダの街に到著する。正確には、到著している。
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あれから、1日で、ミュルダとアンクラムの街の間を移してきた事になる。信じられない速度だが、ツクモ殿の関係者だから、何らかのスキルを利用したのだろう。
今、ナーシャが迎えに行っている。
領主の通行証を持っているので大丈夫だろう。
「イサーク。リーリアちゃんを連れてきたよ。クリスちゃんの所に行こう!」
「おい。ナーシャ。リーリア殿は、著いたばかりだろう。一旦休んでからでもいいと思うぞ?」
「イサーク様。しかし、ご主人様から、クリスティーネ様の治療を優先しろと命令をうけております。お気遣いありがとうございます」
本人がいいと言っているのに止めるのはおかしい。
「あっイサーク様。ご領主様のお時間が有るのでしたら、面會のお約束を頂きたいのですが大丈夫ですか?」
「かまいませんが?」
「はい。ご主人様から、アンクラム部の報もしいだろうから、ご領主様がおみなら、私が知っている事は、全部話して構わないと言われました」
「え?本當ですか?」
「えぇ?眷屬からの報もってきますので、かなりタイムリーな報をお伝えできると思います?必要ですか?」
「もちろんです。領主には話をしてきます。ナーシャ!リーリア殿と一緒にいてくれ!」
ナーシャはもとからそのつもりだったのだろう。リーリア殿の腕に、自分の腕を絡めている。
俺は、すぐに領主への面談の申し込みをした。
領主も、なにかあると思ったのだろう、すぐに面談する事になった。
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「イサーク。どうした?なにか有ったのか?」
「えぇ!とびっきりの弾を持ってきました」
「なにぃ?ま・た・、ツクモ殿の関係か?」
「”また”と言われると心外なのですが、そうです」
「今度はなんだ?確か、リーリア殿が來られるのだよな?」
「えぇ先ほど來られました。それで、ナーシャと一緒に、クリスティーネ嬢の所に向かいましたよ」
「おぉぉぉそれはいいことだ。完治しなくても、咳が止まるだけでだいぶ楽になれるらしいからな」
「えぇそうですね。それでですね」
「そうじゃったな。それで?」
領主が構えるのを待ってから
「リーリア殿がどこから來られたかわかりますか?」
「?あっアンクラムか?でも、中にられないのではないか?あそこは、分証がないと無理じゃぞ?だから、潛の人が限られてしまっている」
「えぇ俺もうかつでした、領主に言っていなかったのですが、ツクモ殿は、アトフィア教の司祭を捕らえて、完全に気持ちを折っていましてね」
「は?」
「そうなりますよね。アトフィア教の司祭と、護衛が俺たちが作った何のかわからないを食べたのですよ?信じられますか?」
「はぁ?なぜそんな・・・いや、今はいい。それよりもだ、リーリア殿はどうされたのだ」
「えぇそうですね。司祭に囲われているという設定で、アンクラムの街にったのでしょう。そんな事を・・・”お約束”だとは言っていましたよ」
「”お約束”がわからないが、確かに、司祭に囲われていると・・・でも、どの司祭かわからないが、No.1だとしたら、ダメだぞ?」
「領主。そのNo.1ですよ捕らえていたのは?」
「は?でも、奴の癖は知っておろう?」
「えぇ知っていますよ。15歳未満でないとダメだという事ですよね?」
「あぁそうじゃ。あの気持ち悪い奴が、資と引き換えに、クリスをよこせと言ってきた時には、殺してやろうと本気で思ったのじゃがな」
「領主!」
「あぁすまん。門番もそれを知っておろう、奴に囲まれていると言っても、ダメじゃろう?脅されているとけ取られて、分証の提示を求められるぞ?」
「・・・領主。リーリア殿は、見た目は、12~3歳なのですよ。実際の年齢はわかりませんけどね」
「は?クリスと同じくらい?」
