《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第10話 日々の過ごし方 (3)
「それはそうと、【アイテムボックス】とやらに、ベットとかってんの?それとトイレとか風呂とか洗面臺とかさ。」
ここで長い時間暮らしていく上では、人間として重要な設備について、聡は聞く。
「勿論。長く生きていると、んなが手にるもんだ。サトシ1人分とは言わず、數百人分が揃っておるぞ?」
「【アイテムボックス】って、ほんと何でもありだな。もう、の青い、貓型のロボット並の便利さだぞ?」
圧倒的な能に、聡は諦めた笑みを浮かべ、呟く。
「はて?何の話だ?」
聡の言わんとするところが、勿論分かる訳もないトイフェルは首を傾げる。
「いや、こっちの話。しかしまだ夜の9時か。寢るにはまだ早いし、軽くこの世界について常識を教えてもらえるかな?」
通じない自のジョークをバッサリと切り捨て言う。どうやら、今夜はオリエンテーションを行ってもらうつもりのようだ。
「そうか。分かった。…さて、何から教えたものか。」
トイフェルは悩む。
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「…確かに、いきなり常識教えてくれって言われても、そりゃあ戸うわな。」
「しかしまぁ、何もしない訳にもいかないしな。…どんな事が知りたい?」
トイフェルは自分で考えるのを止め、聡に話題を決定させる気のようだ。
「う〜んと、じゃあ、この世界の宗教から頼むわ。生活していく上では、基本かつ必須の知識だろ?」
トイフェルの丸投げに、聡は頭を悩ませながらも、無難な容を提案する。
「ふむ、それもそうだな。じゃあ今夜は軽く、この世界の宗教をテーマに、知識を深めていこうか。」
トイフェルも他に思い付かないので、聡の言うように宗教について、説明してくれるようだ。
「よろしくお願いします、先生。」
聡はおちゃらけたじで、のほほんと聞く勢にる。
「うむ。まずこの世界では、大きく分けてアインス教とフィーレ教という2つの宗教がある。この中でも何々派とか細かいのがあるが、取り敢えずは2つと覚えておけば良いだろう。」
「了解。まぁ解釈の問題に対して、一々詳しくやってたら、いつまで経っても終わんないからな。」
聡は無宗教者であり、特に容について理解しようとは思っていないので、トイフェルの意見に賛する。
「そうだな。次に2つの宗教の違いだが、一言で言えば、一神教か多神教かという事だな。アインス教が一神教で、フィーレ教が多神教だ。」
「アインスが一神教で、フィーレが多神教ね。…こう言っちゃなんだけど、一神教って一部過激なイメージあるんだけど、そこんとこどうなん?」
トイフェルの言葉を反芻しながら、聡は苦笑いで聞く。某テロ起こしまくり集団を頭に浮かべているのだろう。
そんな聡の質問に、トイフェルも苦笑いで答える。
「あ〜、まぁ、アインス教には過激派が存在するな。信者の1割にも満たない數だがな。他9割は皆敬虔な信徒だから、あまり偏見の目で見てやるなよ?」
トイフェルの言葉に、『あ、どこの世界でも似たようなものか』とどこか納得し、安心する聡。どうやら、同じ思考をする人間である事が判明し、心の奧底に燻っていた、知らない世界に対する不安が消えたようだ。
「おうさ。」
「まぁサトシなら、そんな事は無いだろうがな。よし、では次は2大宗教について、し掘り下げて説明しよう。まず一神教であるアインス教では、創造神シャッフェンを信仰している。」
聡は、『ふむ』と頷きながら呟く。
「シャッフェンが、混沌から世界を云々ってじ?」
「纏め過ぎだろ…。まぁ、確かにそんなじだがな。」
「んで、タブーとかあるん?」
聡にとっては、教義よりもそちらの方がよっぽど大切なので、サクサクと質問する。
「まぁあるな。1つ目に、シャッフェン以外を神と崇める事。2つ目に、暴飲暴食を行う事。3つ目に、無闇矢鱈とを流す事。最後に4つ目で、己のを抑えない事だな。」
