《スキルイータ》第七十四話
/*** カズト・ツクモ Side ***/
アンクラムに到著した。
商業區で見送りをけてから、カイとウミとライとエリンを伴った”徒・歩・”の旅だったが、カイとウミが大きくなり、俺とエリンをそれぞれが載せて、ライは俺の持つバッグにった。
それから、移速度が信じられないくらいに上がった。魔との遭遇も何度か有ったが、カイとウミとエリンが出るだけで、殆どの場合は逃げていく、ただ、ゴブリンとオークだけは気持ちの問題で、殲滅の指示を出した。集落らしき場所も発見した。
集落は、結界を張った上で燃やし盡くした。気分の問題だ。俺が指示した結果でも有るけど、気分的にはすごく悪い。気分が悪いので、俺がやりたいようにする事にした。
「エリン。ゴブリンの集落に向けて、ブレスを飛ばしたらどうなる?」
「ウーン。わからないけど、森までは被害は出ないと思うよ」
”思うよ”か・・・。し怪しいな。竜族は、大雑把だからな。
スキル結界は持っている。
カイとウミとライとエリンという攻撃重視型の夫人だと、防系のスキルを持っていなかった。
オリヴィエは別にして、リーリアとクリスは連れて行くには目立ちすぎる。まぁしょうがない。
「カイ。ウミ。集落の反対側で、魔核に付けた結界を発させる事ができるか?」
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『できます』『うん。できるよ!』
「それじゃ頼む。ライが魔核は持っていると思うから、それを使ってくれ」
『かしこまりました』『わかった!』
し経ってから、カイとウミが結界を張ったと連絡があった。
「エリン。頼む」
「は~い」
竜になってから、ブレスを數発打ち込んだ。集落は炎の海に飲み込まれていった。しばらく燃えていたのを確認してから、水系のブレスを打ち込ませる。
水が、地面に吸い込まれて殘ったのは、更地になった集落跡だ。
「ライ。眷屬に、ここに監視場所を作らせて、ブルーフォレストに、ゴブリンやオークの集落ができないようにさせろ」
『わかった。他の場所はどうする?』
「殲滅・・・いや、捕獲できそうな場合は、捕獲させて、ペネム・ダンジョンに送り込もう」
『わかった。そうさせるね』
「たのむ。それから、眷屬と魔の間引きに関しても相談しないとな。ゴブリンやオークが居なくなれば、ボア系やラビット系が増えるだろう?」
『どうだろう?獣人たちが、まとまって森の中にっているから大丈夫じゃないかな?』
あっ居住區の族長會からそんな報告が上がってきたのを見た気がする。
俺がダンジョンに潛るのは人してからと制限した事で、子供の訓練のために、森を使いたいとか言っていた。許可を出したが、大丈夫なのか?
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フィリーネやアルベルタも居るから大丈夫だろう・・・と思いたい。
完全に鎮火した元集落を確認して、魔核やスキルカードはどうしようかと思ったが、拾ってアンクラムの街で使うか寄付する事にする。
明日の朝には、アンクラムにられるだろう。
今日は、適當な場所で休む事にした。
その間も、ライを通して、眷屬からの報が集まってくる。
アンクラムは思った以上に悪い狀態になっているようだ。
一応、まだ街としての裁は保っているようだが、リーリアが隷屬化されていた獣人族を開放してしまったために、下働きが居なくなってしまった。その上で、ミュルダとの商取引ができない狀況が続いている。それだけではなく、街に住んでいても上がり目がないと思った人たちが、街から出て近くの村を襲ったり商隊を襲うような野盜になってしまっている。
さらに、噂話や商隊がもたらした報がってきて、街はしているらしい。
・獣人達が、街を作った、その街ではアンクラムへの仕返しを行うための準備が行われているらしい
・ミュルダは竜族に保護を求めて保護下に置かれたらしい
・ミュルダからの要求を突っぱねていたサラトガ街を獣人族が攻めて滅ぼしたらしい。事実、領主の館は全焼したらしい
・サラトガ・ダンジョンが獣人族によって攻略されて、サラトガからの支援が來なくなったららしい
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・獣人族が、アトフィア教の司祭を暗殺して教會に火を放って、責任をアンクラム領主にり付けたらしい
・獣人族の街は、ダンジョンが有って素材やスキルカードや魔核が大量に出ているらしい
・獣人族の街は、獣人族以外でも商売ができるらしい
・獣人族の街に、人族がるのはスキル隷屬をけれた者だけらしい
酷い言われようだが、微妙に本當の事が混じっているのが余計に真実味をもたせているのだろう。
