《世界にたった一人だけの職業》ラヴィの気持ち。そして、本當はーー。 ー1

時は、ラヴィと蓮斗が出會ったし前に遡る。

(やばいやばいやばいぃぃぃ!!)

我、いや私、ラヴィは現在魔法"憑依作ポゼッションコントロール"をうまく制出來なかったせいで、オーガを暴走させてしまい混していた。このままではガルンにってしまってもおかしくない。魔王から命じられた任務は監視であり、ガルンにオーガが突然侵してしまえば當然大騒ぎになってしまい、監視の任務どころではなくなってしまう。任務が失敗すればどうなるか……。そう考えただけでゾッとする。何度も制を試みるが依然としてオーガの暴走が止まらない。

暫くそうしていると、オーガの視界を通してハウンドを討伐している黒髪の青年らしき姿があった。ラヴィはその姿に見覚えがあり、まさか……と思うが自分の頭の中であるわけないか……とその可能を否定する。幸運か不運なのか暴走したオーガはその青年を見つけると、突如止まった。その時丁度青年の顔が見えた。ラヴィはその瞬間、否定していた可能が現実になったことを知った。

Advertisement

ーーお兄ちゃんだ……! ずっと會いたかった……! もう會えないと思ってたーー

私はまさかの再會に涙する。今はオーガに憑依しているためにその涙は誰にも見られていなかった。だが、喜んでいるのも束の間。今、ラヴィはオーガの制が完全でなく、オーガは暴走している。これがラヴィ、もとい柏沢憐奈かしざわれいなにとって更なる不運を巻き起こす。オーガは突如としてその青年、憐奈の兄である蓮斗に襲いかかったのだ。

(やめてえぇぇぇ!!)

そうオーガにぶが、制が完全じゃない影響でそれはオーガに伝わらず。

「がっ……!?」

次の瞬間には蓮斗の橫腹を思い切り毆ったのだ。そのままの勢いで後ろまで吹っ飛び、木の幹に激突してしまった。

(いやあぁぁぁぁ!! お兄ちゃんが……! お兄ちゃんが……!!)

このままでは死んでしまう。憐奈はこれ以上オーガに暴走させるわけにはいかない。憐奈は制を試みるが未だに暴走は止められていない。

(せっかく再會できたのに……! お兄ちゃんが死んだら私、私……!)

もう生きていけないよ……。憐奈の脳裏に蓮斗の死がよぎる。蓮斗はオーガに橫腹を思い切り毆られ、木に勢いよく衝突した影響で、骨が複數折れていた。瞳は今にも閉じそうなくらい力がなかった。

(うぅ……。私が回復できるのは力と魔力だけ・・・・・・・……! 私じゃお兄ちゃんは助けられない……!! でもこのままじゃ……!!)

憐奈は現狀蓮斗の傷を癒す程の魔法を持ち合わせていないのだ。通常回復魔法というのは傷を癒すことが出來ない・・・・・・・・・・。それこそ最上級回復魔法"エクストラリカバリー"でも使わない限り、何も治すことは出來ない。回復魔法は疲労、魔力といったものを癒せるだけ。これがこの世界の常識なのだ。

憐奈がどうすれば蓮斗を救うことが出來るか懸命に考えていると。

突如蓮斗を謎の緑が優しく包み込む。

(あれは……!?)

蓮斗のの傷が噓のように治っていく景が目の前にあった。

(エクストラリカバリー? いや、違う……! 姿が段々変わってるし……。先程までとはまるで違うようなオーラ。それにあの姿は……エルフ?)

蓮斗の耳が段々と長くなり、髪もエルフ特有の癖っの多い髪に。蓮斗の姿は正にこの世界のエルフの姿だった。

(すごい……! あんな魔法見たことない……!)

憐奈が見たこともない現象に驚いていると、オーガがまたもや超スピードで蓮斗に襲いかかる。

(だめえぇぇぇぇぇぇぇ!!)

憐奈がそうびながらオーガの暴走を止めようとするが……止まることなく蓮斗に向かっていた。憐奈は今度こそもう駄目だと思い、咄嗟に視界を遮斷してしまう。だが、次に起きたことに憐奈は驚く事になる。突如として憐奈は吹っ飛ばされたような覚がした。憐奈はそれに驚き、遮斷していた視界を遮斷を解除しオーガの目を通して見えるようにする。すると、先程よりも地面が近く見える。真上には木の葉っぱ、背後には木の幹らしきがあった。要するにオーガは蓮斗に吹き飛ばされ、木の幹に激突したのだ。だが、それぐらいでオーガの暴走は止まらない。オーガはすぐに立ち上がり蓮斗の背後に瞬時に移する。オーガはそのまま蓮斗に襲いかかろうとするが……。

「"炎刃フレイムカッター"」

蓮斗はオーガが背後にいることを察知しており、すぐさま追撃してきた。三日月形の炎の刃がオーガ目掛けて襲いかかる。オーガはそれを避けきることができず、右腕を切斷されてしまう。

(……! 繋がりが弱くなった……! これなら……! "解除リリース"……!)

今までオーガとの繋がりが強固で暴走を制すること以外、オーガを止める方法が無かった。だが、繋がりが弱くなったことによって憐奈が"憑依作ポゼッションコントロール"を解除すれば、オーガが元通りになる。

憐奈は急いでオーガから抜け出す。蓮斗はいきなり魔族が現れたことで驚いたような顔をしていた。

「……お前は魔族か……!?」

 今回は蓮斗の悩み。そして、解決?の話をラヴィ(憐奈)視點から書いたものです。もうし続くと思いますので……。気よく読んでくれたら嬉しい限りです。

    人が読んでいる<世界にたった一人だけの職業>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください