《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第53話 冒険じゃ〜!!

「お、サトシ!無事だったか!」

 応接室から帰ってきた聡を発見して、ルドルフは嬉しそうな聲をあげる。

 その瞬間、ギルドの空気が一瞬凍るが、次の瞬間には元通りの喧騒へと戻る。

「?…えぇ、何とか。々と神的に傷を負いましたが…。」

 その異様な景に戸うも、取り敢えずルドルフとの會話を選択する聡。

「お、おう…。元気出せって!というかルドガーの野郎、サトシに何聞いたんだ?後で文句を言っといてやろうか?」

 心配そうな視線を聡に向けるルドルフ。その顔を見て、聡は気になっていた事を聞いてみる。

「そういえば、ルドガーさんってルドルフさんによく似てますけど、縁関係があったりするんですか?」

 「ん?よく分かったな。ルドガーは俺の兄貴だ。昔はAランク冒険者で、バリバリ活躍してたんだぜ?」

「へ〜、そうなんですか。凄いですね。」

「あぁ、兄貴は滅茶苦茶強いぜ?…サトシには負けるかもしれんが。」

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 ぼそっと、人には絶対に言えない事を呟くルドルフ。

「すみません。最後がちょっと聞き取れなかったんですが。」

「いや、何でもない。それよりも、早く依頼をけて來いよ。」

 それを誤魔化しながら、ルドルフは話題を変える。

「あぁ!そうだった!すっかり忘れてました!」

 聡はルドルフの言葉に、ギルドに來た本來の目的を思い出し、慌てて依頼書を手にエーリカの元へと向かう。

「エーリカさん、これをお願いします。」

「うん、分かったわ。…じゃあこれが必要な道になるから、忘れないで持って行ってね。」

「はい、ありがとうございます。」

「じゃあ気を付けてね。もし危なそうなら、直ぐに帰ってきてね?違約金とかなら、私も支払いに協力するからね?」

 コソコソと聡の耳に口を寄せて、そんな事を言ってくるエーリカ。

 吐息がくすぐったくて、変な聲が出そうになるが、聡は必死に耐えて頷く。

「えぇ、分かりました。」

「行ってらっしゃい!」

 何とも甘々なエーリカの態度に、初めてのお使いでお母さんに見送りされる子供を思い浮かべてしまい、苦笑しながら道け取って、ルドルフの元へと戻る。

「…お前ら、本當に好き合って無いのか?」

「は、はい。別に、そんなんじゃ無いと思いますけど…。」

「まぁ、疑わしいが、追求はしないでやろう。あんまりサトシをいじめると、エーリカに殺されそうだしな。ハハハハ。」

「何が面白いのかは知りませんが、取り敢えず行ってきます。」

 生暖かい目を向けられて、何となく居心地が悪くなってきた聡は、さっさと小鬼の森へと向かう事に決める。

「気を付けて行ってこいよ〜!」

 そんな聡の背中に、ルドルフからの聲援が屆いたので、くるりと振り返って聡は元気に言う。

「行ってきます!」

「さてと。ここが小鬼の森か…。」

 ベルクフリートから出発して40分後、聡は鬱蒼と木々が生い茂った森の真ん前で、採取の準備をしていた。

 今回の採取の対象となる、ルング草は、引き抜くと強烈な匂いを発して、周囲のゴブリンを呼び寄せる質がある。

 そのため、閉できる90リットルくらいの革袋と、れた手に匂いが付かないようにする為の革手袋、そして更にそれらを纏めて匂いが出ないように、閉できる大きな120リットルぐらいの革袋の、計3種類が道として支給されていた。

「よし、行くか。」

 腰に剣を差し、準備が完了した聡は、『気配遮斷』と『魔力遮斷』を発させてから、森の中へと1歩、足を踏みれる。

 すると、聡の『気配察知』に、大量の生の存在が引っかかる。

ーうわぁ…。こんなに居るのかよ!ゴブリンって、マジで害悪だろ!さっさとルング草集めて帰ろっと!ー

 ちょっと汚い話になり、お食事中の方が居たら、大変に申し訳ないが、ゴブリンはメスでさえあれば、種族問わず興して襲いかかってくるという、ヤバい魔である。そのため、その巣にはかなりな高確率で、他種族のメスが連れ込まれており、異世界糞ランキングでも上位にくい込む程の、酷い狀態も多々あるという。

 ー…これは?ー

 茂みのに、何やら布切れが落ちているのを発見した聡。そして、その布切れの形狀は…。

ークソが…!まだ新しいじゃねぇか!ー

 の下著っぽいを発見し、沸々と湧き上がってくるやるせない怒り。ると、下の地面がっている土なのにも関わらず、汚れがあまり付いていないことから、落としてからそうは時間が経ってないと判斷した聡。

「あ〜!!もう!!やめだやめだ!!…最短で、探し出す!!」

 こんな卑劣な奴らに対して、コソコソしてるのが我慢出來なくなった聡は、『気配遮斷』と『魔力遮斷』を解除して、まだが無事かもしれないという、一抹のみにかけて、一気に森の中心の方へと駆け出す。

「「ギギャア!!」」

「邪魔だぁ!!」

 途中、聡を発見して、飛び掛ってくる、緑をした、全長100センチくらいのゴブリンが數匹居たが、暴走機関車の如く進み続ける聡は止められず、ただ腕の一振だけで彼方遠くへと吹き飛んでいく。

「そ、そこだぁ!!」

「グギャァァァァア!?」

 下著を発見してから約15秒後、聡はようやく巣の中心部へと辿り著き、そこで、長が2メートルは超えそうな、どでかいゴブリンが、半の金髪のにのしかかって、今にも行為に及びそうになってるのを発見する。

 そのため、慌てて聡はどでかいゴブリンに飛び膝蹴りをくらわせて、數メートル吹っ飛ばして、に近寄る。

「おい!大丈夫ですか!?」

 だが、は聡を見て怯えてしまい、話す事が出來そうにもない狀態だった。

「ひ、ひいっ!」

「ちぃっ!」

 舌打ちした聡は、震えるを、無理矢理抱きかかえると、そこから大きく飛び退く。

 すると次の瞬間、どでかいゴブリンが、先程まで聡達が居た所に、降り立ったのだ。

「グガァァァァァア!!」

 『お楽しみ』を邪魔され、完全にブチ切れたどでかいゴブリンは、咆哮をあげる。

 すると、周囲から大量のゴブリンが湧いて出てくるのだった。

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