《勇者の孫、パーティーを追放される~杖を握れば最強なのに勇者やらされてました~》プロローグ 『追放』

「お前は勇者失格だ」

リーダーの魔法使いがそう宣告する。

「勇者の孫だっていうから甘やかしてきたのに」

「期待外れもいいとこじゃったな」

パーティーのみんなから責められているのは勇者の俺。

俺達のパーティーは魔王の幹部に追いやられて魔大陸から逃げ帰ってきた。

その責任が俺にあるとのことで、小汚い宿屋の一室で追及が行われているところだ。

パーティーのメンバーは四人。

リーダーの魔法使い――『サイフォス』

力自慢の戦士――『フィーナ』

叡智溢れる僧――『ライト』

そして伝説の勇者の孫で現勇者の俺――『アルフ』

俺以外の三人はそれぞれのジョブを極めた三銃士と世間では言われている。

実際にそう言われているだけあってそれなりに強い。

問題なのはその格。

彼らは自分の職へのプライドとそれぞれの役職に対しての無駄なこだわりがあるのだ。

俺は先代魔王討伐に功した勇者の孫にあたるということで、魔王討伐パーティーの勇者に選ばれた。

しかし俺は小さいころから賢者としての研鑽を積んできたので、剣を持つ勇者としての実力は人よりし優れている程度だった。

なので何度も勇者じゃなくて魔法使いや僧をやらせてほしいと頼んだのだが、「パーティーのバランスを考えろ馬鹿」と一蹴されてしまっていた。

今回の敗走の原因は不得手な勇者をやらされていたということがまず一つ。

そして二つ目には俺以外の仲間の力不足があげられるはずなのだが……。

「お前が敵の呪文の詠唱を止められなかったのが悪い」

サイフォスが俺に向かってぶ。

確かに俺は敵の詠唱の阻止に失敗したが、もし俺が魔法使いだったら敵の呪文をかき消すほどの大魔法で対抗できたはずだ。

「あんたがすぐくたばるから盾役の負擔が全部戦士の私に來てたのよ!」

フィーナは機を叩きながら怒鳴り散らす。

俺の方が早く力盡きてしまったのは事実だが、何度もフィーナを敵の攻撃から庇っていた俺の行に気付かなかったのだろうか。

「わしのMPが盡きるほど回復魔法を使わせおって」

ライトは顔をしかめて言う。

MPが盡きた一番の原因はあんたが下心満載でフィーナに補助魔法を無駄に重ね掛けしていたのが原因だろうよ。

「やはりお前は栄譽ある魔王討伐パーティーには不適格! 新しい勇者を探すから裝備を置いてさっさと消えろ」

「えっ!? この裝備は俺の祖父から引き継いだ伝説の武なんですけど……」

俺の持つ勇者裝備一式は、売れば十世代遊んで暮らせるというほどの寶だ。

それをただで置いて行けというのだからこのリーダーはが深い。

「お前には寶の持ち腐れなんだからつべこべ言わずにとっととよこせ」

「……わかりました」

このパーティーには限界をじていたところだ、伝説の武を手渡すのは悔しいけど手切れ金だと思って我慢しよう。

「……一年間お世話になりました」

手ぶらで宿を出て行く俺にたいして、彼らは誰も挨拶すらしてくれなかった。

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