《世界にたった一人だけの職業》蓮斗の悩み。そして、解決? ー2

「蓮斗くんのステータスも見せてよ。……私の見せたんだから」

「わかったよ」

蓮斗はそう言いながらステータスを表示させる。

柏沢蓮斗 Lv.20 職業:生

生命力 53070

魔力 55690

魔法展開速度 56570

魔法耐 60040

想像力 60040

スピード 52030

攻撃力 56060

力 52700

スキル

魔法生(+魔法式省略)(+威力維持)、無詠唱、全屬(+反)、気配遮斷、気配察知、変幻自在(+能力値底上げ1.2倍)、強化、炎眼、長促進

「……相変わらずだね、蓮斗くん。レベル20でこれだけあるとは……」

川崎は蓮斗のステータスの高さに驚き目を見開く。スキルの方も以前よりも大分増えている。

「まあな……。だけどこのままだといずれ皆に追い越されるかもしれない……」

蓮斗は溜め息じりにそう呟く。実際、レベル20でこれだけステータスがあれば十分すぎるくらいだ。だが、この先どんな敵が現れるかわからないので出來ればもっとステータスをあげたいところなのだ。しかしレベルが上がらないことにはステータスも上がらないのだ。

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「う~ん。レベルを上げる方法か……。幾つも異世界転移系のラノベを読んできたけど……。レベルが停滯するパターンは結構珍しいよね……。それか、そのレベルが限界なのか……」

蓮斗とて、レベルがMAXだという可能も考えた。だが、魔を倒したときとかに「何か」を吸収しているような覚がするので、レベルがMAXであるとは限らない。というか、蓮斗自その可能は信じたくなかったというのが本音なのかもしれない。

「…………。ありがとな、川崎。その……相談に乗ってくれて」

蓮斗はし照れながらも禮を言う。

「いや……。私はこのぐらいしか出來ないから……。良かったらいつでも言ってね」

川崎もし頬を染めながら蓮斗にそう言う。

「じゃあ、俺は訓練がてら外の魔を狩りに行こうと思うんだけど……。川崎はどうする?」

「私は魔とか狩るのあんまり得意じゃないから、読書に勤しむことにするよ」

「わかった。じゃあな」

蓮斗はそう言って川崎の部屋を出ようとする。しかし、突然川崎によって腕を摑まれてしまった。

「…………どうしたんだ?」

蓮斗は川崎にいきなり腕を摑まれたことで一気に心臓の鼓が速くなる。

チュッ

川崎はそんな蓮斗の頬に軽くキスをする。

「い、行ってらっしゃい……。あんまり無茶はしちゃダメだよ」

川崎は頬を真っ赤に染めながら蓮斗にそう言う。

「お、おう!」

蓮斗は恥ずかしさを堪えるように返事を返すと足早に川崎の部屋を後にした。

「風大砲ウィンドカノン!!」

蓮斗が魔法を唱えた瞬間、緑の魔法陣が出現しそこから一線の鋭い風が放たれる。それは黒い大型犬の姿をした"ハウンド"の頭部を一撃で貫き、絶命させた。

「ふう……。結構魔を倒したな……」

蓮斗は今日何度目になるかわからない素材の採取を行う。ハウンドは皮の需要がとても高いらしい。を喰うと能力値が多上がるらしいが、全に激痛を伴うらしいのでは採取しないことにした。

現在倒した魔の數は約30匹程度。その大半がハウンドであった。蓮斗の今居るこの森は、王都から近い場所に位置している"ソリューカの森"という駆け出し冒険者からベテラン冒険者、はたや衛兵の訓練などととても幅広い層が利用している場所だ。魔の強さもそこまで強くなく、経験を積むのに最適だ。蓮斗も毎日のようにここを訪れ、魔と闘うのが習慣となっている。

「それにしても……。今日はあまり魔が出ないな……。危険の前れとかじゃなければいいんだけど……」

そう。普段蓮斗は1日50匹以上は魔を倒している。だが、今日は30匹程度しか倒していない。蓮斗の思い過ごしならそれはそれで問題は無いわけだが……。蓮斗とてそんな危険な魔と闘いたい訳ではない。それは、アリスレナ大迷宮とレミリーだけで十分だ。

蓮斗はそうなる前に引き返そうと森の出口へ向かおうとしたが……一歩遅かった。蓮斗の向かおうとした方向から、何やら真っ黒な「何か」がこっちに猛スピードで突っ込んでくるのが見えた。このままでは蓮斗に衝突してしまうだろう。蓮斗は突っ込んでくる真っ黒な「何か」を避ける。蓮斗が真っ黒な「何か」を避けると、「それ」は、急激に減速して蓮斗から10メートルくらいの距離で停止する。

「それ」は、蓮斗の方を向くとニタァ……。とまるで獲でも、見つけたかのような薄気味悪い笑みを浮かべるのだった。

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