《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第75話 何だか嬉しいです
 翌朝、何故だか痛む頭を押さえながら、ベッドからズルズルと起きてくる聡。
「あ"〜、疲れが全然取れてない…。」
 質問攻めや、心配する聲等々、有難い限りではあったが、何度も同じ説明を繰り返した為、すっかり夜遅くなってしまった上に、気疲れてしまったのだ。
昨日のように、態々ティアナに起こしてもらうのも悪いので、若干の気だるさは無理矢理振り払い、食堂へと重い足を運ぶ。
「あ、おはよう、お兄ちゃん!」
「おはよう、ティアナちゃん。ルドルフさんは、まだ來てないの?」
「うん、今朝はまだだよ。」
「まさか二日酔いかな?」
 昨日飲んだ酒は、ビールようなだったが、それが約72リットル位の樽にっており、その半分の時點でルドルフは酔い潰れた。単純計算で、約18リットル飲み干したようだが、通常の人間であるルドルフが、無事に生きているかが、不安なところである。
「あ、ルドルフさんが來たよ!」
「お、生きてました、ルドルフさん。」
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 ティアナの聲に、聡が階段の方を見ると、青白い顔でフラフラと、覚束無い足取りで降りてくるルドルフが目にった。
「ひ、人を勝手に殺すなよ…。」
 どうやら、生きてはいたが、二日酔いは避けられなかったようだ。そのままフラフラと歩くと、1番近くにあった席に、突っ伏しながら座る。
「ルドルフさんって、あんまり強くないんですか?俺の知り合いには、樽でごくごく一気飲みする方々が居ますよ?」
「何だその化けは…。普通は死ぬぞ?というか、それを普通と思ってるサトシに、勝負を挑んだ俺が馬鹿だったんだ…。」
 驚愕の表を浮かべるルドルフ。そして、そんな聡に勝負を挑んだ事を深く後悔する。
「おや、ルドルフ。あんた大丈夫かい?」
「大丈夫じゃないぜ…。何か、軽く食べられを頼む…。」
「あ、じゃあ自分には、普通に朝食をお願いします。」
「「化けか(ですか)…。」」
 青白い顔のルドルフとは対象的に、実は樽に殘った分も全て飲み干した聡は、健康的な笑顔を浮かべながら、アデリナに朝食を頼む。
 すると、2人からは、とんでもないを見るかの様な目を向けられるのだった。
 昨晩の支払いの全額を告げられたルドルフは、更に顔を悪くしながら軽食を食べていたが、対面に座る聡は、本日も味しく完食してから、冒険者ギルドへと足を運んだ。
 中にると、若干注目を浴びるが、すぐさま目を逸らされる。初日での一件が、抑止力になってるのだろう。
 奧を見ると、付にすました顔のエーリカを見付けたので、迷わずに向かう。
「おはよう、エーリカ。」
「あ、サトシ!おはよう。昨日はありがとね。」
 聡が聲をかけると、輝かしい笑顔で返してくれるエーリカ。その元には、聡が昨日贈ったネックレスが揺れていた。
 それが嬉しいが、しこそばゆく思った聡は、誤魔化す様に笑いながら、要件を伝える。
「例の件で達出來なかった、ルング草の納品依頼について、ちょっと聞きたいんだけど。」
「あ、それなら、よい…しょっと。はい、これがギルドで預かってたルング草よ。」
 カウンターの下から、ルング草がパンパンに詰まった袋を、エーリカが引っ張り上げて上に置く。
「期限は5日だよね?なら、普通に依頼達って事で良いのかな?」
「えぇ、勿論よ。じゃあ、ギルドカードを出してね。」
「分かった。」
 聡は頷きながら、カウンターにカードを提示する。
「じゃあ、カードの更新をやってくるから、ちょっと待っててね。」
「あぁ、わかった。…更新?」
 つい一昨日、登録したばかりなのに、何故更新が必要なのかと、首を捻る聡。しかし、エーリカは既にカウンターの奧の扉へと消えた後だった。
-う〜ん。時間かかるのかね?かかるなら、依頼に目を通したいんだが。-
 ふと辺りを見回すと、朝の混雑の時間を抜け出したのか、ギルド部もし閑散としてきていた。
-ふむ。この人の量なら、俺を簡単に見付けられるだろうし、し依頼ボードを見とくか。-
 実験の片手間に出來そうで、かつ人目に付きにくい場所での依頼を求めて、聡はボードにられた依頼書に目を通していく。
-う〜ん…。薬草採取は、ちょっと懲り懲りだしな〜。何か良いのは無いかね?…『ティフの森調査依頼』?確か、結構深い森だったよな?薄暗いし、あまり良い素材も無いから、人が行かないって聞いたような。-
 最初にルドルフと仲良くなった時に、報を教えてもらったのだが、ロクな魔も居ない上に、薬草も何も無く、深く暗く、行くだけ無駄という森である。
-なになに?『夜に森の近くを通りがかった時、唸り聲と共に、目を爛々と赤く輝かせた、四足歩行の何かが飛び掛って來た。持っていた松明を向けたら、直ぐに逃げ出したので、姿は確認出來なかった為、冒険者に調査を依頼したい。期限は本日から3日以。』か。これなら大丈夫かな?どうせ、飢えた野生とかだろ。-
 高を括って、聡は依頼書をひっぺがし、カウンターへと向かう。
 こうして聡は、お気楽な考えのまま、思わぬ事態へと巻き込まれる事も知らずに、エーリカを待つのだった。
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