《死に戻りと長チートで異世界救済 ~バチ當たりヒキニートの異世界冒険譚~》第35話『同門の徒』

翌朝三刻(午前6時)ごろに起床。

中ギチギチだわ。

やっぱ回復魔が施されてないただの簀子すのこじゃこんなもんか。

30分程度で朝食やらなんやら支度を終え、早速ダンジョンに向かうことにする。

**********

朝が早いせいか、まだ人がないな。

「すいません、階層制限を変更してしいんですが」

と言いつつカードを渡す。

今日の付はローブ姿のおばちゃん。

「はいはい。えーっと、2階層のボスを倒したんだね。おやおや、ずいぶん早い攻略だこと。じゃあ次は5階層ぐらいにしとこうかね」

カード野での手続きが完了。

「次は3階層から始めれるんですかね?」

「いんや。アレはあくまで行ったことのある階層にしか転移できないからね。坊やの場合はもう1回2階層を攻略しないとね」

「はぁ」

なんか面倒くせぇな。

「面倒かもしれないけど、実力も無しにまぐれで階層攻略出來るってこともあるからね」

おっと、顔に出てたようだな。

「ま、2回攻略するところまでが制限解除の條件だと思っとくれよ」

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「わかりました」

じゃサクッと攻略しますか。

**********

階層指定の転移陣から2階層に到著した俺は、雑魚モンスターを適當にあしらいつつボスエリアを目指す。

転移先が近かったとこともあり、10分程度でボスエリアに到著した。

昨日は気づかなかったんだが、階層に到著した時點で現在のボスエリア待機數が表示されているみたいだ。

そして今のところ待機數は0なんだな。

ってことでこのまま一気に攻略するぜぃ!

「あいや待たれぃ! そこの方!!」

気分よくボスエリアへ突しようとしたところで呼び止められてしまった。

聲の方を振り向くと3人の人影があった。

1人はおそらく聲の主であろう、杖を持ったローブのじいさん。

1人はキレイな鎧を著た年。

そしてもう1人は……

「あれ、ジータさん?」

「あ、ショウスケさん」

基礎戦闘訓練で共に細剣を習った黒豹獣人のジータさんだった。

「なんと、ジータ殿のお知り合いでしか。では話が早い」

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嬉しそうに話し続けるじいさんとは反対に、ジータさんはなんか申し訳無さそうな表だな。

「よろしければ我々と順番を替わってはもらえませぬか?」

「え、嫌です」

つい反的に返事してしまったが、じいさんの表が一変したな。

好々爺ってじの穏やかな笑顔が俺の即答で呆然となり、今度は鬼瓦みたいになったわ。

「おのれこちらが下手に出ればいい気になりおって!」

そっちが本

でもジータさんはともかく、年も呆れた顔してんだけど。

「こういうのは早いもん勝ちでしょうが。サクッと終わらせるんでちょっと待っといてくださいよ」

ジータさんがいなけりゃ無視してボス部屋に突するんだけど、なんか俺のせいで立場が悪くなったら申し訳ないしなぁ。

「じい、そういう言い方は良くない」

年が一歩前に出てきた。

まだ十代前半ってじかな。

綺麗で立派な鎧著てるし、「じい」とかいってるし、いいとこの坊っちゃんぽいなぁ。

「はじめまして。僕はFランク冒険者のゴードンと申します」

と、つい見とれてしまいそうな見事な作法で挨拶される。

「あ、どもっす。ショウスケです。一応Eランク冒険者です」

あ、なんかジータさんがちょっと驚いたような表見せたな。

「殿下! そのような者に殿下自ら……」

「殿下はやめて、じい! 今の僕は一介の冒険者で、彼は僕より上位ランクの冒険者なんだよ? こちらから挨拶するのが筋じゃないの?」

おおっと、このお坊ちゃんはなかなか道理をわきまえてらっしゃる。

権威主義のじいさんが勝手に暴走してるってとこか。

「むむ……」

じいさん泣きそうな顔で黙っちゃったわ。

「連れの者が失禮を」

「ああ、いえ、いいっす。しかし殿下っつーことは偉い人?」

なんかじいさんが得意げな笑顔になったわ。

「聞け下郎! この方は現エカナ州牧の令孫……」

「じい!」

じいさん、すっげー続き言いたそうにしてるけど、ゴードンくんを気にして言えないみたいだな。

ってか州牧ってなに? 州知事みたいなもんかね?

