《死に戻りと長チートで異世界救済 ~バチ當たりヒキニートの異世界冒険譚~》第48話『青春の発散』

高速夜行馬車に揺られること約10時間。

俺たちはタバトシンテ・ダンジョンにやってきた。

エムゼタシンテ・ダンジョン周辺の集落よりもはるかに栄えている。

集落っつーか完全に街だね。

トセマよりも人や建は多いんじゃないだろうか?

馬車を降りた後、ガンドルフォさんにつれられて歩く。

そして一件のカフェにると、そこには見知った顔があった。

「やぁ、お二人さんお元気そうで」

「おう、よく來たな」

ギルド付のフェデ―レさんと、弓のクロードさんだった。

「なんだ、フェデーレも來たのか」

「昨日の手紙取り次いだの僕だからね。休みも被ったしちょうどいいと思って」

「人の手紙読むんじゃねぇよ」

「いや、読まれたくなかったら封筒にれなよ」

「むう……」

この世界には『収納』を利用した遠距離通信の技がある。

殘念ながら遠隔地との音聲通話の技はないみたいだが、収納庫を共有しておけばお互い離れた場所にいても『収納』を使って書面や荷のやり取りが出來るから、まぁ問題ないんだろう。

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各地のギルドやギルドの出張所間で手紙やちょっとした荷のやり取りが、遠隔地であっても即時出來るのは非常に便利だ。

どうやら昨日ガンドルフォさんはトセマにいるクロードさんあてに手紙を書いていたらしい。

取次の際、紙っペラに『明日の朝タバトシンテ・ダンジョンに集合』と書かれているのを見たフェデーレさんがこれに便乗した、ということだ。

「まぁ、人數が多増えたところで問題はないがな。じゃ先生、お願いします!」

と、ガンドルフォさんがクロードさんにわざとらしく頭を下げる。

「うむ。ではショウスケ」

クロードさんが厳かに口を開く。

「はい」

「君はアレか、連出來る方か?」

「いえ、一発屋です」

「ふむ。回復は早いほうか」

「出來れば1日は置きたいところです。頑張れば半日ほどでもいけますが」

「よし、プランは決まった」

**********

4人が訪れたのは『吸鬼の館』というゴシック調の建だった。

これは、アレをナニする行為を吸に見立てての表現だろうか。

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それともこのファンタージ世界のことだから、本の吸鬼がいるのだろうか。

「ショウスケ、君はヴァンパイアとの経験はあるか?」

おおう、マジでいるのかヴァンパイア。

「いえ、ないです」

「だと思ったよ。せっかくここに來たのだから、一発で終わるのはもったいない。ここならそれとは関係なく楽しめるからな」

「は、はぁ」

ヴァンパイアと何をするんだ?

「ヴァンパイアかぁ、久しぶりだなぁ」

「へっへっへ。俺はここ來たら必ず寄るけどな!!」

フェデーレさんもガンドルフォさんもなんか嬉しそうにしてんな。

クロードさんについてお店にる。

なかは高級ホテルみたいな洗練された空間だった。

「あら、クロードちゃんご無沙汰」

付で迎えてくれたのは、黒いドレスをにまとったお姉さんだった。

「おう、久しぶりだな。今日は新人を連れてきた。可がってやってくれ」

と、クロードさんが俺の背中を軽く押す。

「ど、どうも」

「うふ、可い」

付のお姉さんが妖艶という表現が似合う笑みを向けてくれた。

ヴァンパイアらしい長い犬歯が印象的だわ。

「エルバ、案してあげて」

「はい」

「うわぁ!!?」

気がつけば俺のすぐ後ろにの人が立っていた。

特に警戒してた訳じゃないにしろ<気配察知>や<魔力知>に反応しないってすげーな。

エルバさん、黒髪ストレートのおかっぱで目は薄い青。

をマントで覆っているのでスタイルはわからんが、なくとも人であることは確かだ。

長は俺よりちょっと低いぐらい。

俺はエルバさんに連れられて個室にった。

6畳ぐらいの部屋の中はベッドと小さめのサイドテーブル、その上に水差しとグラスが2つ以外これといったものはないが、壁紙やら調度品やらがおしゃれなので、殺風景というよりはシンプルで洗練された空間ってじだな。

「初めてですわね?」

「ええ、まぁ」

「まずはお召しいで橫になってくださいな」

「はい?」

「汚れますので、何でしたら下だけでも」

いや、こういうところは初めてだからシステムがよくわからんのだが、いきなりぐもんなの?