「えぇそうです。その娘が、司祭に囲われているとなったらどうですか?」
「・・・門番は、何も言わずに通すじゃろうな。面倒な匂いしかしてこないからな」
「でしょ?それでいて、リーリア殿は、俺たちと普通に話もできますし、戦闘に至っては、俺たちがスキルで強化した狀態と同等ですよ。自信なくしますよ」
「は?・・・ちょっとまて、もしかして・・・カズト・ツクモ殿・・・も?なのか?」
やっと言える。言わないで面談した時の領主の顔も見てみたかったが、後で文句を言われるのは間違いないだろうからな。
「そうですよ。13~4歳です」
「はぁ?そんな事あるか?そんな人が、”借り”に思うことだったり、経済的な格差をなくすような事を考えるか?考える視線が、お主たちよりも上だぞ?そんな事が有る分けがない!」
「えぇそうですね。俺たちもそう思っていますが、現実的にはそうでなのですよ。あっそれから、これは、俺とガーラントとピムの統一した意見なのですが、アンクラムのぼんくら500名相手にするよりも、カズト・ツクモ殿1人を相手にするのが死が近い。そう考えています」
領主がなにか考え込んでしまった。
「なぁイサーク」
「何でしょうか?」
「カズト・ツクモ殿は・・・いや・・・いい。それよりも、リーリア殿からの話が聞きたい。今、クリスの所に來ているのだよな?」
「そうだと思いますよ?ナーシャの事だから、リーリア殿に、お菓子の作り方をねだっているかも知れませんけどね?」
「そうだ、思い出した!イサーク!お前達が持ってきた、あの服!何だあれは?」
「なんだと言われましても、あの時に説明しましたよね?」
「あぁイリーガル・・・なんちゃら・・・スパイダーの布だとな。クリスが気にって、他の服・・・下著もらしいが、著ようとしない、どうしてくれる!」
「はぁそれこそ、知りませんよ。ツクモ殿と渉してくださいよ」
「わかった!お主達ノービス全員をツクモ殿の好きにしていいから、クリスの要に応えてくれるよ頼むとしよう!」
「なにぃこのクソジジイ!下手に出ればいい気になって!」
「コホン!」
控えていた執事が咳払いをする。
「お二人とも、子供ではなのですから、お控えください。それよりも、リーリア殿との面談を急いだ方がよろしいのでは無いですか?治療を終えて、咳が止まったクリスティーネ様がいつまでも部屋に籠もっているとは思えません」
「そうだ!クリス!お前、行ってクリスに部屋に居るように言ってくれ!」
「イヤです。クリスティーネ様に嫌われたくありません」
執事が、主人の言葉を斷る。
まぁこの屋敷の権力を持っているのは、クリスなのだろうから、當然と言えば當然だろうな。
ドアがノックされて、メイドが部屋にってきた。
「リーリア様が、いらっしゃっていますがどういたしましょうか?」
「ってもらえ、クリスは?」
「クリスティーネ様は、リーリア様が持ってこられた、お菓子をナーシャ様と食べておいでです」
「そうか・・・わかった」
ドアが大きく開けられて、リーリア殿がメイドがするようなお辭儀をする。
一歩前に踏み出してから
「初めて意を得ますリーリア・ファン・デル・ヘイデンでございます」
領主も立ち上がって、
「カスパル=アラリコ・ミュルダ・メーリヒ。孫が世話になった」
「いえ。主人カズト・ツクモからの命令です。お気になさらないでください」
「・・・。そうじゃ。イサークから話を聞いたのだが、リーリア殿は、アンクラムから來たのじゃな?」
「はい。そうです」
「アンクラムの様子はどんなじなのじゃ?」
リーリアが語った話は信じられないだ。
しかし、その場にいなければわからないような話もされている。実際に居たのだろう。そして、領主が持っていた、9割損失の中がほぼ正しい事まで解ってきた。そして、スーン殿が話した、ミュルダが、アンクラムやサラトガから捨てられたのではなく、ミュルだが2つの街を見捨てたという意味も解ってきた。今のアンクラムと商売をするのなら、領主側とするのか、教會側とするのか、または獣人族とするのか?
