《世界にたった一人だけの職業》訓練。そして、初の大迷宮。ー2

俺たちは、今王宮の外の門のり口に集合している。今からアリスレナ大迷宮に潛りにいく為だ。アリスレナ大迷宮は王都の外れの方にあるらしい。馬車で行くらしく一時間以上かかるとか。もっと近くに迷宮ねえのかよ……。

俺が心の中でそんな文句を言い、溜め息をついていると、

「蓮斗。大丈夫か。……疲れているように見えるけど……」

俺に心配の聲をかけてきたのは俺の同類兼親友の秀治だ。因みに秀治の職業は妖使いだ。

「……ああ。大丈夫だ。心配かけてすまないな」 

「無理すんなよ?」

「おう。ありがとうな」

秀治はそれだけ言い終えると自分達の班へ戻っていってしまった。何とも素っ気ないと思ったが……。まあ迷宮に潛る前だしあいつなりに張しているのだろう。

しばらくすると、數臺の馬車と共に騎士団団長のレギーロの姿と騎士団員達の姿が見えた。レギーロ達も俺たちの姿を確認すると、こちらの方へ近づいてきた。

「待たせてすみません。それでは皆さん班ごとに馬車にのって下さい。アリスレナ大迷宮へ出発します」

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レギーロの言葉に俺達は返事をし、馬車に乗った。この時、俺たちは思いもしなかった。まさかあんな事が起きることになろうとはー。

ー1時間半後ー

「皆さん、著きました。ここがアリスレナ大迷宮です」

レギーロがそう言い、目の前の迷宮を指差した。俺たちもレギーロの指し示した迷宮を見上げる。ブロックが積み上げられて造られており、螺旋階段のようにうねっており、地上から見上げてもてっぺんが全く見えない。

「……こりゃーすげーな」

初めて見た迷宮に俺は思わず嘆の聲をらした。

「今から、アリスレナ大迷宮に潛ります。20階層までだからといって気を抜かないように。それと迷宮にはトラップが存在します。ですので、私が先導してトラップを回避しながら20階層まで行きます。しっかりついてきてください」

レギーロがそう言い、し緩み始めていた雰囲気を引き締め直し、歩き出す。おれたちもそれに続き歩き出す。後ろには騎士団員たちも続く。

迷宮の中にると、思っていたよりも明るかったのでしほっとした。

俺達が辺りを警戒しながらしばらく進んでいると、俺のスキルの気配察知に何かがひっかかった。何だろうと思い、しばらく気配のしている方を見ていると、

ピチャッピチャッ

青いスライムが6匹現れた。きがとろく、攻撃力もそんなにないように見える。これならー。

「皆さん!気をつけて下さい!!あのスライムは見かけ以上に俊敏と攻撃力があります!!」

レギーロがそう言った直後、スライムが凄い速度で襲ってきた。レギーロは鞘から剣を抜き、危なげなくスライムを切り捨てた。

すると、それを合図に殘り五匹のスライムが凄いスピードで襲ってくる。

「皆さん!!各班で一ずつ連攜して倒してください!!」

「 「「 「 はい!!」」」」

 俺たちは、団長の指示に従い連攜してスライムの相手をする。

大分苦戦を強いられることになったが、なんとか倒せた。モンスターを倒すとコアが落ちるらしい。コアとはいわゆる魔石の事である。その回収も忘れない。コアを集めると、換金できたり、素材と換できたりする。冒険者にとっては大事な資金源らしい。

しばらくモンスターを倒しながら進んでいった。犬型の魔や、頭が二つある蛇の魔など々な種類に遭遇した。中でも一番厄介だったのが、ミニウルフみたいな魔だった。そこそこに知もあってこちらの攻撃を回避したりしてきたので、倒すのにも時間を要し、苦戦を強いられた。因みにスライムは三番目に厄介だった。

(ここに出た魔のほとんどが、二十階層以降の魔なのですが……。下の階層で何かがあったのでしょうか…。この子達に知らせて混を招きたくないですし……。まあ、無事に倒せているようですし、何も起こらなければいいのですが……)

騎士団団長が険しそうな顔でそんな事を考えていたが、言葉に出たわけではないので気づいた人は誰も気づかなかった。

しばらく進み、20階層まで到達した。今俺達はボス部屋の前にいる。因みに10階層のボスは緑のビッグスライムで、青いスライムみたいにきは素早くなかったが、巨なだけに弱點である、スライムを形作る魔玉がなかなか見つからず探すのに苦労した。攻撃は大したことはなかったので魔玉を探すのに専念できた。因みに魔玉と魔石(コア)は違うものだ。

「皆さん。ここの部屋をクリアすれば今日の訓練は終了です。……くれぐれも最後だからと言って気を抜かないように」

レギーロの言葉に俺達は返事をする。と同時にレギーロがボスの部屋への巨大なドアを開ける。ギギギ……と音がして扉が開く。

レギーロがその中にって行き俺たちもそれに続く。中にると妙なことになっていた。

……誰もこのボス部屋にいないのだ。レギーロもこの妙なボス部屋に頭が困したが、それでも警戒をつづけていた。俺たちも困しながらも周囲の警戒を続ける。

すると、俺の気配察知に何かが引っかかった。前方に気配をじる。しかし姿が全く見えない。……明化の魔法でも使ってるのか?

すると、前方にいた何かがその姿を現しはじめた。その姿を見たレギーロは、

「な、な、なんだと……………!?」

驚きと困と恐怖、そして焦燥に満ちた顔をしていた。

「な……なぜっ……。やつがこの階層に……」

前方に現れたその姿は。

フードを被り、顔が骸骨で両手には鋭い鎌が握られており、暗いオーラに包まれたー。

死神のような姿をした巨大な化けだった。

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