《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第84話 納得してもらいました
「一度話が落ち著いたところで、私はサトシに聞きたい事があるのだけど。」
 聡とフラウが、ルドガーに頭を下げてお禮を言ってから、し間を空けてエーリカが口を開く。
「うん?まぁ、ここまで話したんだし、多の事なら答えるよ。」
 聡は諦めたように笑いながら、エーリカの方を見る。エーリカは、何時に無く真面目な顔で、聡を見ていた。
「ありがとう。じゃあ聞くわね。」
「…あぁ。」
 その真剣な表に、聡は思わず唾を飲み込む。
「…そちらのフラウさんとは、何か以前から関係があるとか、そういう事では無いのよね?」
「はい?俺はフラウさんとは、今日初めて會ったぞ?」
「はい、そうです。」
 質問の意味が分かりかねた聡は、首を傾げながら答える。フラウは肯定してくれる。
「だってサトシは、なくとも300年は生きてるのよね?」
「あぁ、まぁそうだけど。」
「な、なら、その間に、こ、こ、人とか、奧さんとか居たりは…。」
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 エーリカが顔を赤くしながら問うが、反対に聡は、げんなりとしながら答える。
「前に言ったように、そういう人は居ないんだな。非常に殘念な事にね。はぁ…。」
 若干不貞腐れながら、聡はそっぽ向いて溜息をつく。
「あ、そういえば、そうだったわね。ごめんなさい。サトシの言った事が衝撃的過ぎて、すっかり忘れてたわ。あと1つ、聞きたい事があるんだけど。」
「え?何?」
 これ以上の神攻撃は、けきれる自信が無い聡は、し嫌そうな顔をする。
「えっと、サトシがフラウさんの為に、こうしてルドガーさんに渉したりしたのは、純粋に善意からって言う事で良いのよね?す、好きになっちゃったとか、フラウさんから熱烈なアプローチをけたとか、そういう事では無いよね?」
「そうだけど…。」
「ね、熱烈なアプローチ?」
 やけに早口なエーリカに、聡は引きながら答える。何をそんなに必死になっているのだろうか。
「という事は、2人は人同士っていう事でも無いのよね?」
「も、勿論です!會ったばかりでそんな事…有り得ません!」
 聡が否定しようとするが、その前に酷く慌てた様子のフラウが、首を橫に振りながら言う。
「あははは…。やけに必死に否定するなぁ〜。」
 笑っているが、すっかり目が死んでる聡は、力無く背もたれに寄りかかる。
「あ、そうだ。ルドガーさん。暫くの間、フラウさんをこの街に置いといて、で、信用が出來ると思ったら、ギルドカードの発行をお願いしたいんですけど、考えといてもらえますか?」
 この不な話題から抜け出そうと、聡はルドガーに話を振る。
「あぁ、分かった。…ところで、俺はこのままサトシに対して、この口調のままで良いのか?」
 眉を寄せながら、ルドガーは言う。
「え?何でですか?」
「何でって、そりゃ數百年生きてる人生の大先輩に、こんなタメ口とか、普通はしないよな?」
「あ、そういう事ですか。別に問題ありませんよ?それに、俺は21歳という事で、生きていくつもりですから、普段からそういうで過ごした方が良いと思うんですよ。」
「なるほど?まぁ、本人が言うなら、今まで通りで良いか。」
 聡の謎の拘りに、ルドガーは首を傾げながらも納得してくれたようだ。
「…さてと、じゃあ宿をとりたいので、私はそろそろ失禮しますね。フラウさんの宿は、空いてれば安らぎ亭にしてもらおうと思ってます。」
「分かった。コルネリウス様から、何かお達しがあれば、そちらに遣いをやろう。フラウさんの事、頼んだぞ。」
「はい、分かりました。エーリカ、また明日。」
「えぇ、また明日。」
 聡が微笑みを浮かべながら言うと、エーリカも同様に返す。
「「失禮しました。」」
 そして、聡とフラウは2人して一禮しながら、ギルドを後にするのだった。
「何とかなりましたね。」
 ギルドから出て、『ふぅ』と息をつきながら、張を緩める聡。
「はい、そうですね。ありがとうございます。全ては、サトシ様のおです。」
 フラウが、深々と頭を下げながら禮を言ってくる。
「え、いや、頭を上げて下さい!ただの自己満足ですから、気にしないで下さい。」
「いえ、そういう訳にはいきません。サトシ様の助力のおで、私はこの街で暮らせるのです。」
「あ〜、分かりましたから、頭を上げて下さい。ここ、大通りなんで、結構目立つんですよ。」
 しいに、深々と頭を下げられる人男という構図は、周囲から大量の視線を集めてしまい、正直聡はこの場から逃げ出したかった。が、フラウを置いて行く事も出來ないので、ぐっと堪えて彼の説得を試みる。
「あ、これは失禮しました。ただ、私なんかの為に、にしていた事を打ち明けて下さったサトシ様に、深く謝しているという事を、知って頂きたかったのです。」
「はい、それはもう十分に伝わりました。そんな事よりも、早く宿に行きましょうか。」
 真っ直ぐに謝の念を伝えられ、照れくさくなった聡は、足早に宿へと歩き出すのだが、結局足を止めて、フラウの足取りに合わせる形になったのだった。
「ぁ…ぅ…。ご…ゅ…。」
「何か言いましたか?」
「いえ、何でもありません。」
 聡の耳には、何かボソッと聞こえたのだが、微笑み浮かべながら否定するフラウに、それ以上は聞けず、心首を捻る事になるのだった。
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