両方共メリットがない。それならば、カズト・ツクモ殿が保護している獣人族とした方が、ミュルだとしてのメリットは大きい。
それにしても、本當に、領主側と教會側が紛爭狀態にったのか?
リーリア殿の話では、司祭が、領主の娘二人を求めた事がきっかけだという話だ。しかし、それならば・・・リーリア殿はこうして無事に抜け出せた?正直な話、アンクラム領主の娘はたしか、10歳かそこらだと思った。いくら司祭でも・・・いやだからか・・・それでも、リーリア殿の容姿を見れば・・・。
「そんな事になっていたのですね」
「えぇそうです。あっ些細な事でしたので、忘れる所でした、アンクラムにいた、ガーラント様のお知り合いの鍛冶屋のヤルノ様にお話した所、快く引きけてくれまして」
「え?」「は?」
「あぁ申し訳ありません。大事な事柄が抜けていました。アンクラム居た、獣人族のほぼ全員を教會が救済するという名目で、街の外に連れ出しまして、街の外で眷屬化を解除いたしました。教會が保有する馬車や荷車、後、冒険者達が使っていた移手段のすべてを司祭の名で徴収いたしました。あと、獣人族から聞きまして、アンクラムの街で、好意的であったすべての人族。あと、街にあった武や防や食料を買い占めて持ってきております。街にる許可を頂けませんか?1人クズを護衛につけていますが、その者からの報告では、5日後には到著すると思います。街で保護できない者は、サイレントヒルとブルーフォレストの境界に用意しております。商業の街、ビックスロープに移してもらう事になると思います。今、主人カズト・ツクモが、ヒルマウンテンの黒狼族の下を訪れていまして、竜族を支配したら、こちらに向かうと連絡があり、それまでは仮の決定になってしまいます。申し訳ございません」
「・・・」「・・・」
いろいろ聞いたのは理解した。
容が理解できていない。途中で俺の中の何かが、話を理解するのを拒否した。
かろうじて理解できたのは、アンクラムの街は終わりだという事だ。あの街は、表は人族の街だが、屋臺骨を支えているのは、獣人なのだ。それも、捕らえられて、奴隷として売られて、隷屬化させられた。その獣人を連れ出した?どうやって?そもそも、隷屬化の解除?どうやって?武や防や食料の買い占め?どこに・・・あっ魔核があった。でも、それだけでは足りない。どこにその資金が?
リーリア殿は、1つ1つ丁寧に説明してくれた。
資金に関しては、魔核を使った事もだが、教會が溜め込んでいたスキルカードを全部放出したという事だ。獣人族に関しても、奴隷商は、獣人達が襲って解放した。教會のの徴収に従わない者は、獣人に話を聞いて、しっかりと管理されているのなら、スキルカードでの売買を求めて、そうじゃなければ、主人を他の獣人に襲わせたり、朝になったら死んでいたりした。
司祭の名で、全ての聖職者をかして、徴収した。そして、教會の名前の下で、街の外で救済を行うとした。
救済は行われないで、見に來ていた、獣人族否定派の者たちを全員殺した。
そして、ヤルノや獣人族や亜人種と友好関係を築いていた者たちと共に、ミュルダに向かったということだ。
話を聞くと簡単そうだが、とんでもない事だ。
これを、リーリア殿は3日程度で行っている。どうやったら、そんな事が出來るのか?
リーリア殿は、”すべて、主人カズト・ツクモ様のご命令に従った結果です”と言っている。
恐怖さえもじる。
「それで、リーリア殿。どのくらいの人數が移してくるのですか?」
「正確な數は把握しておりませんが、多くて、3000。ないと、2500と言った所でしょうか?全員を救えなくて、大変申し訳なく思っております。食料も十二分にありますので、日持ちしないから優先して消費する様にお願いしておりますから、2~3ヶ月は支援なしでも大丈夫だと思います。武や防の數が多くて、移速度がこれ以上上がらないのと、子供が多いために、到著の日數が読めなくて申し訳ありません」
3000?
あの街は、2萬人程度の街だったはずだ。そこから、3000が逃げ出す?領主は、それを見逃したのか?