「おぉ……」

なんかオタオタしてたらエルバさんがマントをいだのだが、はらりと落ちたマントの中には薄手のキャミソールしかにつけてなかった。

かなり薄い生地のようで、それ以外下著もつけてないもんだからあんなトコやこんなトコがほぼ丸見えなわけですよ。

しっかし、顔も綺麗だけども綺麗だねぇこの人。

「あの……お客様?」

「あ、ああ……失禮しました」

の人がここまでさらけ出してくれてんだからこっちが躊躇するのは失禮だよな。

ってわけでいそいそと服をいだ俺は、言われたとおりベッドの上で仰向けになる。

キャミソール姿のままのエルバさんが、微笑をたたえつつ俺にまたがってくる。

長い犬歯が印象的だ。

ちょうど俺の腹の上にエルバさんが座る形になったのだが、著したや太がダイレクトに伝わってくる。

やばい、ドキドキが止まんねぇ……。

「では、失禮致します」

そういうとエルバさんは俺の首のあたりに顔を埋める。

なんじゃこりゃあああぁぁぁ……。

なんか頭がふわふわしてきた……。

あー、これぃ吸われてんなぁ。

やっべぇ、チョー気持ちいい……。

…………………………。

……………………。

………………。

………。

「お客様、お時間ですよ」

なんかあの後30分ぐらい天國みたいな気分が続いた後、意識を失ったみたい。

を吸われるだけでなんで服いだかって言うと、気持ち良すぎてんな所が緩んでいろんなものがれるからなんだよね。

あー、今らしてんなぁって覚はあるんだけど、気持ち良過ぎでどうでもいい、みたいな。

まあベッドに浄化機能がついてるからそのへんは綺麗になってるんだけどさ。

「ありがとね。またおいで」

付のお姉さんに見送られて館を後にする。

「どうだった?」

「いや、ヤバかったっす」

「だろう?」

とドヤ顔のクロードさん。

とりあえず休憩がてらカフェで一服していると、遅れてガンドルフォさんとフェデーレさんがやってきた。

「しかし、ヴァンパイアにを吸われてもだいじょうぶなんですか? 隷屬化とかそういうのは……」

ってことでいろいろ質問してみたんだが、吸行為で隷屬化とか眷屬化とかそういうのはないみたい。

ヴァンパイアも種族が違うだけのれっきとした人間なので、繁方法もヒトと同じ。

今は人の代用品があるので、わざわざヴァンパイアがを吸う必要はないとのことだが、吸われる方に・・・・・・ニーズがあるので、こういう商売がり立っているんだとか。

あ、ちなみに人の代用品を開発したのは例の賢者サンペーね。

ほんと、なんでもやってんなこの人。

さて、吸の原理だが、これは蚊がを吸うのと同じで、痛みを和らげるのとを固まらないようにするためのをまず流し込んで、その後を吸うんだわ。

蚊の場合は注されたにアレルギー反応が起こってくなるんだが、ヴァンパイアの場合はそれがみじゃなく快楽に繋がるってわけだね。

行為で隷屬云々って誤解も昔はあったんだが、これまた蚊と同じく、病気を介することがあったから。

「アイツにを吸われてからこの子はおかしくなったんじゃあ!!」 みたいな?

