《死に戻りと長チートで異世界救済 ~バチ當たりヒキニートの異世界冒険譚~》第50話『ダンジョンの守り人』
突然の出來事にデルフィは戸い、キョロキョロと部屋を見回している。
正直オレも何がなんだかわからんのだが、ここは俺がしっかりしないとな。
「どうも。お宅はもしかしてダンジョンマスター的な人?」
「そうだね。一応ここではダンジョンコアと呼ばれているけどね」
つまり、このダンジョンを創り出し、管理している存在ってわけだ。
彼はソファから立ち上がるとこちらに向かって歩いてきた。
そして軽く指を鳴らすと小さい丸テーブルと椅子が3腳現れる。
「どうぞ。コーヒーでいい?」
「あ、うん」
「えっと、ど、どうも」
俺とデルフィはとりあえず現れた椅子に座った。
いつの間にか目の前にコーヒーが用意されてので、遠慮なくいただく。
うん、いい味だ。
「で、そのダンジョンコアさんが俺たちになんの用?」
「いや、ここを攻略したら一応會うことになってんの。とりあえず2人ともダンジョンカード出してくれる?」
別に疑う必要もなさそうなので、俺とデルフィはダンジョンカードを渡す。
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彼はカードに軽くれると、すぐに返してくれた。
「はい、これでダンジョン制覇の報がったよ。お疲れ様」
「どうも」
さて、目の前にいるこの男、さっきも言ったがどう見ても日本人なんだよな。
部屋の雰囲気もなんか現代日本風だし、ゲーム機とかテレビとかあるし、本棚に並んでんのは大半が漫畫だし、アニメのDVDボックスとかフィギュアとかあるし。
服裝だってそれ完全にジャージだよね?
なんつーか、こっちに來る前の俺みたいなじなんだよなぁ。
「一つ聞きたいんだけど、お宅って日本人?」
「おや? ということは君もかい?」
「ああ、うん。俺は山岡勝介。ちょっと前に転送されたじ?」
俺の後ろでデルフィがなにやら驚いたような戸ったような雰囲気を出している。
しまったなぁ、ついつい好奇心に負けて訊いてしまったうえに流れで喋ってしまった。
まぁ後で事を説明するか。
「へええ。僕も多分日本人なんだろうけど、記憶は無いんだよね。あ、でも名前は覚えてるよ。真島裕太」
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「真島くんね。しかし記憶が無いってのは?」
「記憶はないけど知識はある、みたいな変なじなんだよね。自分がどういう人間で、どういう人生を歩んできたのかは全然わからないんだけど、たとえばどういう本を読んで、どういうゲームをして、どういうアニメを見て……みたいなのは何となく知っているんだ」
「この部屋にある漫畫とかゲームは?」
「これはダンジョンコアの能力で創りだしたもの……になるのかな。あの漫畫読みたいなぁ、とかあのゲーム久々にしたいなぁ、って思ったらDP使って創れることがわかってさ」
「DP?」
「ダンジョンポイントの略ね。僕たちダンジョンコアはそのDPを使ってモンスターや罠を生み出したり階層を増やしたり広げたり出來るんだ」
「罠ねぇ……。迷路階層の罠とかすげーウザかったわー」
「そう? その割にはサクサク進んでたみたいだけど?」
まぁ、SP使って<罠察知>と<罠解除>習得して速攻Maxまで上げたからね。
実は1回罠にかかって死んでるんだわ、俺。