人は、自分がやってきた事を認識して、相手との立場が変わった時に、同じことをされると思いこむようだ。
噂話以外にも、アトフィア教からの報復を恐れる者も出ている。それでもアンクラムに留まっているのは、近くに人族をけれてくれる街が無いためだ。
商売をしたり、農業をする気があるのなら、自由區でならけれても良いとは思うのだけどな。
獣人族の長達からも不安はあるが不満は出てこなかった。秩序をすような行を取れば、それなりの対応を取ればいいだけだ。
今日は、しっかり休んで、明日アンクラムの見學だな。
//---
アンクラムの中にはすんなりられた。
ミュルダの分証だったが、何も言われなかった。そのまま、冒険者ギルドに向かった。とりあえず、魔核の買い取りが可能なのか聞くためだ。レベル1とレベル2の魔核を大量に出す事にした。もちろん、スロットが無いものだ。
全部で、レベル1が89個。レベル2が115個にもなっていた。ギルドからは、どこで取得したのか聞かれたので、ゴブリンの集落を、ブルーボアが襲っていて、両者が瀕死になっている所を攻撃して倒したというシナリオにした。
納得はできていないようだが、魔核は必要な用で、かなり安くなっていたが買い取りは立した。スキルカードと等価でも良かったのだが、それよりは上だったので文句を言わないで、レベル1換算で2,500。レベル4が2枚とレベル3が5枚と提示されてOKした。
冒険者ギルドで、そこそこ料理が味しくて、設備がいい宿を紹介してもらった。
今のスキルカードでは泊まる事ができないと忠告をけたが、ゴブリンの集落を倒した時に、魔核と一緒にスキルカードを手したので大丈夫と伝えた。
「もしかして、レベル1火種も手できたのですか?」
「えぇ100枚以上ありますよ?」
「本當ですか?ツクモ様。よろしければ、レベル1火種を等価換していただけませんか?」
「え?いいですけど?火種が足りないのですか?」
「・・・恥ずかしながら、ギルドは問題ないのですが、宿屋や料理屋・・・だけではなく、一般の家でも、隷屬していた獣人族に、低いカードをもたせていたので、獣人族が解放される事件の時に、火種のカードを持っていかれてしまったのです」
「へぇ・・・そうなのですか?その”獣人族が解放される事件”ってなんですか?僕たち、ミュルダからサラトガを経由して一年位かけてアンクラムにたどり著いたのです」
適當ないいわけだが、ギルドの職員は納得してくれて、いろいろ教えてくれた。
そのかわり、持っている火種のスキルカードを進呈すると言ったが、換又は、獣人族の街の事を教えてしいと言われた。全部で、512枚すごくキリがいい!すべて提供する事にした。
俺としては、丁度獣人族の街ができたばかりの事に訪れた事にした。商業區や自由區の間違った報を正す事ができるので、都合が良かった。
「ツクモ様。いろいろありがとうございます」
「いえ、僕たちも、アンクラムがこんな狀況になっていると知りませんでしたから、狀況が解って助かりました」
「でも、本當に、火種は全部提供して頂いても大丈夫なのでしょうか?」
「えぇ大丈夫ですよ。こういうを持っていますからね」
火種が付いている、魔核をギルドの付に見せる。
「これは?」
「あぁ火種が付いている魔核です。これがあるので、火種は必要ないです」
「え?でも、なくなってしまいませんか?殘り回數は?」
「いえ、これ無制限なのです」
「む、無制限?」
「はい。鑑定持ちが居たので見てもらいました」
「そ、そうですか?それは?」
「サラトガのダンジョンで取得したのですよ」
「そうだったのですね」
火種の魔核をしまって、話の続きをする。
どうやら、冒険者ギルドはかなりの部分で真実に近い報を摑んでいた。
リーリアの存在や、獣人族が消えた経緯なんかはかなりの度だ。ただ、リーリアがアトフィア教の司祭の命令で、獣人族をミュルダに逃したと考えられると言っている。これに関しては、冒険者ギルドでも疑問符が投げかけられているが、アンクラムの領主を困らせるためにやって、困った所で助け舟を出すつもりだったのではと考えられている。
俺が知らなかった報としては、アンクラムのアトフィア教の教會で、ナンバー2だった司祭が、総本山に逃げたのではないかと言われている。この件だけは調べようがないのが殘念だ。
カイとウミとライはすでに飽きてしまっているようだし、エリンにすでに眠くなって船を漕いでいる。
エリンを起こして帰ろうとした・・・。
奧のドアが開けられて、髭面の男が出てきた。
「お前か?大量の魔核とスキルカードを持ち込んだのは?」
俺の所に來ていきなり耳元でんだ。
「いえ、違います。それじゃ」
付のお姉さんを見ると、オロオロしている。
「待て!いや、待ってしい」
急にどうした?
土下座しそうな勢いだ。
「なんでしょうか?私は、私の権利の下、立ち去ろうとしています。それを止めるの権利は、貴方には無いはずです。名乗りもしないで、いきなり”お前”呼ばわりですからね。そんな人と話す気持ちにはなれません。エリン。帰ろう。この街には、僕たちがむはなさそうだよ」
「うん!」
エリンをたたせて、ギルドの出口まで移する。
髭面のおっさんが唖然としているが気にしない。
「申し訳ない。儂は、このギルドの長をやっている、クナウストという。話を聞かせてしい」
「はぁ・・・私の用事は終わりました。帰ろうとしています。本當は、アンクラムで數日過ごしてから、ミュルダに帰ろうと思ったのですが、狀況的に問題が発生しそうですし、今日にでもアンクラムを発とうかと思っていました」
「安全な宿を用意させる」
「いえ、必要ないです」
時間の無駄だったな。
出口に急ごう
「報換がしたい。貴殿が持ってきた魔核は、どう考えても、1つや2つのゴブリン集落を殲滅した程度では集められん。獣人族の街から來たという事だが、俄に信じられん。儂から提供できるのは、アンクラムで発生した事とアトフィア教に関する事じゃ」
疑っているのか?
それなら、そうとはっきり言えばいい。狀況的に、外の報を知りたいというじなのだろうか?
「エリン。悪いな。もうし我慢してくれ」
エリンの頭をなでてから振り向いた。
「それで?どこで話をしますか?」
「あぁ儂の部屋に來てくれると助かる」
「わかりました。眷屬達も一緒でいいですよね?」
「もちろんだ」
ギルド長の部屋には、しだけ興味があった。剣とか飾ってあるかな?と思ったが、普通の執務室のようだ。面白みがない。
ソファーに座る。
付のお姉さんが、なにか飲みを持ってきてくれた。鑑定をかけたが毒はっていないようだ。この辺りで飲まれているなのだろうか?お茶の様な匂いがしているが・・・紅茶ではなさそうだ。
「すまんな。そんなしか出せないのじゃよ」
「いえ、かまいません」
一口だけ含む。
”蕎麥茶”か?蕎麥なら、すごくしい。
今は、ギルド長との話しに集中しよう。
お姉さんがなにか資料を渡した。多分、同じものだろう俺にも渡してくれる。
そこには、俺がさっき話した容が書かれていた。
「ツクモ殿。この容で間違いないのか?」
「えぇ概ね間違いはありませんよ?」
「概ね?」
「そうですね。聞かれていない事や、話したくない事は話していませんからね」
実際に、眷屬の事は聞かれていないし、集落を殲滅した時の話しもだいぶごまかしている。
「わかった。でもし質問に答えてくれたら嬉しい」
「えぇかまいませんよ。私の質問にも答えてくれるのですよね?」
「あぁそう思ってくれてよい。まずはな?」
集落の事が気になるようだ。
アンクラムからどのくらい離れた場所だったのかや、規模などを聞かれた。これは、正直に答える。
「そうか・・・それで、その集落には人族は囚われていたのか?」
「わかりません」
「わからないとは?」
「これから話す事は、ここだけの話しで、外部では話さないと誓ってもらえますか?」
「もちろんじゃ」
「そちらのお姉さんと、壁の後ろで聞き耳立てている人もですよ?」
「なっ・・・わかった。誓おう」
護衛だろう。
カイとウミが気がついて念話で知らせてきていた。
「誰か、スキル鑑定が使える人はいませんか?居なければ、貸し1つで”スキル鑑定”のスキルカードをお渡しします」
「それには及ばない。儂が鑑定なら使える」
さらっと鑑定してみたが本當のようだ。
他にも、理攻撃半減とか有益なスキルが生えている。だてに、ギルド長をやっていないという事か?
