《スキルイータ》第七十三話

/*** カズト・ツクモ Side ***/

商業區での作業は、それほど多くない・・・はずだった。

ミュルダ老は、どう考えているのだろうか?

俺は、13歳の鬼だぞ?

俺がスーンから予定を聞かされた時の想だ。

なんだよ、この打ち合わせの予定は?

居住區と、ミュルダからの人が來る?俺に話を通したい?

勝手にしろよ。

お前たちのほうが経験が有るだろう。うまくやってくれよ。報告だけは聞くから、計畫段階のことまで説明しなくていいよ。

打ち合わせの予定をこなしながら、當初の予定だった商業區の下にダンジョンを作る作業に取り掛かる。

當初予定していた、商業區の地下にダンジョンを作って、居住區と神殿區と宿區まで通路をばす。居住區と神殿區と宿區の口は、決められた者だけを通すようにする。

商業區の口は、カモフラージュの意味もあるから、ブルーフォレストの近くに小屋を作って、そこからダンジョンにるようにする。円を書くように回廊と作って、そこに部屋を作る。ここでは商売ができるようにする。後は、ミュルダ老にお任せ丸投げでいいだろう。

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「クリス。ひとまず落ち著いたから、ペネムを設置しようと思うけど、問題はないよな?」

「うん。ねぇカズトさん」

「なんだ?」

「僕に、ペネムとダンジョンの管理をさせてもらえない?」

「いいけど・・・どうした?」

「僕、考えたけど、僕が、カズトさんの役に立とうと思ったら、これが1番じゃないかと思って、お祖父様にダンジョンを任せるのもいいとは思うけど、ペネムがダンジョンコアだって知っている人はないほうがいいよね?」

「そうだな」

「それに、ペネムがスキル変で、姿を例えば耳飾りとか、ネックレスとかになってくれれば、僕と常に一緒に居るし、僕が商業區や宿區にいれば、ダンジョン運営は困らないよね?」

「あぁでも、クリス。お前が、商業區や宿區に縛られてしまうぞ?いいのか?」

「ウーン。それも考えたけど、ペネムと話をしたら、宿區まで地下通路をばす計畫ですよね?」

「あぁ・・・そうか、そうしたら、宿區ならペネムを置いておいても安全な場所は用意できそうだな」

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「うん。宿區にペネムを置いておけば、カズトさんのログハウスには行けるよね?たまにだろうけど・・・」

「わかった。それじゃ、ミュルダ老には、ペネムの事は匿して小屋をスーンに命令して作らせるか。そこに、ダンジョンの口を作ればいいだろう」

「うん!それでね・・・カズトさん」

「ん?」

「魔核が沢山必要になるけどどうしたらいい?」

「そうだな。ペネム。レベル6魔核が10個ほど有るけど、まず、クリスに従って、宿區まで通路をばすのは可能か?」

『はい。可能です』

「クリス。宿區まで行けば、居住區の倉庫にある魔核なら自由にしていいぞ」

「わかった」

「クリス。ミュルダ老との話や、ペネムの事を頼むな」

「うん。僕頑張る!」

あとは、ミュルダ老と渉して、小屋を作ってもらおう。

「ねぇカズトさん」

「ん?」

「サラトガの事、お祖父様に話していい?」

「サラトガ?」

「うん。ダンジョンが無くなりそうだって事と、もしかしたら街が維持できなくなるかもしれないって事・・・だけど、だめ?」

「そうだな・・・クリス。俺が、ミュルダ老に説明する。クリスも一緒に居てフォローしてくれ」

「わかった!」

クリスを伴って、ミュルダ老に面會の申し込みをする事にした。

すぐに執事が來て、會談を行う事になった。

話しの筋は理解してくれて、ペネムの事も突っ込まない。

ペネムと話をして、ペネムの分をミュルだ老に預ける事も決めた。ダミーのダンジョンコアを商業區・・・行政區に、置くことにした。ペネム(偽)は魔素が抜けた魔核を俺が球にしただ。見るものが見たら解ってしまうだろうから、偽裝も施してある。

鑑定結果で、ダンジョンコアと出るようにしてある。

俺が知らない間に・・・実際には、俺が許可したので、どこかで報告をけたのだろう・・・、商業區は、行政區と商業區と自由區に分けられていた。これらの責任者は、ミュルダ老に鳴っているが、これらを別々に分けたいそうだ、それらの事は全部許可した。ダンジョン區も作して、表向きの責任者はミュルダ老が擔當する事にした。

