《世界にたった一人だけの職業》王宮へ。そして、き出す。ー1

俺達は、借りていた宿屋を出て馬車に乗って王宮へ向かっていた。

「蓮斗く~ん」

川崎は頬を緩めながら、俺の背中に手を回し貓のように頬を俺の辺りですりすりしながら甘えてくる。朝からことあるごとにずっとこんな調子だ。俺は最初は皆の前だからやめろとか々注意はしたが、本人に改善する気がないので諦めた。今は、頬をすりすりしてくる川崎の頭をでている。川崎にそう頼まれたからだ。それにしても……川崎の髪のはサラサラで気持ちいいな。

「あのー……お二人さん?そういうのは別の場所でやってくれない?」

秀治がそう言ってくる。その提案?に皆も同意なのかうんうんと頷いている。

「だって、川崎にそう言っても全く聞く耳持たないし……。都合の悪いことは聞こえない耳なのか?」

「……?なんか言った?蓮斗君」

「いや、何でもないよ」

俺がそう言うと再び川崎は俺のに顔を寄せ、すりすりし始めた。

ー一時間後ー

俺達を乗せた馬車が王宮に到著した。俺達は馬車から降りて王宮の中へと向かう。こんな大人數で行していればそれはもう目立つわけで。

Advertisement

「勇者様達が帰還されたぞ……!」

「勇者様ーー!!」

「おい!王殿下に急ぎ報告だ!!」

など様々な聲が聞こえる。

王宮の中へると、誰かから報告をけたのか、王のレミリーが息を切らしながら走ってこちらへ向かってきた。

「はぁ、はぁ、はぁ……。よく無事に帰還されました……。私、あなた方達が昨日大迷宮から帰ってこないのでもう心配で……!」

が心配しているかのような表をつくる。

……王のリファード・レミリー……。どこか暗いオーラを纏っているような……。一応王のレミリーも警戒対象に追加しておこう。何かあってからでは遅いからな。

俺達は王宮の中を謁見の間の方へ歩いていく。騎士団団長のレギーロは歩きながら、アリスレナ大迷宮であった出來事の説明を始めた。

それを聞いた王の顔がみるみる驚愕のに染まっていった。

……どこか白々しいな……。あの王。何か隠しているかもしれないな……。でも、この王宮の兵士も側近も誰一人気づいていない。誰か一人くらい気づいていてもいいはずなのに……。何か原因でもあるのか?

俺はそう考え、魔法を発する。気配遮斷から派生した「隠」も忘れず発する。因みに俺のステータスはこれだ。

柏沢 蓮斗Lv7 職業:生

生命力 18500

魔力 19000

魔法展開速度 19700

魔法耐 20600

想像力 20600

スピード 18000

攻撃力 19300

力 18300

スキル

魔法生(+魔法式省略)(+威力維持)、無詠唱、全屬(+反)、気配遮斷(+隠)、気配察知、狀態異常耐、変幻自在、強化

因みに変幻自在はステータス値を底上げはできないが、割り振りを変えることができる。強化は、主に五や魔力などの能力を強化することができる。

「サーチ」

すると、おれの頭の中に多數の報がり込む。不要な報が大半を占めており、正直頭が痛かったがそこから必要な報を探し出す。すると……

魅了(広範囲):威力 最小限

支配(広範囲):威力 最小限

(……この二つが原因か……。じわじわ効果が現れるってじか……。どこからそんなものが……)

そう思って更にサーチすると……。

効果範囲:王宮全

場所:不明

……?場所がわからない?城に効果が及んでいる?このままだと……俺は狀態異常耐があるから大丈夫だけど、他のやつらが……。

魅了や支配の魔法の発生元の心當たりを探そうと更に思考を重ねたその時ー。

「……どうされました?」

がすごい近い距離で抑揚のない無機質な聲でそう問うてきた。

「……いえ。何でもありません」

俺は、ニッコリと作り笑顔でそう答える。

「……そうですか」

(……おかしい。おかしいわ……!なぜ私の魔法「服従」が効かないの……!)

そう。レミリーにとってこの事態は想定外だった。レミリーの魔法「服従」は、相手に本音を吐かせたり、命令を強制的に聞かせる事のできるものである。勿論聞かせられる命令にも、どれくらいの本音を吐かせられるか、対象人數にも限度はあるが。レミリーはメラルース王國でも指折りの魔法の使い手だ。レミリーにとって下級の存在である兵士や、ましてや異世界にきたばかりのひよっこどもなど簡単に魔法にかけられる。でもなぜだか、あの男だけはいくら魔法をかけても無意味だった。今も「服従」の魔法をかけ続けているがまるで意味をさない。

(……まあ、そんなこと考えてても仕方ないわ……。ふふふ……こうしている間にも著実にあの計畫は進んでいる……)

「ふふふ……」

「……?どうかしましたか?」

高峰が急に嗤い始めた王に疑問顔で尋ねる。

「いえ。今日あなた方が無事に帰ってきたことが嬉しかったもので」

レミリーは心でどす黒い笑みを浮かべ、この計畫の功を心待ちにするのであった。

 

    人が読んでいる<世界にたった一人だけの職業>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください