《死に戻りと長チートで異世界救済 ~バチ當たりヒキニートの異世界冒険譚~》第31話『戦闘付與魔

明日出発するにしても、まだ日も高いし寢るには早いな。

ってことで、疑問をひとつ解消しに魔士ギルドに來た。

「ハリエットさん、ちょっとこの剣見てもらっていいですか?」

そう言って俺は抜の剣を見てもらう。

ヘクターさんのこと?

正直どーでもいいや。

わざわざ伝えてハリエットさんの気を煩わせる必要もないだろ。

「あらぁ、私はそんなに武には詳しくないわよ? さっきまで武屋のフランツさんがいたのだけど……」

そう言ってハリエットさんは短くため息をついた。

あのヤロー、ハリエットさんに余計なこと言ってねーだろうな?

まぁ下手に探って地雷踏んでも面倒なので、その件は無視の方向で。

「いえ、こいつに魔紋ってのが施されてるらしくて、それがどういうものなのか見てもらおうかと」

「そういうことね」

実はあの後訓練場に戻って教に聞こうと思ったんだが、すでに街を離れた後だったんだ。

で、魔といえばこの人ってことでハリエットさんを訪ねたってわけ。

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「へええ、すごいわ。基本四屬と『聖』屬それぞれの戦闘付與魔紋三種が施されてるわねぇ」

基本四屬ってのは『氷』『炎』『雷』『無』だな。

『聖』屬ってのは回復魔で使われる複合屬のひとつだったか。

さて、あとは戦闘付與魔ってのが何かだな。

「えっと、おじーちゃん……は、もう帰ったわね。じゃあ私が簡単に説明するわね」

戦闘付與魔三種ってのが『纏てん』『斬飛ざんひ』『突飛とつひ』のこと。

『纏』ってのは武に魔を纏わせて、威力を上げたり追加効果をもたせたりする魔

『斬飛』は斬撃を飛ばす魔で、『突飛』は刺突を飛ばす魔

例えば剣で無屬の戦闘付與魔だと『魔纏剣まてんけん』『魔斬飛剣まざんひけん』『魔突飛剣まとつひけん』となる。

『纏剣』の場合『魔纏剣』は単純に威力を上げる効果があるのだが、他の『炎纏剣えんてんけん』とかだと、威力自はそれほど変わらず炎の追加効果だけが付與される。

まぁ普通に斬るより斬ったそばから傷口を焼いたり凍らせたりしたら、たとえ斬れ味が変わらなくともダメージは大きくなるんだけどね。

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に対して付與魔を使う場合、必ず武側に対応する魔紋が施されている必要がある。

紋がない武に対して付與魔を使っても全く効果はないってことだな。

さらに武の形狀で魔も変わる。

『纏』の場合、槍だと『纏槍てんそう』、槌つちだと『纏槌てんつい』という別の魔になり、槍に『纏剣』をかけてもこれまた効果はない。

さらに、『斬飛』『突飛』とも攻撃を飛ばすという共通點はあるが、例えば『斬飛剣』をかけた狀態で突いても反応しない。

これが例えば<無魔法>で魔力を纏わせるとか、攻撃作にあわせて魔力を飛ばすとかだとその辺の制約がなくなるわけだ。

その分MPコストはバカ高くなるけど。

あと、『魔纏剣』で武に魔力を纏わせたら斬れ味とか関係なくね? と思われがちだが、どういう原理か威力は元の武能に依存するらしい。

三割増しぐらいになる上、刃自が対象にれないので、メンテナンスが楽になる。

ただし、この戦闘付與魔、どれも一撃で効果は切れる。

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他にも盾や鎧を強化したり耐屬効果をもたせる『纏盾てんじゅん』『纏鎧てんがい』ってのもあるらしいよ。

「じゃあ、俺が戦闘付與魔を覚えたら、使えるってことですかね?」

「そうねぇ。普通の剣士さんはパーティーメンバーの魔士さんに覚えてもらうけどねぇ」

だよなぁ。

でも俺ってばソロだし。

剣のメンテナンスこと考えたら『魔纏剣』ぐらい覚えといたほうがいいか?