あっ止めるための兵がブルーフォレストで消耗していたのだった。本當に、あの街終わったぞ?
領主も同じような考えなのだろう。
「リーリア殿。申し訳ないが、全員を街の中にいれるのは無理だ。差別とかではなく、理的な問題だ」
「えぇわかります。ですので、代表者やや子供やの弱っている者をけれてください。治療が必要な者は私が治療を行います」
なんか、大事な事が抜けているようだけど、それは俺が考えることではないな。
/*** クリスティーネ=アラリコ・ミュルダ・マッテオ Side ***/
きっと、僕・・・いけない。私は、ここで死んでいく事になるのでしょう。
昨日からまた咳が酷い。橫になっているのも辛い。部屋の中もジメジメして気持ち悪い。
この前、お祖父様が持ってこられた服と下著を著たら、確かに部屋はジメジメしているけど、今までと全然違う。咳は止まらないけど、快適に過ごせる。すごい、さすがはお祖父様だ。この服と下著をもっとしい。でも、ダメなの。私は、ここから出てはダメだから、お祖父様が來られた時にだけ頼むことになる。
この部屋には、お祖父様と數名のメイドと、ナーシャお姉ちゃんしか來ない。お父様は前は沢山來てくれたけど、私が10歳になる時に、お祖父様から、”アラリコ”の名前を頂いてからは、來てくれない。
カスパル叔父様も、來てくれなくなった。ナーシャお姉ちゃんのお兄さんのアントンさんも來てくれない。
ううん。違う。お父様が來てくれなくなったのは、別の理由がある。カスパル叔父様もアントンさんも、私のために”レベル7回復”を求めて、ダンジョン街のサラトガに行って戻ってこない。その時に、お父様が大事されていた”速駆の腕”を持ち出したから、お父様は怒ってしまわれた。
全部、僕の病気が悪い。
僕なんて、産まれてこなければよかった。お母様は、私の弟を産んですぐに・・・。お父様は、弟を立派な領主にするために、教育している。僕は、領主なんてなりたくない。自由に、いろんな所を見て回りたい。學園にも行ってみたい。サイレントヒルを越えた先にあるというブルーフォレストにも行ってみたい。
でも、僕は、15歳まで生きられないと、アトフィア教の人に言われた。
の中に、魔が住んでいると言われた。白狼族の孫娘だから、魔に取り憑かれたと・・・そのまま、咳で苦しんで死ぬのが嫌なら、アトフィア教に信しろと言われた。信したら助かると言われた。そんなわけないのは、僕でも解る。でも、お父様は、アトフィア教の聖職者を追い返した、お祖父様に対して文句を言っている。
僕が生きているせいで・・・お祖父様とお父様はよく喧嘩している。
今日久しぶりに、ナーシャお姉ちゃんが來てくれた。お友達だと言って、リーリアちゃんを紹介された。不思議な人だ。お父様にもお祖父様にも緒なのだけど。僕には、念話のスキルを持っている。いつも1人で居たからなのか、10歳の時に、念話のスキルが使えるようになった。
リーリアちゃんも念話が使えるそうだ。ナーシャお姉ちゃんも使えるのは知っている。今日のメイドは、お父様からあてがわれたメイドで、僕の事を監視している。なんで、そんな事をするのかわからないけど、お祖父様が來られる時には、必ずお父様になにか報告している嫌なメイドだ。
だから、ナーシャお姉ちゃんに念話で話しかけた。そうしたら、リーリアちゃんも念話が使えるから、3人で念話でお話する事になった。
魔力を使うから、休み休みだけど、楽しい。ナーシャお姉ちゃんとリーリアちゃんが味しい食べや飲みを沢山持ってきてくれた。それだけじゃなくて、リーリアちゃんは”レベル5治療”持ちで、僕の事を治療してくれた。
久しぶりにの調子がいい。咳が出ないだけでもすごいのに、悪い所がなくなったみたいだ。
その後、リーリアちゃんは、お祖父様とお話をするために、部屋を出た。
その時に、ナーシャお姉ちゃんにそっと何かを渡していた。お姉ちゃんは、しびっくりしていた。
「あのね。クリスちゃん」
普通に話しかけられた。お父様のメイドに聞かれてもいい話なのだろうか?
