《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第7話 こうしてサトシの地獄の『300年間』は、幕を開けた

話し合いが一段落ついたところで、聡はとある事に気がつく。

「あれ?でも、地道に攻撃といっても、その他の無効化系のスキルを突破出來なく無いですか?」

 「あ〜、それはだな、【無適(仮)】で選んだ対象者からは、どんなに無効化スキルをもっていても、必ずダメージが1以上は通るんだ。」

「へ〜、なら安心…って、はぁ!?たったの1!?」

攻撃が通ると聞き、危うくそのまま流してしまいそうになったが、與えられるダメージのなさに驚愕する聡。

「そ、そうだ。」

「して、トイフェルのHPは?」

「31億5360萬だ。」

あまりの桁數に、その場で聡は固まってしまう。そしてそのまま5秒後。

「…100年。」

「え?」

地獄の底から響いてくるような、そんな低い聲で呟く聡に、トイフェルは顔を引き攣らせながら聞き返す。

「だから!1秒に1回攻撃をする計算で、それを続けて行ったとしても、ピッタリ100年経たないとHPは削りきれねぇって言ったんだよ!!なんだよ!31億って!?」

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「あ、あぁ。今の間でそこまで計算したのか。」

いきなりキレ気味でぶ聡。時間はかかると分かっていたものの、流石にここまで長い時間だとは思っていなかったのだろう。

トイフェルはその計算能力の高さに驚きながらも頷く。

その様子から察するに、こちらの世界も1分=60秒、1時間=60分、1日=24時間、1年=365日となっているようだ。

「しかも、そんなにき続けられるとは思えんし、いくら【不老不死】の回復があったとしても、流石に疲労までは…。」

先が見えない話に、聡はゲンナリとした表をする。

しかしトイフェルは驚く事を口にする。

「ん?疲労も回復するぞ?というか疲労なんてじないと思うぞ?」

「何ですと!?」

【不老不死】の思わぬ効果に、聡は驚く。

「サトシはここに來てから1時間ほど、立ったまま話し続けているが、に疲れは無いだろう?」

「た、確かにそうだけど。」

「タイムリミットが500年だから、ギリギリ間に合うかどうかとか考えていたが、【不老不死】とはまた良いスキルの持ち主が召喚できたものだ。」

「あんたの時間の覚はどうなっとんねん!?普通の人間には長すぎんだろ!?俺は人族?・って表示されてたがよ!」

「あ〜、その?・は、多分永遠に生きる者を、人間にカテゴライズして良いものか、世界が迷った結果だろうな。」

「なんて失禮な世界だ!俺に基本的人権は!?」

「何だそれは?」

「はい、無いですよね!だって異世界だもん!」

あまりに荒唐無稽な話に、聡のテンションは完全におかしくなっていた。

「…コホン。しかし、そんな長い時間攻撃をけ続けたら、トイフェルの気が狂うのでは?俺の世界の拷問の1つに、に水滴を當て続け、時間の覚をぶっ壊して、ついでに神もぶっ壊すっていうのがあったが、それよりもキツいんじゃないのか?」

聡はトイフェルの神的な苦痛について、眉を顰めながら聞く。

確かに普通・・の生には、到底乗り越えることが出來ない試練だろう。

しかし、聡は忘れているようだ。トイフェルの稱號に、普通ではないもの・・・・・・・・があったことを。

「ん?余の心配か?それなら大丈夫だ。」

「え?それは、どういう…。」

これから100年以上攻撃をけ続けるというのに、何故か笑顔浮かべるトイフェルに呆気に取られる聡。

そんな聡に対して、トイフェルは今までで1番の弾発言を投下する。

「何故なら余は、ドM・・だからな!ハッハッハ!」

「…え?」

その弾発言に、聡の理解は完全に追いつかなくなってしまった。

「長らく痛みが無い時間が続いたが、いよいよ痛みをけられるかと思うと、涎が…おっといかんいかん。」

「…。」

その恍惚とした表に、聡は言葉を失う。

いや、別に聡は人の趣味にとやかく言うつもりは無いのだが、流石に今回はスケールというか、重みが違う。

『世界のために自分を殺してくれ』などと言う男から、まさかいたぶられるのが好きという発言が出るとは思っていなかったのだ。

「?どうした、サトシ?」

「…えっと、好みののタイプは?」

の危険をじた聡は、予防線として一応聞かなくてはならない事を聞いておく。

返答の次第によっては、最速でトイフェルを沈めなくてはならなくなるからだ。

だがそんな聡の危機に反し、トイフェルは呑気に頬を染めながら答える。

「む。そうだな。気の強く、膽力もあり、且つ攻撃に特化した、人系のがタイプだな。そんなに、冷たく見下ろされた日には…。くふぅ〜!」

もう、世界なんてどうでも良さそうな表でクネクネとしているトイフェルに、聡は一安心しつつも、若干引いている。

「そ、そうか。葉うならば、トイフェルにはそういう方と幸せになってしかったが、そうも言ってられない。…早速、始めるぞ?」

何年かかるか、正確なところは分からないが、取り敢えず始めない事にはどうしようも無いので、開始の宣言をする。

「あ、あぁ。この剣渡すから、これで攻撃してくれ。」

いきなり開始と言われたトイフェルは、戸いつつも武をアイテムボックスとやらから取り出して、聡に手渡す。

「重さは?」

そんなトイフェルに、良く分からない質問をする聡。

「?3キロ程度だが?」

その質問の意義は分からなかったが、答えない理由も無いので、素直に答えるトイフェル。

「ならもう一本くれ。そっちの方が時短になる。」

どうやら聡は二刀流で、さっさと終わらせる気らしい。

「じ、じたん?」

「時間短の略だ。トイフェルが聞き返したせいで、時間短どころか寧ろ時間かかってるけどな。」

ついでにトイフェルに対して、馬鹿にするような口調で責め、様子を見ているようだ。

「くっ!こ、コホン。分かった、もう一本渡しておこう。」

聡の見定めるかのような視線に気が付いたトイフェルは、変な聲が出そうになるのを必死に耐える。

一方、マジでドMであると確認出來た聡は、気が重いが仕方なく武を手に取り、素振りを始める。

「さて、魔王討伐作戦、開始!」

威勢よく聲を出す聡。しかしそんな聡には、これから300年間・・・・・もドMをめ続けるという、地獄が待っているとは思いもよらなかった。

こうして、聡の地獄が始まったのだった。

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