《死に戻りと長チートで異世界救済 ~バチ當たりヒキニートの異世界冒険譚~》第57話『聖魔法×家庭の醫學』

今まさに死にゆこうとするアルダベルトを救うにはどうすればいいか。

回復魔は使えないし、蘇生魔なんて覚えてないし、とりあえず『止』で応急処置は行ったが、これだってそれほどの効果はないだろう。

まずは何より考える時間がほしい。

《スキル習得》

<思考加速>

おお、こういう非常時ってのはとにかくスキルを習得しやすいから助かる。

SPは20萬ptほどあるが、必要ながそれで揃うとは限らないしな。

SPなしで習得できるならそれに越したことはない。

思考加速のおかげで時間の流れが緩やかになったようにじる。

周りの時間の流れはゆっくりなんだが、俺の思考だけはいつもどおりってじ。

ただ、あくまで思考が加速するだけなので、ゆっくりの時間の中、俺のきもゆっくりなのは仕方ない。

いや、むしろ今はそのほうがありがたいか。

まずは止まりかけてる心臓だな。

星のスタンド使いさんを參考に、無魔法の魔力で直接心臓をかす。

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力加減を間違えないように、ペースをさないように……。

次に呼吸か。

気道に溜まったは『浄化』で……よし、いけそうだな。

肺の傷は後回しにして、『止』でこれ以上の出を止める。

あとは橫隔を無魔法の魔力で……くそ、心臓かしながらの作業がしんどいぜ。

《スキル習得》

<並列思考>

よし、なんか知らんけどマルチタスクな作業がしやすくなったぞ。

さて、ここからはいよいよ魔法の出番なわけだが、<回復魔法>もしくは<聖魔法>ってのが見當たらん!

《スキルレベルアップ》

<思考加速>

<並列思考>

よーし、落ち著け。

まずは検索……ってないのかよ!!

噓だろ……?

いや、まて、落ち著け……、考えろ……。

《スキルレベルアップ》

<思考加速>

<並列思考>

そうか、ステータスに出るのは”習得可能な”スキル一覧と検索結果なんだよな。

だったら”習得不可能な”スキルで検索……あった! <聖魔法>!!

えーっと、習得條件は<地魔法><水魔法><火魔法><風魔法><魔法><闇魔法>を覚えていることか……。

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各魔法の習得が2萬ずつだから……

《スキル習得》

<地魔法>

<水魔法>

<火魔法>

<風魔法>

魔法>

<闇魔法>

よし、全部SPで習得!!

……出た!

<聖魔法>は……5萬ptだな!

《スキル習得》

<聖魔法>

《スキルレベルアップ》

<聖魔法>

<聖魔法>

聖魔法習得後、殘りのSPでさらにレベルを上げておく。

よーし、ここからはイメージ勝負だ。

クロードさんも言ってたが、魔法はイメージだからな。

ニート時代に見まくった醫學系バラエティ番組とウェブ百科と醫療系漫畫の知識を総員する!!

まずはだな。

えーっと確かの大半は水だったな。

水はそのへんの水蒸気を充てることにして、あとは……鉄分? よくわからんけどアイアンゴーレムの腕でも出しとこう。

んで、生理食塩水っつーぐらいだから塩もいるか?

糖値って言葉があるから糖分もか?

あとタンパク質と脂質もどうせいるんだろうから、そのへんは攜帯食料から拝借できるはずだ。

ついでに途中で魔力切れ起こした時のために魔力ポーションもすぐ飲めるよう、蓋開けて置いておこう。

さてと、後は……赤球やら小板やらは本人の細胞分裂を促進すればいいか。

そのために必要なエネルギーは俺の魔力を充てて……よくわからんけどテロメアは消費しないイメージで……よ……増えろ……!!

《スキルレベルアップ》

<聖魔法>

<聖魔法>

<聖魔法>

おお、なんかテキトーにイメージしたけど、が良くなってきたぞ!!

一気にスキルレベルも上がったし、もしかして増ってのは高度な魔法なのかもな。

分比率とかは<聖魔法>スキルと人の神がなんとかしてくれると信じよう。

よし、次に傷の修復だ。

量が増えた分、急がないとでエラいことになるからな。

っつってもどこ治しゃいいんだ?

やっぱ開腹して実際に見てみるしか無いのか?

なんとか傷の場所とか狀態を確認する方法は……

《スキル習得》

<診察>

おお! なんか覚えたぞ?

……うーん、おおまかな狀態はわかるけど、臓の傷までは。

<診察>は……意外とSPないな、よし。

《スキルレベルアップ》

<診察>

<診察>

<診察>

<診察>

殘りの3萬ptぐらいあったSPを使ったら結構スキルレベルを上げれたので、これでどうだ?

