《異世界冒険EX》新たな世界と同行者

「よく來たな! 神木悠斗! 私が! デュエルの神、アッサムだ!」

「どうも。よろしくお願いします」

転移を終えた俺の目の前には、筋質の巨神が仁王立ちで立っている。

ふむ。凄い筋だ。髪も短いし、もしや男じゃないだろうな……。

いや、神って言ってたしか。顔立ちはいいだけにもったいないな。

殘念ながら俺に筋は無いのだ。

「お前はアイギス様のお気にりみたいだからな! 期待しているぞ!」

「……お気にり、ですか?」

壊れにくいおもちゃとしてだろうか。それなら納得だ。

「ああ! 今までのアイギス様の手下は長くても十年程度の修行だったからな! 七十年なんて初めての事だ!」

……ふむ。何だかきな臭いな。気にるも何も最初から七十年と決めていたみたいだし。

その話が本當なら俺には七十年掛けるだけの理由が別にあるはずだ。

…………ま、どうでもいいか。

「まあ、おかげで酷い目にあいましたけどね」

「確かにちょっとやりすぎな所はあるな! だけど、今までは最低限の苦痛耐と武の扱い程度しか教えてなかったんだぞ!」

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「……そうなんですか。それは意外ですね。実戦の時は鬼や悪魔、いやもはや魔王のように厳しかったですが、その後はいらないことまで丁寧に教えてもらいましたし」

「まあ問題解決の前に死ぬことも多かったからかもな!」

「っ! ……なるほど。じゃあ、反省したのかもしれないですね」

今度はなるべく死なないようにちゃんと育てたって事か。それでもそういう話を聞くとし怖いな。

「だな! まあ、それより本題だ! お前にやってもらいたいことは一つ! 勇者の奴の排除だ!」

「はあ……それはまたどうしてですか?」

勇者と言えば魔王を倒す為の存在だし、必要な気がするけど……。

「……強すぎるからだ!」

「……?」

「おかげで人間が増えすぎてるんだ! 魔王もすぐやられるし!」

「はあ……」

「せっかくこの前SSRの魔王が出たのに……!」

おいおい。魔王ってガチャ産だったのかよ。そりゃ課金キャラなら強いはずだわ。

「このままだといずれ世界の崩壊に繋がってしまう! ……という訳で頼んだぞん!」

ぞんって何だよ。急なキャラ付けしやがって。

「……よくわからないですけれど、わかりました。とにかくその勇者とやらを排除すればいいんですよね?」

「そうだ! ぶっ殺してくれ! それとこれ、神の指だ! この指を嵌めた手でれば生以外は吸い込めるぞ! 取り出す時には頭で取り出したいものをイメージしろ!」

手に乗せられた指は飾り気の無いシンプルな裝飾のもので、サイズも俺の指にピッタリだった。

「……便利ですね。元の世界でも使えるんですかね?」

らくらく模様替えが出來そうだ。

「使えるは使えるぞ! だが、世界によっては呼び出せなくなるものもあるからな、世界ごとに分けておいた方がいいぞ! お前の世界の擔當はアイギス様だ!」

「……なるほど。わかりました」

地球で使うなら地球用の神の指を使うのが良さげだな。

後でアイギスに伝えてみよう。

「それとそれは私の神の指とも連している! だからこっちで吸い込んだものもお前の方で取り出せるぞ! ただ、注意しないといけないのが一人が戦闘中に吸い取りを行うと、吸い取られたのイメージがもう一人にも伝わるから戦闘の邪魔になることもある!」

「えー……」

「だが、まあ私のほうで送るものは特に無いからな! 心配要らない! ただし!」

ズキューンとアッサムが指差した先がりだす。

やがてが収まったそこには、一人のが居た。

「フロリア・ディスグランドよ!」

「あ、どうも。神木悠斗です」

転移してきてそうそう自己紹介。それもしっかりとポーズを決めて。凄いやつだ。

それに……金髪、ツインテール、ツリ目、更にこの口調……ツンデレ。盛り過ぎだな。

それに子供っぽいの子はあんまり好きじゃないんだよなあ。も絶壁じゃん。顔は綺麗だけどね。

年上みたいだけど……敬語使うべきか?

「今回、悠斗は初めてだろ!? という訳で今回は二人で解決しろ! 當然、フロリアにも神の指を渡している! だからお前ら同士でのやり取りするときは気をつけるんだぞ!」

「はあ」

「わかったわ!」

「それじゃあ、この世界についてはフロリアに聞け! この世界の出だからな! 頼んだぞん!」

アッサムにより、俺とフロリアのからが溢れ出す。転移か。

フロリアも大変だな。さっき呼び出されたかと思ったらまた別のところになんて。

……いつか俺もそうされるのだろうか……。

そんなことを考えていると、いつの間にか目の前には平原が広がっていた。

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