『斬飛剣』『突飛剣』あたりは下級攻撃魔があるからたぶん大丈夫だと思うし。

「ちなみになんですが、『魔纏剣』っておいくらで……?」

「1.000Gね」

カード殘高は500G程度で、現金も100G程度未満。

「ローンは……」

「今は特別に3,000G組んでる狀態なのよねぇ。魔石納品でEランクに上がればあと2,000Gの枠が増えるんだけど、今はちょっと……」

「ぐ……。では魔石採取がんばります」

「ごめんなさいねぇ。ちなみにショウスケちゃんは魔石10kgでEランク魔士になれるから」

「……頑張ります」

魔石10kgがどれほどのものかわからんが、出來るだけ早めに納品しよう。

なんかいつまでたっても借金がなくならないんだけど、大丈夫か? 俺……。

**********

冒険者ギルドに戻って夕食をとる。

いよいよ明日からダンジョン探索だ。

いやー、ちょっとドキドキするね。

いつものように日替わりディナープレートを頼む。

相変わらず味いんだけど、教へのお返しはこれじゃダメだろうなぁ……。

「こ、ここ、いいかしら?」

顔を上げると、デルフィーヌさんがトレイを持って立っていた。

周りを見てみると、満席ではないもののテーブルには誰かしらいるようで、相席するしかないようだな。

「どうぞ」

さっきからトレイを持つ手が震えてるけど大丈夫か?

ま、いーや。

気にせずメシ食おうメシ。

あ、そーだ!

「あの、デルフィーヌさん?」

「な、なによ!?」

なんかビクってなって大聲出したけど?

いきなり聲かけてビビらせちゃったか……。

「ああ、すんません。いえね、この辺で何か評判のいいお店ってありますかね? レストランとか、カフェとか」

「レストラン? カフェ? なんで!?」

いやいちいちリアクションでかいんだけど。

「いや、別になんとなく知っておきたいなぁ、と思いまして」

「そう……」

なんかうつむいちゃったけど……?

「ごめんなさい。私、普段ここでしか食べないから……」

なに? なんで急にトーンが下がるの?

そんな消えりそうな聲でつぶやかなくても……。

「ああ、いえいえ! 俺だってここ以外ほとんど使ったことないですし!!」

なんかすげー気まずい空気なんだけど。

「いやぁ、やっぱあれなんすかねぇ。ここじゃなくて、州都のエムゼタとかにいったほうがいいのかなぁ」

「あ……だったらトルホセの方が」

おお、なんか場繋ぎの半分獨り言のつもりだったんだが反応してくれたわ。

「トルホセ?」

「うん。エカナとトウェンニーザの州境にある、大きな市場が有名な街。あとちょっと遠いけどヘルキサの塔周辺も今は賑わってるみたい」

おお、なかなかいい報じゃね?

「あ、でもダンジョン近辺って治安が悪いって聞いたけど」

「ヘルキサの塔は今ダンジョンコアが停止してて観地になってる。冒険者や探索者はあんまりいないと思うから」

おお、そうなのか。

しかしこの人もっと気の強いじのしゃべり方じゃなかった?

なんか覇気がないっつーかなんつーか。

又聞きとかで報に自信がないのかな?

正直オレからすればどんな些細な報でもありがたいんだけどな。

こうやってきっかけだけでも與えてくれると、いろいろ方針も決めやすいし。

「いろいろありがとうね! 自分でも調べてみるよ」

「あ……あの、いえ! ど、どういたしまして……」

なんか顔真っ赤になってるけど大丈夫か?

飲み過ぎじゃね?

