《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第5話 聡のステータスと魔王の事

「あ、あぁ、そんなに嬉しいのか?」

「えぇ!勿論!俺と同じ境遇で、ステータスが確認出來ることを喜ばない奴が居たら、そいつはモグリですよ!」

何がモグリなのか分からないが、兎に角興している聡。

「そ、そうか。ではステータスオープンと口に出してみろ。慣れれば心の中で思うだけで開けるようになる。」

「はい!【ステータスオープン】!…出た!」

聡が気合をれてぶと、目の前にステータス板が現れる。因みに、トイフェルのものは聡のものが現れると同時に、消滅してしまっている。

名前:サトシ・アライ

別:男

年齢:21

種族:人族?

Lv:1

HP:-

MP:3

STR:21

VIT:7

AGI:4

INT:33

MND:2

LUK:128

スキル:算 Lv:4、禮節 Lv:3、

不老不死 Lv:-

稱號:平凡、異世界人、不死者

「…え?」

『異世界召喚といえば、チートっしょ!』と滅茶苦茶期待していた聡は、見るからにザ・平凡なステータスに、戦闘系皆無のスキル構、そして謎のHPの非表示と、不老不死というスキル、不死者という稱號に固まってしまう。

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「どうか、したのか?」

「ど…。」

「ど?」

「どうかしたかも何もあるか〜!これでどうやって魔王を倒せば良いんだよ!?何?レベル上げでもしてこいってか!?どうやってだよ!?戦闘系のスキル皆無の上、大したステータスじゃねぇぞ、これ!!」

先程までウキウキしていた様子とは正反対に、聡は頭を抱えて大きくぶ。

「な、何があったのだ!?余にステータス板を見せてくれないか?」

その様子に驚愕したトイフェルは、聡に詰め寄りながもステータスを見せてくれと頼む。

「あ、はい。えっと、確か【共有ジョイント、トイフェル】で良かったですか?」

今更ながらトイフェルの様子を忘れていた事に気が付いた聡は、戸いながらも言う通りにする。

そして無事トイフェルのもとにステータス板が移したため、トイフェルはまじまじと見てその容を読する。

そして一言。

「…これは酷い。」

「にゃんと!?」

あっさりと切り捨てられた聡は、驚愕して膝をついて落ち込んでしまう。

「あ、あぁ、すまない。しかし、村人並のステータスに、戦闘系スキル無し。そして異世界転移特典として、何が贈られているかと思えば、ただ永遠に年齢が変わらぬまま生き続ける【不老不死】。確か【不老不死】には、スキル【超回復】の完全版と同じ効果もあったから、酷い時には相手が飽きるまでいたぶられ続けるという事も…。」

「え?マジですか?」

「あぁ、マジだ。それに神的な傷も回復する効果があるから、狂う事も許されない。となると、普通の人間には地獄だぞ?」

「…。」

トイフェルの説明に、聡は一気に顔を青ざめさせる。

それは想像を絶するほどの痛苦だろう。

「だ、だが安心しろ!余を倒した暁には、余の持つ財を全てくれてやる!その中には己のを守る神っておる!」

このまま落ち込んでもらっていても困るので、トイフェルは慌てて聡を元気づけようとする。

「お、お気遣い謝します…。し、しかし、私のステータスでは何年経っても、それこそ永遠に倒せないと思うのですが。というか何故自分を殺すような依頼を?」

落ち込んでいるのを無理矢理隠そうとしているからなのか、聡は何時になく饒舌になり、トイフェルが聡を召喚した理由についての核心にれる。

「ふむ、そうだな。貴様も一応は落ち著いただろうから、そろそろ本題にるか。」

「…(ゴクリ)。」

言い知れぬに、聡は唾を飲み込む。

「貴様を態々異世界から召喚した理由は、魔王軍は確かにほぼ全滅してしまったのだが、それだけでは魔の數の増加は止まらないからだ。」

「魔王様が生きているから、ですよね?」

『お前が生きているのが悪い』というような言い方になってしまったが、概ねその通りなのでトイフェルは靜かに頷く。

「あぁ。しかし、余はこの玉座の間に、配下達の手により封印・・されてしまっているのだ。」

「ふ、封印!?配下にですか?」

驚愕の事実に、聡は驚きを隠せないでいる。

「まぁ、正確には保護という言い方の方が近いな。勇者達の手から、余を守るという目的だな。奴らの全力を以てすれば、余のスキルや防力を貫通して、ダメージを與える事など出來ないはずが無いからな。だから余の魔力を介に、配下達はここに結界を張ったのだ。」

「…。」

目を見開いたまま、話に聞きる聡。

これで聡には、1つの謎を除いて全ての事は理解出來た。

つまり、トイフェルには結界を壊すはなく、そうこうしているに、世界に魔が溢れかえり、結果として世界を滅ぼしてしまう可能がある。だから命を絶つ必要がある。しかし自死するには、攻撃力が圧倒的に足らない。

また、この結界はトイフェルの無限にある魔力を介にしているため、どんなに激しい攻撃を加えても、外からでは一切破壊は出來ない。ましてやトイフェルが張った訳では無いので、解き方も分からないと。

「1つだけ、質問良いですか?」

「良いぞ。」

「何故、私を召喚したのでしょうか?私では、魔王様の防力は突破できません。つまり、倒せないのです。」

「あぁ、そうだな。」

聡ではダメージを與えられない事を、あっさりと肯定するトイフェル。

だが聡は落ち著いた様子で、更に言葉を紡ぐ。

「しかし実際には私を召喚した。それは、私にも防力を貫通してダメージを與えるがある、という事でしよろしいですか?それは、説明を後回しにしていたスキル、【無敵(仮)】が深く関係してくると?」

「ふっ。流石だな。よもやこれだけの説明で、そこまで理解しようとは。」

呆気なく答えに辿り著いた聡に、トイフェルは嬉しそうな笑みを浮かべながら、靜かに頷く。

こうして、謎となっていた聡が召喚された理由が明らかになっていくのだった。

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