《スキルイータ》第六十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/
サラトガの街にった。
ミュルダ発行の分証で問題なかったようなので、俺とカイとウミとリーリアとクリスは、分証を見せる。カイとウミの分証を確認した時に、し苦笑したのを忘れない。別に、眷屬が分証作ってもいいだろう・・・って、今、カイとウミは、眷屬ではなく、隷屬している魔に見えるのを忘れていた。
クリスの分証を確認した時に、し戸ったが、お忍びで來たと言う言葉とレベル5魔核を1個握らせたら、そのまま通してくれた。
これでいいのか?
サラトガの街は、ミュルダの街よりも、煩雑とした印象だ。
冒険者が多いと聞くが、それほど大通りに冒険者風の者たちが居るようには思えない。天も、もうし賑やかなじを想像していたが、ほとんど店が開いていない。
し歩いて、屋臺で串焼きを焼いているおばちゃんを見つけた。
「お姉さん。一本いくら?」
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「お姉さんなんて嬉しいね。坊や。レベル3を二枚だよ」
坊や呼ばわりか・・・まぁそうなるよな。
リーリアと、クリスとエリンは別行をしている。馬車を預けられる所を探してくると言っていた。ダンジョンには、馬車は持っていけないので、どこかに預けなければならない。魔蟲を街中で連れ回すのはまずいので、エリンが小型の竜形態になって馬車を引いていく事になった。最初は、いろいろと言って著いてこようとしていた、リーリアとクリスも、エリン1人だけを殘して行くのは申し訳ないという事で留守番する事になりそうだ。
「それじゃ、俺が2本でオリヴィエも2本でいいよな。カイとウミは」『いらないです』『いらない!』「お姉さん4本だから、レベル3が8枚だよね」
「そうだよ」
「はい。これ!」
レベル4を一枚出す。
「おつりは、レベル3を2枚だね」
「あっお釣りはいらないから、ここで、食べながら、お姉さんの話を聞きたいけどダメ?僕たち、今日街に著いたばかりで、街の事がわからないから、いろいろ教えてしい」
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お釣りはいらないと言って、そのかわり、今日この街に著いたばかりだから、街の事が知りたいと言ったら、おまけで1本づつ違う味付けの串をくれた。食べている間にいろいろ話しが聞けた。
串の味については、多くは語らない。もうし、濃い味付けにするか、の臭みを取る事を考えないとダメだろうな。
やはり、アンクラムの件異端認定から始まった事が影響しているようだ。
ダンジョンにられなくなった関係で、冒険者の數が徐々に減っていって、冒険者が減ると必然的にそれを相手にしていた宿屋や料理屋も減り始める。悪循環になってしまっている。
「領主は何もしていないのですか?」
「あぁダメダメ。お坊ちゃまは、レベル7回復のスキルカードを持っているのが自慢だけで、ほかにも何もできないからね」
「え?そんなんで、大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないから、こんな狀況になっているのさ」
おばちゃんは、豪快に笑っては居るが、かなりまずい狀況なのは把握しているのだろう。
ダンジョンが永遠にあると思いこんでいたのだろうけど、地球でも炭鉱の街とかがそうだよな。鉱夫で賑わっている時に、次の施策を取れるか取れないかで未來が変わってくる。ダンジョンと炭鉱は違うけど、金が回っている最中に、次の施策を行わないと・・・衰退が始まってからでは間に合わない。
「お姉さんはどうするの?」
「私かい?娘夫婦が、ミュルダに居るからな。向こうは、なんだか景気が良い話をしていたから、もうししたら、ミュルダに移ろうと思っているよ」
「そうなんだ」
おばちゃんに禮を言って次の店を探して話を聞いたが、似たような話を聞くだけだ。
どうやら、サラトガの領主は、レベルの高いスキルカードを持っていれば、皆が言うことを聞いてくれると勘違いしてたようだ。権力を、代々け継いでいるので、自分の周りも変化しないものと考えていたのだろう。
価値として考えても、100萬程度だろう・・・レベル7回復だと、それ一枚で何が変えられると言うのだろう?
現金100萬=レベル7相當ではないという事なのだろう。
「よし、ダンジョンに向かうか?」
「マスター。それなのですが、クリスティーネをお連れして頂けませんか?」
「ん?オリヴィエどうして?」
「はい。本人が居ない所での話ですが、お聞きいただければ嬉しいです」
「いいよ?なに?」
「マスター。リーリア姉や、エリンとも話をしたのですが、今後クリスティーネを連れて行くには、スキルだけではなく、いろいろなが足りません」
そりゃぁそうだよな。
イリーガルの名稱を持つ者たちと比較してもしょうがないと思うけどな。
「そうだな。だからこそ、置いていこうと思ったのだけどな」
「マスターのお考えは解ります。解りますが、クリスティーネが現狀が把握できれば、今後、無理に著いてこようとしないのでは無いでしょうか?それに、お聞きした限りでは、サラトガのダンジョンならば、カイ兄さまやウミ姉さまがいれば、誰かが傷つくような事はなさそうです」
一考の価値がありそうだな。
クリスは、ハーフ・・・というよりも、魔よりのスキルを持っている。リーリアやオリヴィエと同じ事ができるだろう。魔核の吸収ができれば、飛躍的に強くなれるだろう。理由は、わからないが、本人が魔核の吸収ができないと言っている事から、何かしらの理由が有るのだろう。
それが取り除かれれば、魔核の吸収が行えて、より強く安全に行できるようになるだろう。魔核の吸収ができなくても、ダンジョンの中で”差”をはっきりと認識してくれれば、今回のような無茶は控えてくれる・・・・ようになれば嬉しい。
スキル魔眼も気になっていた。安易に実験できるものでもないが、ダンジョンなら実験できるかもしれない。
「それなら、全員で行ったほうがいいのではないか?」
「マスター。僕と、リーリア姉で、サラトガの街で報収集をしたいと思います。半日から1日程度になると思うのですが、ご許可を頂きたい」
「報収集?」
「はい。ミュルダは、どちらかと言うと獣人族が中心になっている街でした」
「そうだな」
「アンクラムは、間違いなく人族・・・アトフィア教の連中の街でした」
「あぁ」
「サラトガは、冒険者中心の街だったと、先程話を聞きました」
「そうだな」
「マスター。居住區や宿區は、ダンジョン中心になっている街です。商業區は、ダンジョンの恵みとブルーフォレストの恵みを半々に扱っています」
「あぁ」
「サラトガの衰退は、マスターはなにかじ取られているようですが、僕にも、リーリア姉にも、エリンにもわかりません」
「なんだ、それなら俺の考えを教えるぞ?合っているかはわからないけどな」
「はい。それも嬉しいのですが、僕たちが自分で考えてみたいのです。そのための、報収集をお許し願えればと考えております」
さっきの屋臺で話を聞いている最中に、リーリアやエリンと念話で話をしたのだろう。
もしかしたら、クリスも加わっていたのかも知れない。ダンジョンで俺がやっている実験的な施策を考えれば、自ずと結論に辿り著けそうだけどな。全部を話した事がなかったし、表面的な事しか話してこなかったからな。
今の、オリヴィエからの話を聞いて、リーリアとオリヴィエとエリンがどんな結論を出すのか興味も出てきた。
「そうか・・・やってみないとわからないよな。解った、クリスと連絡を付けてくれ!」
「はい。マスター」
それから、10分くらいしてから、クリスが走ってきた。
「クリス。そんなに急がないでも、スキル回復を使いながら走ったのか?」
「うん。カズトさんとダンジョンにられると聞いて、それに、リーリアお姉ちゃんから、スキルはなるべく使ったほうがいいって聞いていたから、僕が今使えるスキルは、回復だけだったから・・・ダメですか?」
「まぁしょうがないな。でも、今からダンジョン行くから、魔力は溫存しておけよ」
「はい!」
// 名前:クリスティーネ=アラリコ・ミュルダ・マッテオ
// 種族:人族
// 固有スキル:魔眼
// 固有スキル:樹木
// 固有スキル:獣化
// 固有スキル:念話
// スキル枠:回復
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// スキル枠:---
// 力:G
// 魔力:D
確かに、クリスのスキルは戦闘にも、後方支援にも向かない。空いている枠は6つ。魔核の吸収ができない現狀では、6種類のスキルしか付與できない。
そう言えば・・・。
// 固有スキル:創造
// 融合:複數(レベル依存)のを一つにまとめる。
//  :複數(レベル依存)のスキルを、一つのスキルにまとめる。スキルの発條件は、融合時に付與する
// 分離:一つのを、複數(レベル依存)のに分ける
// 変形:を変形させる
俺のスキルで、スキルをまとめる事ができるな。しやってみるか?