病気ついては醫學やらなんやらが発展して今じゃそんな心配は一切ないんだと。

もちろん快楽の虜になるってことはあるけど、それは吸行為に限った話じゃないもんな。

このヴァンパイア風俗のいいところは、も等しく楽しめるところ。

特に行為があるわけじゃないから、パートナーからの理解も得られやすいってのもあるな。

むしろカップルや夫婦で楽しむ人も多いのだとか。

麻薬みたいな常習もないから、安全かつ健全に快楽を得られるってわけだ。

「よし、じゃあ次行くか」

頼もしいクロード先生とともに俺たちは次なる目的地へ向かう

**********

「さて、ここからが本番だ」

目の前にあるのは『魔の館』

これまたストレートな……。

「ここってもしかして、サキュバス的な……?」

「ほう、察しが良いな」

ちなみにサキュバスのも代用品があるので、やっぱ吸う方じゃなく吸われる方に需要があるって話だ。

るとこれまたエッロい雰囲気醸し出してるおばちゃんがいた。

うん、お姉さんてじじゃなく、おばちゃんってじ。

「クロードさん、お久しぶりだねぇ」

どこにでも顔が利くなこのエロフめ。

なんやかんやと好みのタイプとか確認しつつ、個室に消えていくガンドルフォさんとフェデーレさん。

クロードさんは俺の相手が見つかってから自分の相手を選ぶとか何とか。

選ぶっつっても寫真にいるのは人ばっかで逆に選べねぇよ。

クロードさんいわく、パネルマジック的なものはないらしいし。

っていうか、ヴァンパイアと一戦やったせいか妙に冷靜になってて、あんま気分が乗らないんだよなぁ。

「ああそうだ、1人相手してやってほしいコがいるんだが……アレシア! アレシア!!」

「なにー?」

呼ばれて出てきたのは、軽くウェーブのかかった濃紺のロングヘアーと、同じの瞳が印象的な、まだあどけなさの殘るだった。

うん、日本ならアウトだね。

「このコなんだけど、相手してやってくれないかねぇ」

「金を払ってまでオボコを抱くのは免こうむりたいな」

と、即答のクロードさん。

「じゃあアンタは?」

とおばちゃんがこちらを見る。

うーん、俺としては正直誰でもいいっつーか、このまま帰ってもいいかなって気分なんだけどな。

「ねぇねぇ、彼が私の旦那サマ?」

「そんなわけないだろ、ったく」

アレシアのよくわからん言葉におばちゃんが呆れたように応える

「えー、じゃあヤダー」

「アンタね、ウチにをおくんならいい加減客をとりな!!」

「だからぁ、旦那サマが現れたらいつでもオッケーって言ってんじゃん」

「そんな都合のいい話があるわけないだろう?」

「どうでもいい男とホイホイ寢るなんて絶対ヤー!!」

「ここはそういうところなんだよ!! 嫌なら冒険者にでもなんな!!」

「えー、働きたくない―!!」

「だったら客取んな!!」

「ぶー!!」

なんだか賑やかなやり取りの後、おばちゃんがヤレヤレってじで頭を振る。

「なぁお兄さん」

とそこでいきなり矛先が俺に向く。

「このコ、アンタの好きにしていいからさ、とりあえず選んでやってくれないかねぇ?」

まぁ本人にやる気が無いみたいだし、適當にダベって時間潰すか。

「いっすよ」

「ありがとねぇ。アレシア! 案!!」

「はーい」

**********

部屋に著くなりいきなりベッドに押し倒された。

いや、やる気ないんじゃなかったっけ?

「ねぇ。アタシのこと請けしてくんない?」

請け……?」

「そ、請け。そしたらアタシのこと好きにしていいよ」

「えっと……無理」

「……だよねぇ」

そう言って軽くため息を履くと、アレシアは俺を解放してくれたんだが、何を思ったか服をぎ始め、全になると俺の隣に寢転がった。

「ま、しょーがない。これも仕事と思って諦めるから、どうぞ」

いや、どうぞって言われてもねぇ。

「別に無理しなくてもいいよ」

するとアレシアはガバッとと起き上がってこちらを向く。

あ、意外とあるのね。

「なにそれ! アタシじゃ不満ってこと!?」

「いや、そういうんじゃない。さっき一戦終えてここには付き合いできただけだから、そっちにやる気が無いなら無理にとは言わないよって話」

まぁ<神耐>レベルが高いからこうやってカッコつけられるワケで、普通なら流れでやっちゃうんだろうなぁ。

はっきりいってこのコすげー人だし、さが殘るとはいえとして充分魅力のあるスタイルだし、は綺麗だし、聲も可いし、そんなコに隣で全になって「はいどーぞ」なんて言われたらまともな神じゃ耐えられないだろう。

神耐>上げといてよかった……のか?

「ふーん」

冷靜になると恥ずかしくなってきたのか、アレシアは顔を真っ赤にしつつ手でを隠すと、もう一方の手でシーツを手繰り寄せる。

なんか邪魔っぽいので俺はベッドから起き上がり、部屋にあったソファに座ると、アレシアは無事手繰り寄せたシーツでを隠せたようだ。

そこで、なんとなく雑談を始める。

聞けばアレシアは、自分を養ってくれる男を探しているのだとか。

出來ればその人に処を捧げたいとか言ってたけど、だったら娼館出てまじめに働けやって言ってみたが、働きたくはないんだと。

まぁ夢みたいな話なんで、そのうち客取って普通の娼婦になるんだろうなぁ、なんて半ばあきらめてるみたいだったけどさ。

そんなこんなでいい時間になったので、俺は個室を出た。

俺を見た付のおばちゃんは軽くため息をついていたのでお見通しってかんじかな。

「アンタいい人そうだから、初めてはもらってしかったんだけどねぇ」

請けとか無理っす」

「そんなもんしなくていいさ。ま、金は返すよ」

「ああ、いや、いいっすよ。俺の都合でやらなかっただけなんで」

「そうかい」

そこで、おばちゃんがしイタズラっぽい笑みを浮かべる。

「もしかして、想い人でもいるのかい?」

「ああ……たぶん、そんなじかも」

「そうかい。じゃあこれは私からの景気づけってことで。土産でも買ってやんな」

結局金は返された。

その後ツヤツヤになったクロードさんたちを軽く食事をとり、俺とガンドルフォさんは夜行馬車でエムゼタシンテ・ダンジョンへ戻ることにした。

うん、明日からまたデルフィと2人でダンジョン探索頑張ろう。

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