「リーリアちゃんが言うには・・・ううん。違うわね。リーリアちゃんのご主人様が言うには、クリスちゃんの病気は、あまり部屋の中をらせると、余計に悪化する可能が高いんだって」
「え?だって、アトフィア教の偉い人が・・・」
「うん。それも書いてある。間違いではないけど、それで悪化しているのなら、部屋をし乾燥させて、寢る時に、布をらせて、軽く絞ったを置いて見てくださいだって、後、部屋の隅や布団に、青や黒のシミみたいなができていたら、徹底的に掃除して、部屋を一度完全に乾燥させた方がいいみたいだよ。あとね。起きている時に、咳でがきつかったら・・・」
「どうしたのお姉ちゃん?」
「ううん。なんでもない。”ナーシャさんに持たせた”はちみつを溶かしたお湯を飲んで、しだけらせた布で”口だけ”を覆って過ごせば楽になるはずだって書かれているよ」
そう言って、ナーシャお姉ちゃんは、腰のポーチから小瓶を取り出してくれた。
しだけ手に付けてもらって舐めたら、ものすごく甘かった。でも、これはお薬だから、辛い時にだけ飲むように言われた。
そうか、ナーシャお姉ちゃん。はちみつを隠していたのがバレているとは思わなかったのかな?
暫くは、リーリアちゃんもお屋敷に泊まってくれると言っていて、毎日僕に治療をしてくれると言ってくれた。だから、その間に、部屋の掃除をやろうと言われた。
- 連載中626 章
俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
ハクスラ異世界×ソロ冒険×ハーレム禁止×変態パラダイス×脫線大暴走ストーリー=前代未聞の地味な中毒性。 ⬛前書き⬛ この作品は、以前エブリスタのファンタジーカテゴリーで一年間ベスト10以內をうろちょろしていた完結作品を再投稿した作品です。 當時は一日一話以上を投稿するのが目標だったがために、ストーリーや設定に矛盾點が多かったので、それらを改変や改編して書き直した作品です。 完結した後に読者の方々から編集し直して新しく書き直してくれって聲や、続編を希望される聲が多かったので、もう一度新たに取り組もうと考えたわけです。 また、修整だけでは一度お読みになられた方々には詰まらないだろうからと思いまして、改変的な追加シナリオも入れています。 前作では完結するまで合計約166萬文字で601話ありましたが、今回は切りが良いところで區切り直して、単行本サイズの約10萬文字前後で第1章分と區切って編成しております。 そうなりますと、すべてを書き直しまして第17章分の改変改編となりますね。 まあ、それらの関係でだいぶ追筆が増えると考えられます。 おそらく改変改編が終わるころには166萬文字を遙かに越える更に長い作品になることでしょう。 あと、前作の完結部も改編を考えておりますし、もしかしたら更にアスランの冒険を続行させるかも知れません。 前回だとアスランのレベルが50で物語が終わりましたが、當初の目標であるレベル100まで私も目指して見たいと思っております。 とりあえず何故急に完結したかと言いますと、ご存知の方々も居ると思いますが、私が目を病んでしまったのが原因だったのです。 とりあえずは両目の手術も終わって、一年ぐらいの治療の末にだいぶ落ち著いたので、今回の企畫に取り掛かろうと思った次第です。 まあ、治療している間も、【ゴレてん】とか【箱庭の魔王様】などの作品をスローペースで書いては居たのですがねw なので、まだハクスラ異世界を読まれていない読者から、既に一度お読みになられた読者にも楽しんで頂けるように書き直して行きたいと思っております。 ですので是非にほど、再びハクスラ異世界をよろしくお願いいたします。 by、ヒィッツカラルド。
8 105 - 連載中27 章
不老不死とは私のことです
うっかり拾い食いした金のリンゴのせいで不老不死になってしまった少女、羽鳥雀(15歳)。 首の骨を折っても死なず、100年経っても多分老いない彼女が目指すは、不労所得を得て毎日ぐーたら過ごすこと。 そんな彼女は、ラスボス級邪龍さんに付きまとわれながらも、文字通り死ぬ気で、健気に毎日を生きていきます。 ※明るく楽しく不謹慎なホラー要素と、微妙な戀愛要素を盛り込む事を目指してます。 ※主人公とその他アクの強い登場人物の交遊録的なものなので、世界救ったりみたいな壯大なテーマはありません。軽い気持ちで読んでください。 ※魔法のiらんど様に掲載中のものを加筆修正しています。
