《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第19話 鬼よm…ナンデモナイデス
 揶揄われているマリウス見て、聡はニヤニヤ、イルマは恥ずかしそうな表で眺めていた。…マリウスは顔を赤くして、ナイスガイな雰囲気は、完全に消えている。
 そんなほのぼのとした雰囲気は、エマの一言によって崩壊する事となる。
「で、さっきは何を騒いでいたの?」
 ニコニコと曇りない笑顔で告げられた言葉に、マリウスとイルマが『ピシリ』と音が聞こえるような勢いで、きを止めてしまう。
「あ〜、いや〜、別に大した事は無いですよ?客人が珍しいというお話を伺っていただけですので。はい。マリウスさん、特に何も無いですよね?」
 言い知れぬ圧をじ、言葉數が多くなる聡。どうやら彼は、張すると口數に出る質であるようだ。
 そしていきなりふられたマリウスは、冷や汗をかきながら口を開く。
「お、おう。そうだな!うん!何もないよ!なぁ、イルマ!」
「うん!何にもないよ!だってサトシさんは、大事なお客様だから!」
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 だが話を振ったのは失敗だったようで、何かを恐るような表で、『問い詰めて下さい』と言っているかのような、そんな素振りを見せる2人。
「…焦り過ぎでは?」
 そんな彼らの様子を見て、何かがヤバいとじた聡は、後退りをして村の出口に近付く。が、直ぐにそれは阻まれてしまう。
「サトシ君?何処に行くの?」
「はい!?な、何の事でしょう?」
 何時の間にかエマにガッシリと左肩を摑まれ、きが取れない聡。今の彼は、人男の約2倍程の力でこうとしているのにも関わらずだ。
 エマは笑顔のままだ。だが聡には見える。彼の背後に、スタ○ドの如く居る鬼面を被った化けの姿が。
「さぁ、サトシ君?何があったのか、正直に話してもらえるよね?」
「は、はい。」
 幾らステータスが生の限界を超えてても、勝てないものはあるとヒシヒシじる聡。ここで聡の脳裏には、3つの選択肢が浮かんでくる。
1、大人しくぶっちゃけて、解放される
2、噓ついて酷い目にあう
3、1人生贄を捧げる (責任を押し付ける)
 碌な選択肢が浮かばない事に、聡は心頭を抱えるが、それでもこれが限界なのだ。
 1を選べばほぼ間違い無く聡は解放、寧ろ丁重に扱われるだろうが、これではイルマが、ついでにマリウスも哀れである。
 2では、何故被害者である自分が酷い目にあうのかは分からないが、兎も角そんな義理は無いので當然卻下である。
 そして最終的に3が殘るのだが、この場合可いの子のイルマに責任を押し付けるのは、聡には有り得ない選択となる為、結論として―
「かくかくしかじか、という事で、全部マリウスさんが悪いです。因みに矢は、恐らくあのまま立っていても、私からかなり離れた位置を通り過ぎていたと思います。」
―マリウスを売る事になった。
「な、何ぃ!?う、噓だろ!?」
「あ〜な〜た〜?」
 真っ青を通り越し、紙のように真っ白な顔になるマリウス。『てへぺろっ』と、合掌する聡。イルマは呆気にとられている。
「さ、サトシ!実はお前、最初の時俺が々と見破ったの、に持ってるだろ!?」
「さぁ?何の事でしょう?あ、エマさん。私はあまり、というか全然気にしていないので、他の人に迷をかけないようにという1點のみで、お説教をお願いします。それにマリウスさんには、先程から々と便宜を図っていただいてますので。」
 涙目で悲鳴を上げるマリウスを見て、流石に可哀想になった聡は、軽く助け舟を出してやる。
「そうかい?被害者がそう言うんじゃ、仕方無いね。今回は軽めにしておいてあげるわ。」
 『はぁ』と溜息をついて、エマは減刑を約束する。そんな聡とエマのやり取りに、ホッとした表のマリウス。本気で怒ったエマが、どれだけ恐ろしいのか興味は盡きないが、藪蛇になっても困るので、その辺はオールスルーする聡。
「さて、マリウスさんのお説教が終わるまで、どうしますかね?」
 マリウスが村の端までドナドナされていくのを橫目に、聡は呟く。マリウスは実に悲しそうな目でこちらを見ていたが、これ以上聡にはどうしようも無いので、彼の事は綺麗さっぱり忘れる事にしたようだ。
「そ、それなら、私が村を案しようか?さっきお父さんと滯在がどうとかって話が聞こえたから、サトシさんは、この村に暫く居るんだよね?」
 嵐が去った事に安堵し、気が抜けたのか、年相応の口調になったイルマ。
 そんなイルマの言葉に、聡は戸いながらも、大人しく案をける事にする。
「え、あ、はい。様子見も含めて、し滯在しようかと思ってます。ですので、そのおいは嬉しいです。よろしくお願いします。」
 14歳のに、敬語を使って堅苦しく話す321歳の自稱旅人の男。全事を知る者から見るとそれは、実に奇妙な組み合わせだったであろう。
「うん、分かった!じゃあ、最初は―」
 パァーっと明るい笑顔を浮かべて、案する順序を決めるイルマ。滅多に來ない他所の人に、村の自慢出來る場所を紹介したいのだろうか。そんなイルマに、聡は穏やかな表で著いていくのだった。
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