死に際に見えたデルフィの絶的な顔が印象的で、なくとも彼の前では絶対死なないって決めたんだったな、あの時。
「いやいや、苦労したんだって……」
「ま、1回死んでたもんね。そっから急に罠を回避し出したから、なにか特殊能力でも使ったのかなー、とは思ってたけど」
「ちょ……なんで!?」
「いやぁ、最近良く時間が巻き戻ってたからなんかおかしいとは思ってたけど、君が起點だったんだねぇ」
「おま……」
そこで慌ててデルフィの方を見ると、彼は彫像のように固まっていた。
「どうやら彼は君の事を知らなそうだったから、とりあえず時間を止めさせてもらったよ」
「すげーな……そんなことまで」
「ダンジョンの中は僕が支配しているからね。DPさえあれば何でも出來るんだ」
「しかし、なんで俺の死に戻りを認識できるんだ?」
「なんでだろ? そこはよくわからないや」
まぁ、そこは考えてももしょうがないか
「そういや、さっきから言ってるDPってのはどうやって手にれるの? もしかしてダンジョンで死んだ人から奪ったり的な?」
「はっはっは。そんな騒なものじゃないよ。単純に時間で支給されるじかな。ここ100年ぐらいでどんどん支給のペースが上がってきてね。いくら消費しても使い切れないぐらい貯まってるんだ。だからこDPを異常に食う時間停止だっていくらでも使えちゃう。……ていうか、また支給のペースが上がってるね。時間停止を使ってもDPが減らないなんてホント異常だよ」
便利な能力を使い放題ってんだから嬉しいもんかと思ったが、真島はどちらかと言うと不安そうな顔をしている
「ところでさ、なんでダンジョンコアなんてやってんの?」
「さぁ? 気がつけば僕はダンジョンコアとして存在してたから、後は本能の赴くままにダンジョンを長させて行ってたんだけどね。200年ぐらい前に倒されちゃって、そこからは人間と共存してるじかなぁ」
うーん、異世界転生モノにはダンジョンマスターに転生するっていうのも結構あるし、そういうことなんだろうかねぇ。
「さてと、君たちは僕と戦うかい?」
デルフィが張で息を呑む。
どうやら時間停止は解除されたらしい。
「戦う? 戦わなきゃならんの?」
「いや、強制ではないよ。希者は僕と戦うことが出來て、僕に勝つとダンジョンを停止させることが出來る」
「ダンジョンを停止させていいことってあるの?」
「どうだろう? 停止といっても各階層の転移陣はそのまま殘るから探索は可能だね。ただ階層ボスがいなくなるのと、ダンジョンモンスターの復活はなくなるね」
「それっていいこと無いじゃん」
「君たちにとってはね。でも僕的には、ダンジョンを攻略したからにはきっちり倒してしいんだよね」
「なんで?」
「なんでだろ? 本能?」
「……倒したら真島くんは死んじゃうわけ?」
「いいや、半年ぐらいで復活するね」
「半年ね……」
「あー、でも半年ってのは前回の経験から言ってるだけで、もしかすると今のじだと半月ぐらいで復活できるかも」
「ふむう……」
半年であれ半月であれその間階層ボスがいなくなり、倒した魔の復活もなくなるってことだよな?
うーん、魔石の採取量は確実に減るだろうし、正直なところ一冒険者が判斷していいモノじゃなさそうだ。
「やめとくわ」
「そっか、殘念。君は絶対僕を倒したほうがいいような気がするんだけどなぁ……」
「なんでだよ」
「わかんない。なんとなくだけどそれが使命のような……」
「使命ねぇ……」
もしかしてお稲荷さんが言ってた”世界を救う”ってことと関係があるのか?
