《勇者の孫、パーティーを追放される~杖を握れば最強なのに勇者やらされてました~》第十二話 『ヘルスライム討伐戦』
「目撃報によるとだな、ヘルスライムは町北東部の地帯にいるらしい」
浮遊魔法ウクンダで浮いたまま移しているエリザとミカは、話半分に聞いているようで気のない返事をする。
こうやって甘やかすのがダメなのかな。
しかし今回は甘やかしに甘やかそうと思う。
エリザのには常に防魔法プロテクトが切れないように詠唱している。
正直めんどくさいことこの上ないけどこれで今回は気絶しないで済むだろう。
「さて、地帯が見えてきたな」
「うわー、地面沼じゃーん。絶対に降りたくないわー」
「確かに降りないほうがよさそうかもな。戦闘が始まったら別だけど」
浮遊魔法ウクンダによる機力は大したことない。
普通に歩けるならそのほうが圧倒的に俊敏にき回れる。
が、地帯となるとそうともいえない。
今回の戦いは地形との戦いになると言っても良いだろう。
「あの、アルフさん? あそこにいるヘドロのスライムがヘルスライムなんじゃないでしょうかね?」
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エリザがこそっと俺に耳打ちをする。
ヘドロのスライムの大きさはとてもでかい。
熊くらいのサイズはあるんじゃないだろうか、スライムだけど。
「あれが標的で間違いないな。まだこちらには気付いてないようだから先制攻撃をする、お前たちは後ろに下がっててくれ」
使う魔法は超飛球ビックバン。今まで試した魔法の中でも最高のもので挑もうと思う。
「まずはミカとエリザに防魔法プロテクトを張ってと……」
続いて超飛球ビックバンの詠唱だ。
「古の魔力によりて、我が魂を灼熱の業火とせん」
前にデュラハンに打った時とは違ってエネルギーを圧して打てたと思う。
ヘルスライムにほとんどの熱エネルギーが衝突したはずだ。
――ゴオォォォォォォォ
スライムが焼けこげる何とも嫌なにおいがする。
あっけないけどこれで今回の幹部討伐も完了だな!
そう思った矢先、
「――いきなりなにをするのだ人間よ」
「貴様、もしかしてデュラハンを倒した賢者ではあるまいな?」
「恨みを晴らすなら今ですなぁ」
なんとヘルスライムが何匹もの小さいスライムに分離してしまった。
人型の大きさのスライムだったり、小サイズのスライムだったりサイズはまちまちだが。
「くそっ! 俺の知力120000アタックが効かないだと!」
これはやっかいなことになった。
「みんな、一旦守りを固めろ、対策は今考え中だ……」
「あの、アルフさん、なんかヌメヌメしたが私を取り囲んでくるんですけど、イヤーっ!!」
「大丈夫だ、防魔法プロテクトを張ってるから奴もそう簡単には攻略できないはずだ」
そうはいっても防魔法プロテクトは萬能じゃない。
「くくくっ、この程度のバリアでスライムの吸収を防げると思ったか! それっ!」
エリザのの辺りや下半の部分からバリバリとエネルギーが取られているのが見える。
恥ずかしいからエッチな部分には目を背けて防魔法プロテクトを張った影響でその部分が薄くなってしまったのか。何たる失態!
「い、いやあぁぁぁ」
「すまん、エリザ、耐えてくれ。俺がエッチな部分を念に守らなかったためにスライムの辱めをけることになるなんて想定外だった」
「言葉にして言わないでください~! セクハラです!」
そうはいってもなあ……。助ける手立てが思い浮かばない。
ミカのほうはどうなっているのだろう。
みるとミカは沼に半分を埋めながら座りをしてこまっている。
「うちには防魔法《プロテクト》がちゃんと張ってあってスライムもすぐ諦めて行っちゃったよー。なんだろうこの屈辱は……うちに魅力がないってことなのかな……」
ミカは全的にフラットだから防魔法プロテクトが張りやすかったんだよな。
まあこんなこと言うと火に油を注ぎ込みかねないので黙っておくが。
ついでにいうと俺の方にスライムが來なかったのは俺が男だからか?
エロスライムめ、許すまじ。
結局スライムはエリザに集中して魔力吸収を行っているようだ。
「ねー、アルフー。今ならもう一回スライムを一網打盡にできるチャンスなんじゃない?」
確かに、一か所に集まっているなら攻撃しない手はない。
「エリザー! すまないけど今から魔法を飛ばすから耐えてくれな!」
「ひぅ! 何で私だけ損な役回りなんですかー」
火の最強魔法だとスライムは飛び散ってしまった。
ならば今度はマイナスの魔法氷の魔法で対抗だ。
「氷の霊よ、わが下僕しもべとなりて力を解き放て!」
――ピキーン
エリザと取り囲んでいるスライムの氷の彫刻が完した。
なんかエリザが辱めをけて苦しんでいるオブジェみたいで心苦しい。
でも彼は既に戦闘不能で記憶がなくなっているだろうからこの事は教えないでおいてあげよう。
知らないほうがいいことってあるよね……。
「ミカ! エリザとスライムを教會まで運ぶぞ!」
「うぃーっす」
俺はエリザを囮にしてしまった事にし罪悪を持ちながらも教會へと戻るのであった。
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