まあ偉い人のお孫さんって認識でいいか。

「申し訳ありません、ショウスケ殿。改めて提案させていただきたいのですが、我々と順番を替わっていただけないでしょうか?」

あ、その頼みはまだ生きてんのね。

しっかし、今の問答の時間があればもう終わってたと思うんだけどなぁ。

「一応確認なんだけど、ここのボスって倒した後、復活するまで時間かかるの?」

俺は質問しつつ3人を順番に見る。

すると、ゴードンくんとじいさんの視線がジータさんに向けられた。

「えっと……、いえ、このダンジョンはボス攻略後、パーティー全員が転移陣に乗った時點で即時復活されます」

「なんじゃと!?」

ジータさんの回答に、なぜかじいさんが驚きの聲を上げる。

「儂が若い頃は復活に八半刻(15分)はかかっておったはずじゃ……。それですら當時の先輩方からは”昔に比べて早くなったもんだ”と言われておったのに」

へええ、昔と比べてボスの復活時間が短くなっていってんのな。

でも、だとしたら尚のこと問題無いだろ。

「じゃあ問題ないかな。1分でカタをつけるから、それぐらい待っててよ」

という俺の言葉になぜか3人が驚きの表を見せる。

いや、昨日は腕試しも兼ねてたから真面目に闘ったけど、それでも3分とかかってないぜ?

「デタラメを言うな小僧! 剣士1人でホブゴブリンが率いるゴブリンの群れを1分でなぞ倒せるわけがなかろう!」

あーもう、うぜぇなぁ。

「大丈夫だって。俺、魔道剣士だから」

左手に持った枯霊木の杖をこれみよがしに見せた俺は、3人を無視してボスエリアに突した。

すまんけど俺だって時間は惜しいんだよ。

正直付き合いきれんわ。

草むらを超えてボスエリアへ。

詠唱しつつ中央に向けてひたすら走る。

の粒子が集まり、ゴブリンの群れを形し始める。

既に詠唱は終わっていたが、さらに魔力を込める。

ゴブリンの群れが実化した直後、まだ6ひと塊になっているところへ『魔刃』を放つ。

「死ね、雑魚ども!!」

余分に込めた魔力は威力よりも範囲を広げるよう意識する。

左右約5mに及ぶ不可視の刃が、ゴブリンの群の間を通り抜ける。

ゴブリンたちはのあたり、ホブゴブリンは腹のあたりから切斷され、の粒子となっていく。

唯一リーダーであるホブゴブリンだけはまだ息があるようで、地面に落ちた上半をバタバタさせていた。

多分ほっとけばそのうち消えるんだろうけど、1秒でも早く替わってあげたいからサクッとを突いておく。

正直あのじいさんとか殿下はどーでもいいけど、ジータさんは同門だからね。

ついこないだだけど、カーリー教の元で一緒に訓練をけた日々が懐かしい。

**********

午前中の走りこみではついぞ追いぬくことは出來なかったが、おかげで彼の後ろ姿は今でもはっきり覚えてるわ。

まずジータさんは顔が小さい。

そして肩幅が狹い。

これは貓系獣人の特徴なんだけどね。

視線を落とすと嫌でも眼にるのが見事なくびれ。

ほんと、スーパーモデルかっつーぐらい綺麗なの。

これは同じ貓系獣人でもギルド付のエレナさんとはぜんぜん違うんだよね。

いや、エレナさんのムチッとじも悪くないんだけどね。

ジータさん訓練の時はいつもタイトな七分丈のシャツの上に丈の短いベストを羽織ってただけだから、くびれはしっかり見えるんだよね。

で、そのくびれから続くおもまた見事!

小振りなんだけど張りがあるじでね。

ジータさんいつもホットパンツだから、綺麗な太も見放題だったんだよなぁ。

適度に筋質なじがたまらんかったね。

走り込みからいろんなメニューの基礎力作りが終わった後、午後から型の練習をやってたわけだが、橫に並んで練習しているとどうしても目が言っちゃうよね。

だって人なんだもん。

黒豹にふさわしくキリッとした顔つきではあるんだが、格が穏やかでそれが表に出てるから、頼りになるお姉さんってじなんだよなぁ。

多分俺より若いけど。

そしてきによっては揺れるおムネからも目が離せないよね。

決して大きくはないんだけど、形が良さそうなじなんだよね、勝手な想像だけど。

「ショウスケ、ジータのがそんなに気になるならお前のからぶら下がっている不要品を切り落としてやろうか?」

おおう、嫌な臺詞を思い出しちまったぜ……。

あの時のカーリー教の表を思い出すと今でも玉がヒュンってなるわ。

ああ、そういや次の日からジータさん、革の甲つけてくるようになったな。

あと、俺を見るジータさんの視線が冷たくなった。

まあ走りこみの時に後ろからおを見れるだけで幸せだったけどね。

**********

……なんてくだらないことを考えてたらいつの間にか景が変わってて、敵に囲まれてたわ。

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