《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第77話 目が點になりました

「さ〜て、行くとするか!」

 街を出た聡は、軽快な足取りでティフの森へと向かう。

「…今更ながらに凄い景観だよな。」

 街の端から端が、視界に完全に目にる地點で、くるりと後ろを振り返って呟く。

 思わず、スマホでパシャリと寫真を撮ってしまったくらいだ。

「…これ見せたら、海外に居るって、余裕で騙されんじゃないか?なんなら、異世界って言っても信じてもらえそうだな。」

 寫真を拡大したり、遠目に眺めたりしながら歩く。

「投稿してみるか?」

 寫真と文章を投稿出來る、SNSアプリ、『モーメント』を立ち上げて、試しにあげてみる事にする。

「えっと…『異世界なう‪w』っと。趣味アカだし、まさか俺とはバレないよな?」

 以前作っておいた、趣味アカで投稿する。今までに、一度も投稿してないので、友人達はおろか、両親や妹にもバレないはずである。

「よし、軽くジョギングといくか。」

 イヤホン付けて、曲を流す聡。ティフの森までは、常人の足で歩いて半日くらいらしいので、聡の腳力ならすぐだろうが、暇には違いないので、そんな時に曲はもってこいであった。

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 こうして聡は、自の人生をまた大きく変える事をしでかしたとも知らずに、軽く走り始めた。

 軽く走り始めてから約30分後、報通りの見た目の森に辿り著いた聡は、る手前で足を止める。

「うわぁ…。ここがティフの森か。鬱蒼と木々が生い茂ってて、中がマジで暗いやん。」

 報では、足下が良く見えない程、日が屆かないとあったが、今までに見た事が無いほどである。不気味な雰囲気まで漂ってくる。

「おいおい…。まさかこの依頼、心霊系じゃ無いよな?」

 顔を引き攣らせる聡。別に特段苦手という訳でも無いが、モノホンの幽霊でも見たなら、慌てすぎて魔法でも放ってしまわないか、不安なところである。

「さ、さて、る前に、この森の寫真でも投稿してみる…か!?」

 モーメントを開き、聡はそのまま固まる。

「つ、通知がやばい事に!?え、何これ!?…ま、まさか、さっきの投稿が原因か!?」

 大慌てで確認する。すると、お気にり數が10萬超、共有數が3萬超の大バズりである。しかも、コメントも500件は超えていた。

「人生初バスりがこれか…。というか、何でこんなに?」

 不思議に思い、コメントを読む。

「えっと、『世界中を旅したけど、どこか全然分からない』、『CG?合?』、『どでかい塔の建築方法が分からない…』か。凄い反響だな。ダイレクトメッセージの方にも、質問がめっちゃ來とるやん。」

 し胃の痛みをじながら、聡は返信をしていく。が、その手がストップする。

「って、全部返しきれる訳無いだろ!?えっと、『コメントと返信が多過ぎるので、一定程度で止めます。すみません。』と。こんなじで良いか。」

 慌ただしく指をかしながら、文字を打つ。全部に返してたら、日が暮れるどころか、次の日になっても終わりゃあしないだろう。

「さ、さて、寫真投稿の第2弾をしてから、森にるか。」

 森の外見の寫真を撮り、『異世界の森の調査開始』と題打って投稿する。

 そして、スマホを閉じて、ポケットにしっかりとれてから森に目を向ける。

「蟲とかいそうでやだな…。」

  聡は現代っ子の都會っ子。蟲はそんなに好きじゃない。もしも蟲系の魔が登場したら、周囲の被害を考えずに、即座に消滅させる自信がある。

「さて、【魔法創造マジッククリエイト、蟲コ○ーズ】!」

 各方面から怒られそうな魔法名をぶと共に、聡はそれなりの魔力を込めて魔法行使する。

 すると、聡のの周りに、白いが漂い、それも數秒で収まる。

「よし、なくとも、これで小蟲の類は防げるはずだ。」

 一安心した聡は、森へと足を1歩踏みれる。

「お、案外見通しがきくな。これなら安心して奧に行けるな。」

 普通の人の能力では、全然良く見えない筈なのに、普通の人じゃない聡は、ズンズンと進んでいく。

「う〜ん。良く見ると、植生が日本とは違うよな…。これ、またモーメントにとんでもないのを投稿したんじゃ?」

 小鬼の森では余裕が無くてよく見なかったが、ティフの森では、変な形の葉っぱや、木の実などを発見して、し冷や汗をかく聡。

-そういえば、さっきのコメントの中に、畫がしいってやつがあったな。撮ってみるか?-

 ふと考え付き、聡は畫を回してみる。

-森の中だと、暗い上に変わり映えしないな…。べつのところでやるか。-

 畫面を覗き込み、何も分からない狀態なのを見て、聡は録畫を止める。そして仕舞い直してから、再び歩き始める。

「整備されてない森の中なんて、探索した事ないから、結構楽しいな。それに、空気が良いわ。」

 歩いて10分ほど経過し、軽くびをしていると、『ガサッ』と茂みが揺れる。

「!」

 緩んでた気を引き締めて、聡は腰を落としながら構える。幾らダメージが無いとはいえ、弱い魔であっても、蟲系とかのキモイやつに取り付かれるのはゴメンである。避けるし、何なら見掛けたら消し飛ばす。

 聡は、ジッと茂みを見つめながら、その視線の先に居るであろう気配を探るのだった。

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