ミュルダ老との話し合いが終わった。

會議をしていた行政區を出て、スーンに小屋の作を指示した場所に向かった。

商業區に関する會議は、全部終わったと思う。多分・・・。會議の席上に、居住區の連中まで來ているとは思わなかった。獣人族の長達が揃っていた。

ペネムのダンジョンができれば、移がもうし楽になるから、そうしたら、行政區を獣人族が仕切ればいい。獣人族の街になっていると思えるだろう。

「ペネム。それで、ダンジョンを作るのに、どのくらいかかる?」

『流石に、この規模だと、10日くらいはしいです』

「魔核を好きなだけ使ってもか?」

『申し訳ありません。流石に、広すぎます』

「そうか・・・クリス。悪いけど、手伝ってやってくれ、それから、ペネム。俺から、魔の知識を吸収しただろう?」

『はい。魔の配置に関しては、クリス殿に従います』

「カズトさん・・・僕、頑張る」

「あぁでも無理する必要は無いからな。魔の配置も話をした通りでいいからな」

「うん」

「わかった。そうだ、リーリア。オリヴィエ。お前たち、クリスの護衛として、宿區に行ってくれ。向こうで、宿區と居住區の連中と話をして、ダンジョンの口を作るようにしてくれ。窟の中でもいいからな。それから、ペネムに吸収させる魔核を、宿區の倉庫から持っていってやれ」

「ご主人様の護衛は?」「マスター。僕だけでもお側に」

「エリンを連れて行く、それに、カイとウミとライが居るから大丈夫だ。それよりも、クリスとペネムも、これからの事を考えると大切になる。絶対に魔や人族に傷つけさせるな」

「カズトさん。僕のほうが大切なんて・・・」

「意味が違っていますけど・・・解っていますよね?護衛は、かしこまりました。ご主人様」

「かしこまりました。マイマスター。宿區での仕事は?」

「そうだな。オリヴィエは、イサークたちは知っているよな?」

「はい。存じ上げております」

「イサークたちに、商業區に行くように言ってくれ」

「かしこまりました。理由はどうしましょうか?」

「そうだな。商業區にダンジョンができたみたいだから、探索を頼みたいと言えばいいかな?他には、先程言った通り、魔核を屆けてやってくれ、足りなくなりそうなら、魔蟲を使って、チアルから回収してくれ」

リーリアとクリスを見るが、二人ともその理由で問題ないと考えているようだ。

「かしこまりました。他には?」

「宿區を別荘地的なにしたい」

「別荘地?」

別荘地では通じないか・・・そうだよな。

娯楽がない世界だし、”休み”という概念が乏しいからな。

「宿區の敷地を広げて、一軒一軒をし間を離して、そうだな川には魚が居るだろうから、捕まえるような施設とか作ってもいいかもしれないな・・・。あっすまん。まずは、敷地を広げて、宿同士の間を広げろ。お互いに見えないように木で目隠しをしておけ、あぁクリスとリーリアとオリヴィエが住む家を作っていいぞ」

「カズトさん!いいの?」

「あぁダンジョンコアの世話をしてもらうのだからな」

「やった!僕、嬉しいです」

「リーリアとオリヴィエも問題ないな?」

「はい」「もちろんです」

「メイドや執事が必要になるだろうから、スーンに手配させる」

こんな話をしながら、ペネムは俺が指示した通りに、商業區をぐるっと廻るように地下通路を作した。部屋の設置も完了したという事だ。丁度反対に當たる場所に、転移門の部屋を作する。そこから、サイレントヒル下の空間に出られるようにさせる。

空間が有る方が、ダンジョンを作るのが楽だと言っていた。

そこからは時間がかかるようだ。魔核を吸収しながら、同じ広さで、下層を作っていく。

5階層までは、草原層とした。魔も、それほど強くないものを配置した。イサークたちが倒せられる程度の魔だ。

一度倒してしまえば、ポップしないようにしてある。階層の解放というじだ。

後々、農業を行う場所にしたいと考えている。

チアルがどう出るのかわからないので、チアルでは実験にとどめ、本格的な農業や開発は、ペネムの中1~5階層で行う事にする。人手は、そのうち考えよう。

それ以降の階層は、クリスが擔當する事になった。

「それじゃ3人とも頼むな」

クリスとリーリアとオリヴィエの話は終わった。

概ね、ミュルダ老からの話は許可を出した。

なにか卻下したと思うが、それはそれだろう。スーンや、エント達には、しばらくは、SA/PAと商業區と行政區と自由區とダンジョン區の護衛も擔當してもらう。監視を含めてだ。

問題が有った時には、行政區で対応をしてもらう事にした。

さて、次は、商売の話だ。

商隊の人と會おうかと言ったが、ミュルダ老やスーンだけではなく、他の者たちからも止められた。

そんなじもしていたので、スーンに言って、魔核にスキルを付與する方法は、公開して使って良いと伝えてある。伝の方法と一緒にだ。偶然発見した方法だが、イサークたちに確認したら、今までそんな方法では使った事がないと言われた。

そのために、スーン達が実験して”使える”というレベルまで引き上げた理論を公開する事にした方法だ。

商人は喜んでくれたらしい。どのくらいの価値にするのかは、ミュルダ老におまかせする事になった。

さて、俺の役目もこれで終わりだろう。

10日後にダンジョンができるまで、ここに殘っていても面倒な會議に駆り出されるだけだろう。

明日、アンクラムに向けて出発する事にした。

今度は、馬車は使わない。聞いている、アンクラムの勢が不確かな事もあるが、街として機能していない可能もある。馬車の管理をする人が避けない事もあり、”徒歩”で移する事にした。

カイととウミとライとエリンを連れて行くから危険は無いと思うのだが、移中の食事や俺が楽しむおやつや、俺以外が楽しむためのお・や・つ・を準備するのに時間がかかってしまった。

---

そして、今日商業區を出るのだが、思った以上におおごとになってしまっている。

スーン達が見送りをしたいと言ったので許可を出した。その時點では、數名から多くても10名くらいだろと思っていた。クリスとリーリアとオリヴィエとペネムは、俺を見送ってから、自分達も宿區に向かうと言ってきた。

それを聞いて、ミュルダ老が見送りに出るといい出した。この辺りで止めておけばよかったのだが、ミュルダ老から”他にも見送りをしたいと言っている者が居る”と言われて、商業區ではそれほど俺の名前は売れていないだろうと思って、許可を出した。

今、目の前に200名を越える者が居る。俺の見送りに出てきているという事だ。

一部の者を除いて、一度言葉をわした程度が半分くらい居るだけで、殘りの半數は”あぁ居たな”程度の者たちだ。

スーンとミュルダ老が一歩前に出てくる。

「大主様。行ってらっしゃいませ」

「スーン。それじゃ行ってくる。なんだかんだで、10日くらいしたら戻ってくるつもりだ」

「かしこまりました」

ミュルダ老にも一聲かけておくべきだろう

「ミュルダ老も頼むな」

「はい。萬事任されました。ミュルダにお寄りの際には、領主を訪ねてくだされ」

「あぁ解った。書類を見せればいいのだよな?」

「はい。それで解ると思います」

ミュルダ老から、現在のミュルダ領主への手紙をけ取っている。今後の関係に関しての事が書かれているらしい。

SAやPAの事もあるので、ミュルダ領主とは仲良くしておきたい。

「カズトさん!」

「ご主人様」

「マスター」

「3人ともペネムを頼むな」

「もちろん!」「かしこまりました」「かしこまりました」

クリスが自分からやるといい出した事だし大丈夫だろう。

なんだかわからないが、沢山の人から挨拶された。

全部に答えられないので、皆に向けて一言いう事になってしまった。

なんて言ったのか・・・俺の記憶の中にない。

ウミとライからはかっこよかったと言われたが、カイからは

『主様。もうし練習したほうがよろしいかと思います』

と、意味がわからない事を言われた。

自分でも解っているよ。演説なんてできるわけがない。でも、拍手が聞こえたから良かったと思う事にする。

エリンも

「パパ。かっこよかった!」

と言ってくれた。

エリンの頭をなでながら、その場から逃げ出した。

けして、演説が失敗して、恥ずかしくなって逃げ出したわけではない。

「カイ。ウミ。ライ。エリン。行くぞ!」

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