《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第67話 作ってて良かったです

「あの一族、滅んじゃったんですか?」

 トイフェルから聞いた話だと、アイテムボックスは、ラウム家という筋の者が、一子相伝で作製を擔っていたのだ。その一族は贅沢の限りを盡くし、時には國王にも匹敵するほどの影響力を誇っていたそうだ。

「本來は王都に居るのに、運悪く避暑に出てる時に、スタンピードに巻き込まれて、その當時の當主と、長男が纏めて亡くなったの。」

「うわ〜、なるほど。という事は、これはあんまり人に見せない方が良いな。」

 腕に目をやりながら、聡は呟く。

「それがアイテムボックスなの?」

「そうだよ。まぁ、周りから怪しまれないように、使えば良いか。」

 この腕型のアイテムボックスは、に付けている者が、強く念じる事で、れ出しが出來る。その範囲は、半徑10メートルである。その為、鞄や懐にれるフリをするだけで、簡単にしまう事が出來る。

 エーリカからミートパイをけ取った聡は、懐にしまうフリをして、アイテムボックスにれる。

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「ところで、半分食べられる?」

 半分にしようとするが、ふとその手を止め、エーリカの食べられる量が良く分からなかったので、聞いてみる。

「そのままで良いわ。サトシが持ってるところから食べてくから。」

「…分けた方が、食いやすいんじゃないかなと。」

「そのままで良いわ。」

 ちょっと強い口調で、同じ言葉を繰り返すエーリカ。

「さいですか…。エーリカが良いなら、俺も文句は無いけど。」

 間接キ…とまで考えて、それ以上は意識してしまいそうなので、思考に一旦ストップをかける聡。

 別に嫌では無いので、そこまで強く拒否する必要も無いと、もう諦める。あんまり的になっても、『何コイツ?意識し過ぎでキモッ!』とでも思われそうで、嫌なのだ。考えただけでも心が折れそうである。

「うん、じゃあ次のお店に行こう。」

 2人の距離が、段々と近くなってくが、考え過ぎないように、何も気にしない事にしている聡は、その事には気付かないで、歩き始めるのであった。

「おうおう、そこのクソガキ。ちょっと止まれや。」

 大通りからし裏道にったところで、そんな聲が、周囲に響き渡る。

「お、エーリカ。あそこの店、良さそうじゃない?」

「そ、そうね。」

 聡は、ガン無視をきめながら、エーリカの肩を抱き寄せて、仲睦まじく歩いて行く。

「コラコラコラ!無視してんじゃねぇぞ!」

 聡に無視された、恰幅の良い悪人面のオッサンが、行く手を塞ぎながら言う。

「デブリ様の言葉を無視するとは、いい度だ!」

「ガキのくせして、耳が遠いんか?ま、これかは、そんな事も気にならないくらいに、痛め付けてやるがな!」

 どこから湧いて出て來たのか、似た顔立ちの痩せぎすの中年男が、2人聡達の背後に回り込んでくる。

「チッ!人の事をガキ扱いかよ。」

 どう見積っても、男たちの10倍近くは生きている聡に対し、そんな扱いをするなど、事を知る者が見れば、大笑間違い無しである。勿論、誰も知らないのだが。

「あ?何か言ったか?俺様の話を無視する割には、一丁前に言いたい事があんのかよ?」

「俺がテメェの話に付き合う義務も義理も無いね。邪魔だから失せろ。相手にするだけ時間の無駄。」

 デブリと呼ばれた男の言葉を、真正面からバッサリ斬り捨てる聡。

「何だとコラ!」

「そんな口がきける立場かっつーの!」

 先程から取り巻き達が非常に五月蝿い。

「まぁ、落ち著けやお前ら。コイツは、そっちのの前だからって、なけなしの勇気振り絞って、虛勢を張ってるだけなんだ。あんまりめたら、可哀想だろ?」

「ギャハハハハ!違いないですね、兄貴!」

「なっさけね〜!」

 勝手に決め付け、勝手に笑しているアホ3人組。どこぞの小學6年生3人組に、事件現場を自由にうろちょろされた方が、圧倒的にマシな下らなさである。マシというか、比べるのも烏滸がましい差ではあるが。

「エーリカ。ちょっと耳を塞いでくれない?」

「え?良いけど…。」

 エーリカが耳を塞いだのを確認し、聡が頷いていると、男たちから下衆な聲があがる。

「お?何だ?命乞いか?」

「うわ、ホントにけない奴だな!」

「玉はちゃんと付いてんのか〜?」

 アホ3人組が、何が目的なのかは分からないが、取り敢えずの処遇を決定した・・・・聡は、口汚く罵る事にする。

「ピーチクパーチクうるせぇな。口を閉じろよ。それと、息してるだけでも、社會にとって迷だから、止めてくれないか?」

 暗に死ねと言う聡。

 まぁ、ほぼほぼストレートに言ってるのと同義なので、沸點の低いアホ3人組は、即座に反応を示す。

「んだとコラ!」

「やんのかオラ!」

「面白ぇ事言うじゃねぇか!有り金とそのエルフを差し出しゃあ、し痛い目みるだけで済んだってのに、態々死にたいのか?」

「時間の無駄。しばらく、寢てろ!」

 ギャーギャー五月蝿いアホ3人組に、眉を寄せる聡は、腰に裝備しているホルスターから、銃を抜くと、正確に脳天に狙いをつけて、間を開けずに3連する。

『パンッ!』と小気味よい音が、3連続で路地裏に響き渡る。

 唐突な音に驚いて、目を閉じてしまったエーリカが、恐る恐る目を開くと、アホ3人組がすっかりのびて、地面に橫たわっている姿が目にるのであった。

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