街中では、目立ちそうだから、ダンジョンの中にってからだな。
「クリス。獣化のスキルの使い方はわかったのか?」
「ごめんなさい。お祖父様も知らないし、僕の知り合いはそんなに多くなくて・・・」
「そうか」
「教會に聞ければ、ヒントくらいは貰えると思うけど・・・あっアトフィア教じゃなくて、コルッカ教ですけど・・・」
「コルッカ教か・・そうだ、ライ。スーンに連絡して、”コルッカ教の教會をSA/PAに作る”條件の追加を頼みたい。
『なんて言うの?』
「スキルに詳しい奴を最低1人、商業區に常駐させろと追加しておいてくれ!」
『わかった!』
バッグの中からライが答える。
今更だけど、無理なら無理でなにか反応が有るだろう。最悪、スキルに関しての問い合わせができればいいだけだからな。
「クリス。獣化は暫く置いておいて、まずは、武と防だけど・・・持ってきているようだな」
「うん。リーリアお姉ちゃんが、僕に會うものを見繕ってくれたから大丈夫です」
リーリアが選んだのなら大丈夫だろう。
スキルスロットもあるだろうから、相が良さそうなスキルを付與すればいい。
「そうか、わかった。カイ。ウミ。クリス。ダンジョンに行くか?場所は解るか?」
「僕が知っている!イサークさんやナーシャお姉ちゃんから聞いた!」
『あるじ。眷屬たちが、ダンジョンに居るから、導が可能だよ』
『わかった。最初は、クリスに案させるけど、途中で大きくなった、ライが導してくれ』
『わかった!』
「クリス。それじゃ頼むな」
「はい!カズトさん!」
ダンジョンは、半日程度の距離に存在しているようだ。サラトガからダンジョンまでは馬車が使えないようだ。使わないのではなく、使えないという事らしいのだが、詳しい事は知らされていない。
「カズトさん。それで、ダンジョンにってどうされるのですか?」
「そうだな。難易度がどのくらいか知りたいのと、できそうなら、攻略した時に発生する事象を観察してみたいかな」
「攻略されるのですか?」
「できるだろう?イサークたちも言っていたけど、居住區から行けるダンジョンよりも難易度が低いらしいからな」
「いいのですか?」
「ん?なにが?」
「サラトガの人たち・・・」
「あぁそれこそ、領主が考える事だろう?」
「・・・・そうですね」
それにしても、馬車でも行けそうだけどな。
街から離れたから、そろそろいいだろう。
「ライ。頼む!」
『はぁい』
ライが、バックから出てきて、大きくなる。
「え?」
「そうか、クリスは初めてか?」
「うん。ライ兄。こんなに大きくなれるの?」
『ううん。もっと大きくなれるよ?あるじ。このくらいでいいよね?』
「あぁ。ほら、クリスも乗れよ」
「え?あっうん」
驚いたりすると、クリスの口調がもとに戻る。
皆が、ライに乗った事を確認してから
「ライ。ダンジョンは解るか?」
『うん!大丈夫』
「それじゃ全速力で頼む。クリス。結界の魔核は持っているよな?結界を発しておいてくれ」
「うん!」
『はっしん!』
クリスが結界を発してからすぐに、ライが移を始める。
速度的には、カイの全速力よりは遅いが、馬車の數倍の速度は出る。
半日の距離を、1時間程度で到著してしまうくらいだ。
「あ!あれが、ダンジョンの口だよ。カズトさん」
「お!クリス。ありがとう。ライ。近くまで行ったら止まってくれ」
『わかった』
ライが口で止まる。
順番にライから降りた。ライがいつもの大きさになって、バックの中に飛び込んできた。
窟の口ってじだな。
口に立て看板を作ってある。
『ブルーフォレストは、獣人街が資源の宣言をした。よって、ダンジョンも獣人街が管理下に置く、中にりし者の安全は保証しない』
あぁ怖い怖い。
ダンジョン怖い。
さて、攻略に取り掛かるか!
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