（……とまぁ、そんなじだった。どうやら、警察署のり口に記憶作の為の何かが置かれてるみたいだね。急にケイトが々と思い出してたし）

（なるほどな……だいたい予想通りだけど……）

（どうするの？）

どうするもこうするも行くしかないだろう。

ケイトの弟や妹の話は記憶作で作れるし、噓かどうかもわからないが、何より別に戦おうという訳でもなさそうだ。

わざわざ會ってくれるというなら、こちらとしても願ったり葉ったりだ。

まあ……こちらとしては當然、殺るつもりだけど。報を得たあとでね。

（行くよ。面倒だけど）

アイギスにそう伝え、適當にびをするとカモミールへと戻った。

◆◇◆

「ユウトさん！」

村に戻るやいなや、ケイトが駆け寄ってくる。その顔には安堵と躊躇、二つのが見える。

「……すみません、署長室まで來て貰えませんか？」

迷いを振り切るように、首を振ったケイトは涙目で俺の手を両手で握る。

涙目での上目遣いは反則だと思う。

……これは、彼持ちじゃなかったらやられてたな。

まあ、どっちにしても行くけども。

（茜ちゃんに言ってやろー）

（な、何をだよ。別に俺は何も……）

（へー。心拍數がどんどん上がってるけど？）

（知らん知らん。勘違いだ）

（噓だね。これ渋ればワンチャンとか思ってるでしょ？）

（な訳ないだろ！　俺はそういう事は茜とするまでは絶対にしないんだよ！）

（え？）

（絶対にしない……）

（え？）

（……もう絶対にしない）

（なかった事にはさせないよ。私だって初めてだったんだから。……それよりケイトが不安そうに手をに押しつけだしたよ？　気付いてる？）

（な、なんだとー。そ、それは気付かなかった）

（……気付いてるみたいだね。海綿にが溜まりだしてる）

（……やめて）

（これはスクリーンショット取って茜ちゃんに……）

（やめて下さい、死んでしまいます）

（よしよし。これで悠斗の弱みが増えた）

ニタニタと笑うアイギスの顔が想像できる。でも、仕方ないじゃないか。とは別なんだ。

何が言いたいかって大きいは兵って事。

そして、小さいは正義って事。

それが俺が生きてきた中で學んだ叡智って事。

「…………」

……ていうか、何かサラリと衝撃の事実を聞かされた気がするんだけど……。

いや、今は考えないようにしよう。

そして、地球に戻ったらハーレム系の作品を読んで解決策を考えよう。うん。そうしよう。

「……え？」

ぼうっとしていたら、ケイトが思い詰めた顔で、俺の手を服の中へと導している。このままでは不味い。お互いにとって良くない。

あ、らかい……じゃないんだよ！

何とか理の力を振り絞り、手を引き抜く。

「その……案を頼む」

「あ、ありがとうございます！」

ケイトはそのまま俺の手を引き、歩き出した。どうしようかな。やっぱり不味いよな。うん。

「ごめん、自分で歩くから」

「あ、わかりました……」

ケイトの手を振りほどくと、ケイトはしだけ気落ちした表を見せ、また歩き出した。

そして、十分後。

俺の目の前に鉄筋コンクリート製の七階建ての建が建っている。

「…………はぁ」

……ふざけてる。

何で周りと合わせないかな。ここだけ違和ありまくりだろうが。

ちょっと村とは離れてるとはいえ、好き勝手やりすぎだろ。

「やはり驚かれたようですね」

「……まあね」

「中はもっと凄いですよ？　王都なんかはこれと同じような建が並んでいるらしいですが」

……ふむ。王都、いつか行かないといけないみたいだな。面倒だけれど。

全部破壊してやろうかな。この世界にはこの世界の文化があるんだからさ。

「じゃ、おじゃましやす」

そういって俺は、ケイトの後を付いて、建の中へとっていった。

日本人の習である。