《世界にたった一人だけの職業》圧倒的不利。そして、形逆転へー。ー4

襲いかかってくる兵士達を俺達は次々と撃破していく。

「水の霊よ……その力を持って、敵を喰らい盡くせ……。"水流"」

「雷槍舞!!」

「紡ぎ、強くなりてかの者達に一筋のをもたらしたまえ……。"攻撃強化"」

大きく螺旋狀に渦巻き勢いよく進む水流、々な方向に飛び出したり、方向転換する雷槍、そしてそれらの魔法を強化する川崎の攻撃強化の魔法。それらが一気に三人を襲う兵士達に襲いかかる。

「あがあぁぁぁぁぁぁ!!」

攻撃直後に悲鳴があがる。だが、悲鳴をあげたのは攻撃をけた兵士達ではなく王であるレミリーだった。

(ぐぅぅぅ……。まさかあいつらがここまでだったなんて……)

そう。レミリーは、これだけの兵士がいればあいつらが魔法を放つ前に勝負をつけられるだろうという慢心から魔法「共有」を解除しなかったのだ。まあ、それ以外にも魔法「共有」を解除してしまうとあの駒どもの位置を特定出來なくなったり、兵士達を自分の思い通りにかせなくなってしまうから等の理由もあったが。とりあえずレミリーは、痛みに歯を食い縛り耐えながら魔法「共有」を解除する。

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(ふふふ……。多兵士達の自由が効かなくなったぐらい問題ないわ……。「魅了」と「支配」の魔法さえ無事ならば、兵士達は自的に侵者を排除しようとする……。さあ、私も反撃させてもらうわ……!!)

「我に背く者に如何なる追隨も許さん……。"意思ある兇刃インテンションアサシン"」

ちょうど秀治のいる位置に複數の鋭い刃が飛んでくる。

「秀治!! 來るぞ!!」

蓮斗は兵士達を相手するのに手一杯でレミリーの魔法を防げる余裕はなかった。故に秀治に警告だけでもと思いそう言った。

「了解!!……霊よ……我が道に仇なすものを拒め……。"天拒絶"」

秀治の周りをの結界が覆う。これでレミリーの攻撃を回避できるー。そう誰もが思った。その剎那。

「!?ぐあぁぁぁぁ!!」

「秀治!!」

「西川君!!」

レミリーの攻撃はの結界に弾かれることなくすり抜け、あろうことか秀治を切りつけたのだ。

(なぜ秀治の結界をすり抜けた?あの刃は結界をすり抜ける質を持っているのか?……いやそんな事よりもまずは秀治を助けなければ……!)

俺は複數の兵士を相手取りながら懸命に魔法を発する。

「"抗う風月"」

切れ味の鋭い風のが複數々な方向に飛びう。"風月"によって俺が相手していた兵士達がスッパリ切られ、を吹き出しながら倒れていった。秀治を襲っていた刃にも直撃し、真っ二つになった。

「た、助かった……ありがとう。蓮斗」

「おう」

「川崎。秀治に回復魔法を頼む」

「わかった。かの者に癒しと安らぎを與えたまえ……。"ヒーリング"」

川崎の魔法"ヒーリング"によって秀治の中の傷や疲労といったものが回復される。

「すまない」

「ううん。気にしないで」

「ところで秀治。さっきの魔法はなんだったんだ?」

俺はさっき考えていたことを口にする。レミリーの放ったあの魔法は間違いなく秀治のの結界を貫通した。否、すり抜けたと言った方が適切かもしれない。

「……。多分だが、あの刃には"意思"が宿っていて自由自在にく事ができるんだと思う。それで、さっきの結界をすり抜けたのは……」

「……! 拒絶されたから……」

「そうだ。あくまで仮説の域をでないが」

(秀治の言う通りあの刃が"意思"を持っているとして、対抗手段は? この狀況を切り抜ける方法は? いや……まずは一つ一つ片付けなければ……)

蓮斗が思考を最大限巡らせていると、

「あらあら。反撃はないのかしら。なら、こちらからどんどんいかせてもらおうかしら」

蓮斗達は事実レミリーに対して反撃していない。否、正確に言うなら反撃出來なかったのだ。兵士達の大群を相手にするので手一杯だったために。

(やばい……。ここで喰らえば俺達のうち一人はダウンしてしまう危険がある……。一か八か賭けてみるか……)

「これでくたばりなさい!!……我に背く者に如何なる追隨も許さん……。"意思ある兇刃インテンションアサシン"!!」

再び同じ魔法が秀治へ襲いかかる。萬事休すかー。と秀治が諦めかけたその時ー。

「"拒絶する蒼天碧空"」

三人を取り囲むように青い障壁が展開される。

「無駄よ!!どんな障壁でも"意思"さえあればー」

ガキィィィィィ!!

レミリーの魔法は障壁を貫通することなくその場で消滅した。

「な……!?」

レミリーは自分の魔法が防がれたことに困した。王國でレミリーの魔法を防げる輩はいない。ましてやレミリーは魔法師協會の中でもトップクラスの方である、魔法師協會幹部の長なのである。その魔法を防がれたとあってはさすがのレミリーも困するのも仕方がないだろう。

「おい……くそ王……。覚悟しろ……!」

そして"拒絶する蒼天碧空"を発した蓮斗は目のを怒りにそめながら王を睨むのだった。

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