「…まぁ、大型通りの容だな。じゃ、次にフィーレ教について教えてくれるか?」
そんなに説明していないのに、次に移ろうとしている聡に、トイフェルは呆れた表で問う。
「アインス教はもう良いのか。」
「まぁ、この後時間はたっぷりあるしな。」
「それもそうか。フィーレ教は、まずこの世界にある魔法の屬の、火、水、土、風、雷、、闇の7つに、1柱創造神というのを加えて、全8柱の神々を崇拝している。そして萬には、それぞれの神々の下僕たる、霊が宿っていると考えているな。」
一息で長ゼリフを言い終えるトイフェル。
「ほほぅ。こりゃまたベタなファンタジー系の宗教だな。まぁ萬に何かが宿っているって考え方は、俺の故郷と通ずるところがあるけどな。」
八百萬な考え方が、日本人である聡には合うのか、フィーレ教に何処と無く親近を覚えたようだ。
「そうなのか?ならここを出たら、フィーレ教を信仰している國に行くと良いだろう。何せ信徒たちは、おおらかな格をしている傾向があるらしいから、溶け込みやすいだろう。」
「そりゃあ良い事聞いたな。參考にしてみるわ。」
「あぁ、是非そうしてくれ。で、タブーについてだが、まぁこちらも似たようなもので、特に明言する様なことは無いな。強いて言うならば、魔法について悪く言うと、居心地が悪くなるという點だな。使えればそれだけで優遇されるのが、フィーレ教の特徴だからな。」
「まさか。俺が魔法悪く言うなんて、そりゃ無いだろう。魔法が使えない世界に居た俺にとっては、魔法は夢みたいな存在だから、軽視する発言はしないと思うぞ?」
真顔で力説する聡。
ファンタジー世界に憧れる人も、そうでない人であっても、魔法が使えるとなれば、多は興するだろう。憧れる側の人間であった聡には、魔法を馬鹿にするなど有り得ない事であった。
「そ、そうか。さ、さて、そろそろ夜も更けてくるし、寢るとするか。」
言い知れぬ圧力に、トイフェルは顔を引き攣らせながら、魔法から話題を遠ざけさせようとするのだった。
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【第二章開始!】 ※タイトル変更しました。舊タイトル「真の聖女らしい義妹をいじめたという罪で婚約破棄されて辺境の地に追放された騎士好き聖女は、憧れだった騎士団の寮で働けて今日も幸せ。」 私ではなく、義理の妹が真の聖女であるらしい。 そんな妹をいじめたとして、私は王子に婚約破棄され、魔物が猛威を振るう辺境の地を守る第一騎士団の寮で働くことになった。 ……なんて素晴らしいのかしら! 今まで誰にも言えなかったのだけど、実は私、男らしく鍛えられた騎士が大好きなの! 王子はひょろひょろで全然魅力的じゃなかったし、継母にも虐げられているし、この地に未練はまったくない! 喜んで行きます、辺境の地!第一騎士団の寮! 今日もご飯が美味しいし、騎士様は優しくて格好よくて素敵だし、私は幸せ。 だけど不思議。私が來てから、魔物が大人しくなったらしい。 それに私が作った料理を食べたら皆元気になるみたい。 ……復讐ですか?必要ありませんよ。 だって私は今とっても幸せなのだから! 騎士が大好きなのに騎士団長からの好意になかなか気づかない幸せなのほほん聖女と、勘違いしながらも一途にヒロインを想う騎士団長のラブコメ。 ※設定ゆるめ。軽い気持ちでお読みください。 ※ヒロインは騎士が好きすぎて興奮しすぎたりちょっと変態ちっくなところがあります。苦手な方はご注意ください!あたたかい目で見守ってくれると嬉しいです。 ◆5/6日間総合、5/9~12週間総合、6/1~4月間ジャンル別1位になれました!ありがとうございます!(*´˘`*) ◆皆様の応援のおかげで書籍化・コミカライズが決定しました!本當にありがとうございます!
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