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豆腐メンタル! 無敵さん
【ジャンル】ライトノベル:日常系 「第三回エリュシオンライトノベルコンテスト(なろうコン)」一次通過作品(通過率6%) --------------------------------------------------- 高校に入學して最初のイベント「自己紹介」―― 「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ。生まれてきてごめんなさいーっ! もう、誰かあたしを殺してくださいーっ!」 そこで教室を凍りつかせたのは、そう叫んだ彼女――無敵睦美(むてきむつみ)だった。 自己紹介で自分自身を完全否定するという奇行に走った無敵さん。 ここから、豆腐のように崩れやすいメンタルの所持者、無敵さんと、俺、八月一日於菟(ほずみおと)との強制対話生活が始まるのだった―― 出口ナシ! 無敵さんの心迷宮に囚われた八月一日於菟くんは、今日も苦脳のトークバトルを繰り広げる! --------------------------------------------------- イラスト作成:瑞音様 備考:本作品に登場する名字は、全て実在のものです。
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異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜
ある日突然異世界へ転生させられ世界を救ってくれと頼まれたワタル。そこで様々な仲間達と出會いながら、英雄となり王になる物語。 平凡な男の立身出世物語が今始まる!
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美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。
私は自身を美少女にした。だってそうしたら楽ちん人生イージーモードだと思ったからだ。新たな世界がどんな所からはわからない。けど可愛いは正義。それを信じて突き進む! 目覚めたら草原ででっかいドラゴンが私の前に降りてくる。話してみると案外良い奴で私たちは心の友となった。なんとドラゴンの力が使えるらしい。友達料としては十分だ。力も手に入れたし世界征服もいいかもしれない。 そんなことを思ってると、何か機械兵士みたいなのが私を追う。私は逃げる。追い詰められて壁をぶち破ると私はどこにいたかをその時初めて知った。それは空に浮かぶ島。私の物語はここから始まった。
8 184 - 連載中858 章
ダンジョン・ザ・チョイス
※都市伝説や陰謀論、政治、スピリチュアルな話を元にした內容が主に2章から展開されます。実際にあった出來事などを用いた設定がありますが、あくまでフィクションとお考えください。 Lvはあるけどステータスは無し。 MP、TPあるけれどHP無し。 ”誘い人”と名乗った男により、わけが分からないまま洞窟の中へ転移させられてしまう主人公コセは、ダンジョン・ザ・チョイスという名のデスゲームに參加させられてしまう。 このゲームのルールはただ一つ――脫出しようとすること。 ゲームシステムのような法則が存在する世界で、主人公は多くの選択を迫られながら戦い、生きていく。 水面下でのゲームを仕組んだ者と參加させられた者達の攻防も描いており、話が進むほどミステリー要素が増していきます。 サブ職業 隠れNPC サブ武器 スキル パーティーなど、ゲームのようなシステムを利用し、ステージを攻略していく內容となっています。 物語の大半は、HSPの主人公の獨自視點で進みます。話が進むほど女性視點あり。 HSPと言っても色々な人が居ますので、たくさんあるうちの一つの考え方であり、當然ですがフィクションだと捉えてください。 HSPの性質を持つ人間は、日本には五人に一人の割合で存在すると言われており、少しずつ割合が増えています。 ”異常者”がこの作品のテーマの一つであり、主人公にとっての異常者とはなにかが話しのメインとなります。 バトル內容は基本的に死闘であり、そのため殘酷な描寫も少なくありませんので、お気をつけください。
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