《世界にたった一人だけの職業》帰途。そして、盜賊。 ー3
「"水刃ウォーターカッター"」
蓮斗はヴァンに向かって一つの三日月のような形をした水の刃を飛ばす。刃は尖らせず度を上げて・・・・・・・・・・・・。
「がああぁ!?」
ヴァンはそれをもろにくらってしまいそのまま後ろに吹き飛び、勢いそのまま木に衝突してしまう。ヴァンは気絶はしなかったものの、蓮斗の放った水刃ウォーターカッターのスピードが段違いに速かったせいで、木にぶつかった時の衝撃が思いの外強かった。そのせいで背骨が何本か折れてしまい、すぐに立ち上がれないような狀況に陥ってしまう。蓮斗はその隙を逃さずヴァンに追撃する。
「"炎重力弾フレイムグラビティバレット"」
蓮斗がそう唱えると、拳大くらいの大きさの火の球が蓮斗の回りに生される。蓮斗が腕を振る作をすると、その火の球は凄いスピードで飛んでいく。それがやがてヴァンの所まで到達すると、ヴァンを中心として小さくだが確かに威力のある発が起こる。
「あがあぁぁぁぁぁぁ!!」
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その瞬間、ヴァンは痛々しい悲鳴をあげる。暫くすると、発のような現象も収まった。そこにーーヴァンの姿は欠片もなかった。
「……!? おい、ヴァン!?」
デブの男もヴァンが突然消えたことに驚く。
蓮斗の使った魔法、あれは正確に言えば発する魔法ではない・・・・。蓮斗の放った魔法は、炎弾フレイムバレットと重力作グラビティコントロールの複合魔法である。さっき発したように見えたのは、おそらく重力作グラビティコントロールのせいだ。
「っ……!! おい、お前らこの男を殺せ!!」
デブの男がそうぶと、蓮斗を取り囲むように陣取る五人の男達。次の瞬間、五人の男達は一斉に蓮斗に襲いかかる。この時の盜賊達は皆冷靜さを失っていたのだろう。何せ絶対に敵わない・・・・・・・相手に向かっていったのだから。ヴァンを殺されたこともあるのだろうが、この選択は決定的な間違いだった。
「"反結界リフレクションヴェール"」
蓮斗がそう唱えると、蓮斗を囲うように小さく強度な結界が展開される。ナイフで蓮斗を攻撃しようとした男達はそれに弾き返され、そのまま後方に吹き飛ぶ男達。そのまま全員が木に勢いよく衝突し、そのまま気絶した。
「……後はお前だけだな」
「ひ……!?」
デブの男は冷や汗をかきながらけない悲鳴をあげる。目の前の奴は自分達より遙かに強い、いや強すぎる。言わば化けだ。このままでは自分は確実に死んでしまうだろう。運が良ければ助かるかも知れないが、重傷は免れない。どちらにせよデブの男に勝ち目はない。
(死にたくない……! 死にたくない……!! そ、そうだ、ここから逃げれば……!)
デブの男は、死が目前に迫る中初めて"逃げる"という選択肢が脳裏に浮かぶ。デブの男の手元には急時用のアイテムである帰還石がある。それを使えばーー。
だが、デブの男は蛇に睨まれたかのようにけなかった。全が恐怖に震え、帰還石を起するための呪文すら口に出來なかった。
蓮斗はそんなデブの男に一歩、また一歩とまるで恐怖をあおるかのように近づいていく。デブの男が死を覚悟し、目を閉じた、その時ーー。
「……おい、他にも連れ去った奴はいるのか?」
「…………へ?」
デブの男は、蓮斗の放った予想外の言葉に驚きを隠せず、間抜けな聲を出してしまう。
「他にも連れ去った奴はいないのかと聞いたんだが?」
蓮斗は殺気を放ち、デブの男を威圧する。すると、案の定デブの男は更に怯え醜い顔が更に歪む。
「わ、わかった……! 案するから……!」
「いや、案する必要はない。場所だけ教えろ」
蓮斗がそう言うと、デブの男はし悔しそうにを噛む。もし、自分が案すれば今この周辺にいる・・・・・仲間に伝えて、それが盜賊団に伝われば、この青年を待ち伏せできたかもしれないのだ。だが、案は必要ないと言われればその算段も無意味である。
「……場所はーー」
「……噓をついたらどうなるか、分かってんだろうな……?」
「っ……。場所は、グライシアス鉱山だ」
デブの男が再び悔しそうにを噛みしめながらもそう答える。
「……そうか。參考になった。"衝撃波ショックウェーブ"」
蓮斗はお禮(?)を言いながら、デブの男に向かって片手をつきだし魔法を放つ。デブの男はけないような悲鳴をあげながら、派手に後方に吹っ飛び、そのまま木に激突して気絶してしまった。
「さて……と。おーい、大丈夫か?」
蓮斗は服が所々破け、の格好に近いようなにそう聲をかける。
「…………………………」
だが、からの反応はない。まあ、それも仕方ないことなんだろうなと蓮斗は思う。何せ、あの下衆な連中にやられそうになったのだ。まだ恐怖が抜けきっていないのも仕方がないだろう。ーーそう思っていたのだが。
「……凄いのです! あの連中をいとも容易く倒すだなんて!」
このの立ち直りの早さをなめていた。もうし立ち直るのは後になるんだろうなー、などと思っていたのだが。余計な心配だったようで良かった。
蓮斗はそう思いながら、ホッと息をつくのだった。
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