《世界にたった一人だけの職業》蓮斗・秀治 VS ザティック盜賊団 ー3
「こんのおおおぉぉぉぉぉ!!」
蓮斗は大聲で短剣を右手に持って向かってくる男に対して、今日何度目かわからない溜め息をつく。
「…………!? がああああぁぁぁ!!」
蓮斗は、男のがら空きだったの脇にり込み、脇腹を短剣の柄で強く打ち付ける。男は、痛々しい悲鳴をあげその場に倒れ伏した。
今、俺達はグライシアス鉱山にり、大中間ぐらいの位置にいると思う。さすがザティック盜賊団の本拠地だけあってたくさんの盜賊が待ち伏せしては一斉に襲いかかって來るわけだが……。
「……とりあえず、ここら辺は全部片付いたな……」
蓮斗は"気配察知インディケイションセンス"で辺りを調べたが、これと言って気になる気配はない。勿論、奧の方にはまだたくさんの気配がある。
「う~ん……。それにしても……いないな。秀治はどう思う?」
「……多分だが、奧の方に固まってるんじゃないのか?」
「……現狀は取り敢えず進むしかないのか……」
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蓮斗達がグライシアス鉱山にってから優に一時間は経過している。そろそろ捕らわれている人の一人や二人が見つかってもおかしくはないのだが、一向に見つかる様子がない。正直、グライシアス鉱山の広さをしなめていた。まあ、でもよくよく考えてみれば盜賊団に所屬している奴等が相當な人數いるということなのだろう。
蓮斗と秀治は更に奧へ進む。すると、二手に道が別れている所に著く。
「……秀治。どうする?」
「……ここは二人同じ道に進んだ方がいいと思う。二手に別れて行しても危ないだけだ」
「問題は右か、左か……」
蓮斗の"気配察知インディケイションセンス"は左右どちらの方向にも気配を摑んでいる。だが、気配だけでは盜賊かそれとも奴隷として捕らわれている人なのか、そこまで判別はできない。
「蓮斗。それならいい方法があるぞ」
秀治はそう言うと、詠唱し始めた。
「……の霊よ……我の魔力を代価とし、おのが視覚を共有せよ……"見通す目スルービジョン"」
そう言うと、秀治の手元にちょうちょのような形をしたが出現する。
「よし、行け」
秀治がそう言うと、それは秀治の手元から飛び立ち、左の道へっていった。
「……秀治、今のは……?」
蓮斗は今のがなんだかわからなかったようで、首を傾げながら秀治にそう尋ねる。
「ああ、今のはいわゆる視覚共有魔法の一種で、さっき飛んでった妖の目を通して遠くの対象を見ることが出來る。あのサイズなら気づかれないし、丁度いいだろう」
ただ、この魔法にも欠點がいくつかある。それは、魔力を多く消費してしまうことと、その持続時間だ。
"見通す目スルービジョン"は、視覚を共有する魔法であり、それには多大な集中力を必要とする。それと同時に、視覚を共有している間は魔力が常にれ出ているような・・・・・・・・・狀態なのだ。故に持続時間もその人の魔力の保有量によって決まってくる。秀治の魔力の保有量は約4萬程度だが、それでも持続時間は2、3分程度なのだ。どれ程燃費の悪い魔法かわかってもらえただろうか。その為、あまり遠くのほうに妖を飛ばすことが出來ないのだ。
暫くすると、秀治の手元に妖が戻ってくる。そして、そのまま妖はの粒子となって消えていった。
「……秀治。どうだった?」
「……左の道に捕まっている人達がいた。勿論盜賊達も。……だが妙に人數がない。もしかしたら右の方の道にもいるのかもしれない」
秀治は難しい顔でそう答える。
「まあ、取り敢えず左の道に行こうぜ」
「……そうだな、考えるより行だな」
秀治は自分に言い聞かせるようにそう言った。
「じゃあ、行くか」
蓮斗はそう言いながら立ち上がり、左の道へ進んでいく。秀治も蓮斗に続いて、左の道へ進む。
蓮斗は、この救出作戦が無事に終わることを祈りながら先を急いだ。
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