「それなら、エリンを鑑定してみて下さい。エリン。すまんな。後で、味しいを一緒に食べような」
「うん!」
ギルド長が、詠唱を始める。
そうか・・・鑑定でも、詠唱が必要なのだな。忘れていたよ。無詠唱で鑑定をしていたよ。
「ツクモ殿?その子は?」
「預かっている子ですよ。エリンが集落を殲滅したので、人族が居たかわかりません」
「ふぅ・・・とんでもない・・・」「ギルド長」
付のお姉さんがし心配そうな聲で、髭面のギルド長に聲をかける。
「大丈夫じゃ。鑑定しただけで、冷や汗がでたのは初めてじゃよ」
「そうですか?でも、これで私が集落を殲滅できた理由やブルーフォレスト抜けられた理由は解っていただけましたか?」
「あぁ疑って悪かった」
「いえ、それは別にいいです。それよりも、本題にりましょうよ?」
ギルド長は諦めたような表になって、壁の後ろにいる人に聲をかける。
「アッセル。隠れている意味がない。でてきて、お前が話せ」
おぉ壁が回転した!
あの仕掛けログハウスに作ろう!
でてきたのは、20代後半くらいに見えたが、鑑定したら、40代の年齢がでていた。
「はじめまして、カズト・ツクモ殿。アッセルという。アンクラムの領主をしている」
領主様のお出ましですか・・・。面倒事にならなければいいけどな。
疲れた表をしているのは、現狀を考えれば仕方がないか。
「ツクモ殿。率直にお聞きします。獣人族の街は、人族をけれてくれますか?」
「さぁどうでしょう。私は、街に立ち寄っただけで、上層部との繋がりはありません。でも、街には獣人族だけではく、人族もいらっしゃいましたよ?」
「ツクモ殿。いや、獣人族をまとめていらっしゃる。カズト・ツクモ殿にお願いいたします。私の家族を人質に出します。アンクラムと易を結んで下さい」
さてどうしたものかな。
「なんの事かわかりませんが、今のお話を、獣人街の代表の方に告げればよろしいのでは無いでしょうか?」
すっとぼける方を選んでみた。
事があると考えてくれればの字だし、これ以上突っ込んできたら、席を立ち上がって帰ればいい。
「・・・・・わかりました。獣人街に頭を下げます」
「えぇそうしたほうがいいですね。あと、ミュルダに対してもですよね。実質的には、アトフィア教の一部の人間がしでかした事でしょうが、貴方の名前が使われています。貴方が謝罪しない事には始まらないでしょうね」
「・・・・そうします。それで、ツクモ殿。サラトガのダンジョンが」
「えぇ使えなくなっているのも本當です」
「それではサラトガの街は?」
「さぁわかりません。私が考えることではないと思いますが?」
「あっ・・・そうですな」
領主からの話しはこれだけだろう。
「領主様でも、ギルド長でも、知っていたら教えてほしいのですが、この飲みを作った原材料は、アンクラムで採れるなのですか?」
領主もギルド長も原材料は知らないようだ。
付のお姉さんが知っていて、商人を紹介してくれる事になった。
これで會議が終わった。俺は、お姉さんに付いていって、商人を紹介してもらった。
やはり、”蕎麥”が存在していた。作られているのは、アンクラムとミュルダの中間地點の小さな村だ。特産はなく、細々と自給自足の様な生活をしているらしい。
村の位置を教えてもらった。ライから眷屬に連絡して、すぐに買い付けに走らせる事にした。ブツブツ換でも、スキルカードでいいから、定期的に蕎麥が手にる環境を構築する様に指示する。
宿には泊まらないで、ミュルダに向かう事にした。
なんとなく面倒事を押し付けられそうな気がしたからだ。
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