ま、いっか。

「じゃあ」

ってことで俺は席を立つ。

まあ教へのお禮っつっても多分ずっと先の話だろうし、余裕ができたらギルドの食堂以外も試してみるか。

あ、フェデーレさんとか門番のアディソンさんあたりはこういうの詳しそうだな。

**********

食事を終えた俺は、レンタル防一式け取って寢臺に來た。

説明したら明日からの課金でいいて言ってくれたんでね。

ってことでダンジョン探索前のステータス確認。

----------

名前:山岡勝介

職業:魔道剣士

レベル:14

HP:597

MP:1042

攻:C+(D+)

魔攻:B-(C+)

防:D+(D-)

魔防:D+(D)

力:D

神力:D

魔力:C+

賢さ:D

素早さ:E(E)

用さ:E-(E)

運:F+

【所持金】

現金:87G

カード:302G

【裝備】

鋼のレイピア(ミスリルコーテッド):攻C+

枯霊木の杖:攻G- /魔攻F /魔効率UP /魔詠唱短

青銅の鎖帷子:防F /魔防G

青銅の甲:防E- /魔防G+

青銅の手甲:防F- /魔防G-

青銅の腳甲:防F- /魔防G-

革のズボン(ゴブリン):防G+ /魔防G-

蜘蛛糸のシャツ(Gスパイダー):防G /魔防G

革のショートブーツ(Gボア):攻G- /防G /魔防G- /素早さDOWN

革のグローブ(オーク):坊G /魔防G- /用さDOWN

【所持アイテム】

歯ブラシ

洗口

傷用

革の巾著

革のベスト(ゴブリン):防G /魔防G-

革のジャケット(オーク):防F- /魔防G+

【稱號】

Eランク冒険者

Fランク魔

Fランク治療士

薬草採取士:薬草判別効率UP /薬草採取効率UP

魔道士:魔効率UP /魔法効率UP /魔攻UP /魔力UP

魔道剣士:攻撃系戦闘付與魔効率UP

講座修了者:解効率UP

基礎魔道講座修了者:魔効率UP

攻撃魔基本講座修了者:攻撃魔効率UP /攻撃魔詠唱短

基礎戦闘訓練修了者:戦闘系スキル習得率UP /戦闘系スキル長率UP

【スキル】SP:10,523

稲荷の加護

言語理解

細剣:Lv5

無魔法:Lv3

炎魔:Lv2

氷魔Lv:2

雷魔:Lv2

無魔:Lv4

聖魔:Lv2

生活魔:Lv3

魔力知:Lv4

魔力作:Lv5

気配察知:Lv3

気配隠匿:Lv3

採取:Lv3

草刈鎌:Lv2

野鋏:Lv2

掬鋤:Lv2

:Lv5

恐怖耐:Lv2

毒耐:Lv1

気絶耐:Lv2

酔い耐:Lv1

空腹耐:Lv1

【スタート地點】

トセマの街 西門

572/08/01

09:007:23

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おお、ステータス上がってんな。

攻とか力が上がってんのは基礎戦闘訓練の果かな。

あとは細剣Lv5の壁を超えたってのも大きいか。

とりあえず青銅系防能を見たかったから早めに借りたんだよね。

革のジャケットとベストを著たままだとどうしてもきづらいのでいだ。

鎖帷子は袖の部分が半筒狀になっていて、肩から二の腕の部分を覆うじになってるな。

脇の下はきやすいよう袖で覆われてない。

丈は長めで太ももが半分隠れるぐらいなんだが、左右に腰のあたりからスリットがってるのできの妨げにはならないな。

頭巾みたいなのもセットでついてるので、頭のガードもバッチリだね。

顔の部分だけ空いていて、首周りもガードしてくれるじだ。

甲は上半をカバーしてくれてる。

ノースリーブの鎧ってじ?

背中も同じぐらいの範囲だな。

持ったじはちょっと重かったけど、著てみると意外と軽いわ。

手甲は手の甲から肘までを覆うやつで、手首の部分は可式になってて、剣を使う程度のきだと妨げにはならないね。

あと指とか守るためにちょっと頑丈なオーク製革のグローブを200Gで買っといた。

腳甲は脛當てタイプにしたよ。

リュックサックにってた荷は全部収納庫へ。

まあ巾著もダンジョンにるときは収納庫行きかな。

ダンジョンじゃ解も必要ないらしいし、解用ミスリルナイフも収納庫で留守番中だ。

稱號とスキルは並べ替えといた。

俺的にはちょっとだけ把握しやすくなったかな。

やっぱ訓練や講座はけといて正解だわ。

ステータスも隨分上がったし、スキルも充実してきたし、ダンジョンでどこまで通用するのか楽しみだわ。

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