……よし、さっきよりかなり詳しい傷の場所がわかるようになったな。

レントゲンとか超音波ほどじゃないけど、おおまかな場所さえわかれば充分だ。

えーっと、この辺だと……腎臓だな。

よし、基本的には細胞分裂の加速でイケるだろう。

必要なエネルギーには俺の魔力を充てて、効果の程はともかくテロメアは消費しないイメージで……、よし腎臓の傷は塞がったな。

あとは順番に臓や管の修復を進めていく。

ものすごい勢いでMPが消費されてるけど、なんとかなりそうだ。

よし、臓系は全部治ったな。

や皮なんかは下手なことをして神経とかのつながりが悪くなるといけないから、が止まる程度にして、あとは自然治癒に任せるなり、力がある程度回復した後で回復魔を使ってもらうことにしよう。

「よーし、まずは呼吸の補助を止めて……」

無魔法の魔力でかしていた橫隔の補助をしずつ弱めていく。

一瞬呼吸が止まりかけたが、2~3度咳込んだ後、自立呼吸を始めた。

「よし! あとは心臓マッサージを……」

こちらも補助をなくしたあと、問題なく鼓を続けたので問題無いだろう。

「ふぅ……。手間かけさせやがってこの駄犬が」

大きく息を吐くと、ゆっくりだった時間が正常に流れ始める。

その瞬間疲れが全を襲い、俺はそのまま仰向けに倒れた。

まぁ<気絶耐>があるから意識は失わんのだけど、このままここで寢たい。

「ショウスケ!!」

デルフィの呼びかけで、疲れたに鞭を打ちつつ、上半だけ起こす。

「フェドーラさんは?」

「一時危なかったけど、なんとか持ち直したわ。そっちは」

「こっちもなんとかなったよ。悪いけどこの駄犬、治療士ギルドに運んでくんない? その間15分だけ眠らせて……」

ステータスを見るとMPが枯渇寸前だったので、魔力ポーション2本を一気に飲み干した俺は、デルフィの返事を待たず、寢た。

**********

気が付くと、高速馬車の個室で寢ていた。

どうやらデルフィが運んでくれたらしい。

一等客室で、力・魔力の回復効果がある寢臺付きだ。

寢心地は最高で、寢臺以外の調度も一級品ばかり。

食事や酒も無料で食べ放題飲み放題。

その分料金もお高いのだが……。

「あら、気がついた?」

「ああ、うん。ありがとね」

「ショウスケったら15分だけとかいって全然起きないんだもん」

「ごめんごめん。しかし個室とはまた豪勢な……」

「ああ、これ? 冒険者ギルドの貸し切りで、個室も無料なのよ」

「そうなの?」

「うん。避難民と冒険者が乗ってるんだけど、冒険者が優先的に個室や回復機能のある寢臺・座席を使えるようにしてくれてるの。あ、もちろん怪我人が最優先だけど」

「ふーん。で、どこに向かってんの?」

「いったんエムゼタで避難民を下ろした後、そこで待機してる冒険者を追加してエムゼタシンテ・ダンジョンへ向かう予定」

そのまま馬車は規定の速度を大幅に超えて運行され、1時間とたたずにエムゼタに到著。

エムゼタも同じような被害が出ているんじゃないかと思われたが、こちらには一匹もモンスターは來なかったんだそうな。

トセマの方も全く被害がないことは確認されている。

つまり、ダンジョンからあふれたモンスターは無差別に暴れまわったわけじゃなく、フュースを狙ったわけだ。

いや、フュースを狙った、というより、目當てのものがフュースにあったと言うべきかもしれない。

バカな推論かも知れないが、俺は今回の襲撃がハリエットさん個人を狙ったものなんじゃないかと思ってるんだ。

アルダベルトは”ハリエットさんがさらわれた”と言った。

あれだけ無差別に暴れまわって手當たり次第を壊したり人を襲ったりしたモンスターどもが、ハリエットさんだけはなぜか”さらった”んだよな。

溢れだしたモンスターはエムゼタシンテ・ダンジョンのもので間違いないそうだ。

そしてダンジョン周辺の集落はすでに壊滅狀態にあるらしい。

ギルドではダンジョンコアの暴走とか言われてるが、果たしてあの真島がそんなことをするだろうか?

彼は自分を倒してしいと願っていた。

倒されない事に不安を覚えていた。

単純にモンスターが溢れだしただけなら確かにダンジョンコアの暴走ってのも理解できるが、エムゼタやトセマを襲わずにフュースだけを襲い、ハリエットさんをさらっていったという事実は、単純な暴走で済まされる話じゃないと思うんだよな。

……という合にいろいろ考えを巡らせているにダンジョンへ到著すると思っていたが、どうやら<思考加速>を発していたらしく、エムゼタを出てまだ5分とたっていなかったので、ダンジョン到著まで回復を図るため、俺は眠ることにした。

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