だとしても、理由もわからんままダンジョンを停止させるなんてことは怖くてできんわ。
「ま、君にその気がないんならしょうがない。じゃ帰る?」
「ああ、そうするよ。コーヒーご馳走様」
「いえいえ。気が向いたらまた來てね」
そういうと、真島はし寂しそうに微笑んだ。
***********
「で、ニホンジンとか転送とかって何よ?」
ダンジョンを出てホテルに戻った俺は、予想通りデルフィからの詰問をけた。
別に隠してもしょうがないので簡単に事を説明する。
「異世界ねぇ……。まるで賢者サンペーみたいね」
「あ、やっぱ賢者サンペーって異世界人なんだ?」
「ええ、そうね」
賢者サンペー。
500年ほど前に突然現れた男で、特に農業関係の知識に優れていた。
當時この世界は食糧危機のせいで文字通り滅亡寸前だったらしいが、賢者サンペーがもたらした知識により食生産量は増え、人類は滅亡を回避。
農業以外にも様々な分野で多くの知識をもたらした賢者サンペーだったが、こちらに現れた時點ですでに老齢であり、この世界に現れて20年とたたずこの世を去った。
彼の死後、賢者サンペーの生年に遡って暦が制定され、現在使われている賢歴が始まった。
彼がもたらした農業改革は人類滅亡を回避したものの、新たな悲劇を招くことになる。
そのきっかけとなったのが人口発だ。
農業改革に拠る食糧問題解決とともに人口は順調に増え、そして増えすぎた。
単純に人口が増えただけならまだよかったんだが、賢者サンペーがもたらした技により農業は効率化され、労働者一人あたりの生産量が格段にアップ。
そのせいで労働に従事しない余剰人員の數が増えるので、まぁそういう場合余った人員は別の産業に回るのだが、それにしてもすべての人のけ皿があるわけじゃない。
農業技の改革だけで他の産業は昔のまま、ってこともないから、他の産業でもやっぱり人は余る。
じゃあ余った人員のけ皿は國が用意するしか無いわけで、そういう場合は大抵軍隊に編されるんだよな。
そこからもあぶれた連中は盜賊になるか冒険者になるか、ってところか。
そして余剰人員の急増とともにあらたな問題も発生する。
それがエネルギー問題。
この世界で當たり前のように使われている魔力の供給量が需要に追いつかなくなってしまったのだ。
魔石採取量の絶対數が減することはなかったが、人口が増えた分相対的に供給量が不足し始めた。
そこで人々は新たなダンジョンを求め領土を広げていった。
エネルギーはともかく人手は有り余ってるからね。
さらに魔石だけでなく、空気中の魔素も足りなくなったのか、魔法効果が著しく下がり始めた。
そこで魔力あたりの魔法効果を高めるため、魔が発展した。
人口発に伴う余剰人員の急増と魔力不足は、生活圏の拡大や魔の発展につながったわけだ。
しかし、人が増え、土地が増え、技が発展するも資源が足りない、となるとお約束のように戦爭が起こる。
でを洗う仁義無き戦いが各所で発したそうだ。
結局100年ぐらいごちゃごちゃやってようやく治世が訪れた。
その頃には人口増加も落ち著き、新たなタンジョンの発見や魔発展のおかげか魔力供給も安定し始めたようだ。
まぁ戦爭なんてのはどんな大層なお題目を唱えたところで結局は資源の奪い合いだからな。
資源がある程度行き渡るんなら奪い合う意味もなくなるってもんだ。
しかしこの世界にもいろんな歴史があったんだねぇ。
「よし、じゃあそろそろ行くか」
「行くって、どこへ?」
明日の予定はもう決めてあった。
ただ、俺の事を聞いたデルフィの反応次第じゃそれもキャンセルかな、と思ってたんだが、別に俺が異世界人だということは特に気にならないらしい。
まぁ、死に戻りと”世界を救う”ってことについては話さなかったけど。
話したところで理解できないだろうしね。
特に”世界を救う”ってのは俺自何やればいいかわかってないから説明のしようもないし。
ダンジョン制覇ってことで案の定俺たちを酒の肴にすべく絡んできたガンドルフォさんだったが、正直に明日の予定を話したらあっさり解放してくれた。
「おう、いよいよか。頑張れよ!!」
……その手のサインやめい。
「明日はヘルキサの塔に行こうと思ってる。1日向こうで過ごしたいから、夜行馬車で行こうかなってね」
どうやらそれで俺の意図に気づいたデルフィの頬が赤く染まる。
「そ、そう。じゃあ準備しないと」
いざ、ナウなヤングにバカウケのトレンディースポット、ヘルキサの塔へ!!
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