ヴィリーの指摘により、慌ててフラウの格好をどうにかしようと、聡はアイテムボックスから大量の服を取り出して、彼に押し付けてから、外からは見えないように、木で試著室ぐらいの大きさのボックスを作り、そこで著替えてもらう。

｢お待たせしました。｣

 著替えてきたフラウは、聡が適當に渡した服の數々から、黒のシャツと、白のプリーツスカートを選んだようだ。

 全の汚れは、聡が手渡した魔道マジックアイテムの、通稱キレイ○レイ2號により、綺麗さっぱりにしてもらった。

｢…。｣

 その為か、どこぞの　お姫様･･･のように見えてしまい、ついつい聡は言葉を失ってしまう。

｢えっと、どこかおかしかったですか？｣

｢い、いや、なりを整えてもらったら、だいぶ見違えたなと、思いまして。まぁ、これなら街でも怪しまれないでしょう。｣

｢そ、そうですか。ありがとうございます。｣

｢…これだと、別の問題も起こりそうですが。｣

 ボソッと呟く聡。別の問題とは、勿論、野郎共に絡まれないかという事である。

｢何かおっしゃいましたか？｣

｢いえ、何でもありません。さて、準備をも整ったところで、早く街にりましょう。混む前に、冒険者ギルドに顔を出したいので。｣

 聡は誤魔化すように、この後の予定について言う。

｢冒険者ギルドですか？｣

｢はい、冒険者ギルドです。実は、あの森には、依頼をけて行ったんですよ。なので、その報告をしないといけないんです。｣

｢…報告、ですか。｣

 微妙な表のフラウに、聡は真っ直ぐ視線を向けて、しっかりと言葉を紡ぐ。誠意を伝えようと、表はここ最近で一番真面目だ。

｢安心して下さい。フラウさんには、一切の危害が及ばない事をお約束します。まぁ、會ったばかりの私は、信用出來ないとは思いますが。｣

 一方で、し場の空気を軽くしようと、方目を瞑りながら、冗談めかしてフラウの気持ちを代弁する。

 だが、その言葉を真面目にけ取ったフラウは、首をブンブンと橫に振って否定する。

｢い、いえ、そのような事は座いません。しかし、貴方以外の人族は、し…。｣

｢まぁ、避けては通れない道ですし、なら問題がややこしくならないに、さっさとこの街を安住の地にした方が良いと思うので。｣

｢それは…そうですね。では、お願いしてもよろしいでしょうか？｣

｢Yes,my rady. では、行きましょうか。｣

 茶目っ気たっぷりに、巫山戯て仰々しい態度でに手を當て、一禮する聡。

 聡の唐突な行に、フラウは目を真ん丸にするが、直ぐにしだが笑みを浮かべて言う。

｢はい。｣

 街の中にり、暫く歩いていると、周囲からフラウに、熱い視線が送られているのに、聡は気付く。

｢ふーむ。やっぱり視線が多いな。｣

｢そ、そうなのですか？確かに先程から、こちらに向けられる視線をじてはいましたが。｣

 聡の言葉に、不安そうにキョロキョロ辺りを見回すフラウ。

｢あ、別に正がバレたとか、そういう事では無いですよ？｣

 ちょっと過剰気味に反応しているフラウに、苦笑しながら言う。聡のいに乗って、街に來たのだから、元いた場所には帰れない理由があるのだろう。だから、暫くこの街で過ごすのだから、この視線には慣れないといけない。

｢で、では、何故注目を集めているのでしょうか？｣

｢自覚無いんですか？フラウさんが、可らしいから、野郎共から熱い視線を送られてるのですよ。まぁ、隣に俺が居るので、冒険者なら手を出しては來ないと思いますが。｣

 若干口調を崩しながら言う。事実とはいえ、に『可い』だとか、そういう事を言うのは気恥ずかしく、ついそんな口調になってしまったのだ。

｢えぇ!?わ、私が可らしい!?な、な、な、何を仰ってるのですか!?｣

 事実を述べたつもりが、當の本人であるフラウは、顔を赤くしながら、全力で否定をする。

｢鏡を見た事無いんですか？…鏡に映らないとは、聞いた事ありませんが？｣

 地球での吸鬼のように、鏡に映らないなんて事は無い筈だが、300年間の間に質が変わったのだろうか？

 聡は首を傾げる。

｢え、勿論鏡は見た事ありますが、私が可いなどとは、微塵もじた事ありません。｣

｢ま、マジで言ってますか？｣

 改めてフラウをマジマジと見つめる聡。太でキラキラと輝く、長い銀髪と金の瞳、綺麗に整った顔立ち。

-うん、可いよな？どこからどう見ても。絶世のの一歩手前ってじだが、今の狀態でも充分に魅力的だよな？將來は傾國のも顔負けに綺麗になりそうだし。」

｢え、えっと、そんなに言われると、は、反応に困ってしまいます。｣

 混のあまり、心の聲が途中かられ出てしまい、フラウはモジモジとしながら顔を赤くする。

｢あ、本音が…。｣

 聡は慌てて口を塞ぐ。だがもう口から出た言葉は元には戻せない。

 顔を赤くしたフラウと、気まずそうにする聡。2人は、何とも言えない雰囲気を醸し出しながら、ギルドへと向かうのだった。