《勇者の孫、パーティーを追放される~杖を握れば最強なのに勇者やらされてました~》第十四話 『ジャキ』

「グギャァァァァァ! ――何故だ――――様ァ」

魔大陸に最も近い村の魔王軍幹部、一つ目の巨人サイクロプス。

人が住む大陸では最強と言われる怪がジャキの剣技により消滅していく。

「くくっ、やはりジャキは凄いな。この調子で魔大陸に乗り込みたいところだ」

ジャキがパーティーにってからサイフォスは上機嫌だ。

ジャキは常に謙虛でありながら戦いでは抜群の働きを見せてくれる。

その上、雑用係としても申し分ない。

「サイフォスさん、討伐も終わりましたし宿まで戻りましょうか?」

「ああ、頼む」

ジャキは転移魔法テレポートの詠唱を行う。

転移魔法テレポートは通常、目に見える程度の短い距離しか移出來ない。

しかしジャキの転移魔法テレポートは違う。

今まで行った町や村、魔大陸にさえ行くことだって出來る。

そして特筆すべきはジャキの裝備。

彼は杖やロッドではなく剣と盾を持ったまま魔法が使えるのだ。

「ジャキこそは勇者と呼ぶにふさわしい」

宿に著いた後、サイフォスはジャキの功績を稱える。

「確かにね。アルフと比べちゃ失禮だけど、アルフなんかより數倍使えるわね」

「まったくじゃ」

フィーナとライトもすっかりジャキに心酔している。

「あの、そろそろ勇者の裝備を貸していただくことってできますか?」

「ああ、いいだろう。お前ならきっと使いこなせる。ただし冒険が終わったらしっかり返せよ」

サイフォスは宿の金庫を開けて勇者裝備一式を取り出す。

「アルフなんかよりお前のほうがよっぽど似合いそうだな」

「……よくアルフという名前を出されていますが、どういった方なんですか?」

「あん? 昔の下僕だよ。伝説の勇者の孫ってことだったけど、さっぱり使えねぇ奴だった」

それを聞いたジャキの顔が変わる。

「伝説の勇者って、先代魔王を倒したっていうあれですか?」

「そうだよ。それ以外に何があるっていうんだ」

不機嫌そうにサイフォスは言った。

「ふむ……」

ジャキは顎に手を當ててし考えてから、

「是非その方に一度お會いしてみたいですね」

「やめとけやめとけ、會っても得るもんなんてねえよ」

「得るはあるさ。あなた達と會うよりはよっぽどね」

ジャキの態度が突然敵意むき出しに変わる。

「てめぇ、舐めた態度とってんじゃ――」

サイフォスが言い終える前に、その元に勇者の剣が突き付けられた。

「舐めた態度は貴様らの方だ。我は魔人。魔人ジャキ」

ジャキが剣先をらせると、サイフォスの首からツツっとが垂れる。

「勇者の武が手にり次第貴様らを処分する予定だったのだが……」

ジャキはニヤッと笑い鋭い牙を覗かせる。

「喜べ、最後の仕事ができた。勇者への――――生贄だ」

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