《勇者の孫、パーティーを追放される~杖を握れば最強なのに勇者やらされてました~》第二十話 『呪縛』
「アルフ! 心配したっての~」
戻るとミカが真っ先に飛びついてきた。
「ん、まあ俺にかかれば魔人だろうが魔王だろうが楽勝だよ」
本當はかなり危ないところだったけれど、かっこつけて強がって見せる。
「それよりミカとエリザは最終試験は合格できたのか?」
ふふーんと鼻を鳴らしながらミカは手に持っている銀貨を俺に見せた。
「うちとエリザっちのコンビプレイで楽勝だったよー」
「それは良かった。無事試験もクリアしたし、町に戻ってステータスを確認するのが楽しみだな」
ミカの頭をでると、彼はハニカんでうつむいてしまう。
「……そういうの恥ずいし」
ミカは自分からスキンシップを取ってくるくせに攻められるのには弱いらしい。
「わ、わたしも転移魔法テレポートを使ったりで活躍したんですよ! 褒めてください!」
子犬のような目でエリザが近寄ってくる。
――グイイイィイン
突如エリザ後方の空間が歪み、銀髪碧眼の魔人ジャキが姿を現した。
「……アルフ……くくっ……面白い」
グランドエアによるダメージの影響か、ジャキは頭からを流している。
「今回は貴様の実力を見誤った我の失態……負けを認めよう。――だがアルフ! 次は貴様を殺す!」
言うや否や、ジャキはエリザの背中に爪を立てる。
「――きゃっ!」
エリザは短い悲鳴をあげ倒れてしまう。
「なにをしたジャキ!」
咄嗟に俺は聲を荒げる。
「安心しろ、殺したわけじゃない。このには死の刻印を打ちこんだ。解除したければ一週間後に魔大陸に來い」
「魔大陸だと!?」
魔大陸と言えば前のパーティーで逃げ帰ってきた苦い思い出がある。
「そうだ、そこで今度こそは命を懸けた勝負をしようじゃないか」
ジャキの姿が薄くなっていく、転移魔法テレポートで逃げるつもりだろう。
「待て、まだ話は終わってな――」
言い終える前にジャキは完全に消えてしまった。
「くそっ、逃げられたか」
俺は地団太を踏む。
「ふむ、これはなかなかにやっかいじゃの」
エリザの背中に刻まれた印を見て爺ちゃんが呟く。
「エリザは大丈夫なのか!?」
「當面の間は大丈夫じゃろう。じゃが何もしなければ一週間後に間違いなく死んでしまう。この死の刻印、魔王のみが使える呪のはずなのじゃが……。ひとまず町の教會で見てもらうのが良いじゃろう」
「――くっ、もっとちゃんと警戒していれば」
「悔やんでも仕方なかろう、今やるべきことは他にもあるはずじゃ」
悲壯漂う空気の中、サイフォスが落ち著かない様子で話しかけてきた。
「アルフ! ジャキの野郎を追い払うなんて凄ぇじゃないか。今までしたことは詫びるから、再び仲間になってくれないか」
そう言って土下座してきた。
「私からもお願いするわ」
「わしからも頼む」
サイフォスに続いてフィーナとライトも頭を下げる。
「おいおい、今になってそれは流石に都合が良すぎるだろ」
「ぐっ……そこをなんとか……」
それっきりサイフォス達は黙ってしまう。
いや、待てよ。
ここで彼らを切り捨てるのは容易いが、馬鹿とハサミは使いようという言葉もある。
エリザを救うために使えるカードは使っておくか。
「わかった。死の刻印を解除するための報収集をしてくれるなら仲間になることも考えてやるよ」
「……要は使いっ走りになれということか?」
「そういうこった。嫌なら斷ってくれても結構」
「ぐぬぬ……引きけよう……」
絞り出すような聲でサイフォスは了承した。
プライドの高いサイフォスがこのような仕事を引きけるのは正直意外ではある。
「それじゃあ一旦町に行こう。作戦會議はそれからだ」
俺達はひとまず町へと歩みを進めた。
勇者パーティーに追放された俺は、伝説級のアイテムを作れるので領地が最強になっていた
【今日の一冊】に掲載されました。 勇者パーティーから追放された俺。役に立たないのが理由で、パーティーだけでなく冒険者ギルドまでも追放された。勇者グラティアスからは報酬も與える価値はないとされて、金まで奪われてしまう。追放された俺は、本當に追放していいのと思う。なぜなら俺は錬金術士であり、実は俺だけ作れる伝説級アイテムが作れた。辺境の領地に行き、伝説級アイテムで領地を開拓する。すると領地は最強になってしまった。一方、勇者もギルドマスターも栄光から一転して奈落の底に落ちていく。これは冒険者ギルドのために必死に頑張っていた俺が追放されて仲間を増やしていたら、最強の領地になっていた話です。
8 54異能がある世界で無能は最強を目指す!
異能がある世界で無能の少年は覚醒する
8 84音楽初心者の僕がゲームの世界で歌姫とバンドを組んだら
その旋律はとても美しかった 『マセレナードオンライン』という、軽音楽を主軸としたオンラインゲームに出會った僕は、そこで初めて音楽と觸れ合う。そんな、何にも分からない僕が歌聲に引き寄せられある女の子に出會った。その少女はゲーム內では歌姫と呼ばれていて、そんなことも知らずにバンドを組まないかと尋ねてしまう。斷られる覚悟でいたが、まさかのバンドを組むことになる。果たして僕はこの先どうなるの? VRMMOと軽音楽をかけあわせた少し変わった物語が、今ここに始まる
8 85気紛れ女神にもらったスキルで異世界最強になる(予定)
今まで、色々な作品を書いてきたが、途中でネタ切れなどになり、中途半端に辭めてしまった。 この作品はやれるだけやってやる
8 157生産職を極めた勇者が帰還してイージーモードで楽しみます
あらゆる生産職を極めた勇者が日本に帰ってきて人生を謳歌するお話です。 チート使ってイージーモード! この小説はフィクションです。個人名団體名は実在する人物ではありません。
8 197月輝く夜に、あなたと
いつも通りの夜、突如かかってきた彼氏からの電話。 電話相手は、謎の若い男。 彼氏が刺されている、とのこと。 そして、その男からの衝撃的発言。 禁斷のミステリー戀愛小説
8 142