《外れスキルのおで最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜》第100話 あわや大慘事です
「えっと、理解して貰えたかな?」
「…うん。」
「いや、今の間は!?」
 聡は必死にティアナの理解を得ようと、の潔白の証明を頑張るが、イマイチのようだ。
「…あぁ、もう良いかな。ここで過ごしてれば、そのに違うって分かるか。」
 あんまりにも劣勢な為、聡はここでの説明を諦めて、今後の生活態度や普段の様子で理解してもらおうと、若干投げやりになってしまう。
「…あ、今の態度で、何となくお兄ちゃんの気持ちが分かったよ。勘違いしちゃったみたいで、ごめんなさい。」
「ほ、ホント?理解してくれたなら、良かったよ!あ、そうだ。お禮にお兄さんが、クッキーをあげようじゃないか。」
 意外な形で納得してもらえた聡は、一瞬呆けるものの、直ぐに満面の笑みを浮かべて、機嫌良さげにアイテムボックスから布袋にったクッキーを取り出し、頭をでながら渡してやる。
「わ、わ〜い、ありがとう、お兄ちゃん!」
「うん、どういたしまして。あ、もう朝ご飯だよね?直ぐに行くから、準備をよろしくね。」
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「は〜い!」
 完全にで釣った形になるのだが、納得してもらえて嬉しくなった聡は、微妙な表を浮かべてけ取りづらそうにしてるティアナの様子には気が付かず、機嫌良く見送る。
 その歳にして、遠慮を覚えるなど、隨分と出來た子である。お兄さん(筆者)としては、もうし聡に甘えてくれると、書きやすいのだが。その點で言えば、ニコラなんて…いえ、何でもありません。
「…?何かとんでもない事を、誰かが書こうとしてたような?い、いや、それよりも、廊下に人が來ないに、さっさとフラウを起こして、朝食を摂るとするか。」
 聡はドアから離れて、未だぐっすり眠っているフラウを起こす為、ベッドへと近付く。
「はぁ〜…。朝からお前さんのせいで、酷い目にあったぞ。」
 何の警戒もしてない、弛んだ表で寢ってるフラウを見て、思わず悪態をつきながら、頭をでてしまう。まるで寢てるペットをでてるかのような扱いである。
 これは、朝から神を耗したからこそ、行に出來ただけで、普段からの子の頭をでるなど、そんなイケメン主人公みたいな真似はしていない。
「う、ううん…。」
 ここまでして、漸く目が覚めた様で、布団の上でこまりながら、しいている。
「もう朝だから、下に行って朝食を食べるよ。」
「…さとし、さま?」
 寢ぼけ眼な上、舌っ足らずなじで自の名を呼ばれて、ドキッとしてしまう聡。
「う、うん、聡だよ?」
 頭をでた狀態のまま、手を重ねられて、振り払う事も出來ずに、戸いの表の聡。
 戸ってる聡の様子には気が付かず、フラウは手を握って自の頬の所まで持っていくと、スリスリと頬ずりを始めてしまう。
「え、えぇ!?お〜い!フラウさんや〜?はぁ起きんと、飯抜きになるぞ〜?」
 すっかり言葉遣いも崩れた聡は、り心地の良い頬のに、理を若干持ってがれながらも、ぐっと堪えて、フラウを現実世界に引き戻す為に、その肩を揺らしてやる。
「…あ、あれ?サトシ様が…。…ふぇぇぇ!?な、何でサトシ様がふがっ!」
「ちょっとばっかし落ち著こうか?まず、ここは俺の部屋ね?」
 あんまり大聲を出されても、誰かがすっ飛んで來ないとも限らないので、フラウの口を塞いで、落ち著くように語りかける。
 すると最初は顔を真っ赤にして驚いていたものの、聡の言葉を理解していくと、段々と落ち著きを取り戻していく。
「どう?落ち著いた?」
「…(コクコク)。」
 そんなに時間がかからずに、狀況をしっかりと察してくれたフラウに、聡は心底ホッとしながら、手を離す。
「…混してしまって、すみませんでした。」
「いや、こっちこそ、いきなり口を押えてごめん。」
 2人して謝るという、何とも変な空気になりながらも、取り敢えずは落ち著く事が出來た。
「…そういえば昨日は、俺のが吸いたくて、自分を抑えられなかったってじかな?」
 こんな狀況だが、気になるものは仕方が無いという事で、直球で昨夜疑問に思った事を直球で聞く聡。
「は、はい。恥ずかしながら、サトシ様の匂いとかで、急に吸衝が抑えられなくなり、あのような大膽な行を…。」
 顔を赤くしながら俯くフラウは、中々に唆るものがあったが、鉄壁の意志を以て抑え込み、気にしてない風を裝いながら、話を切り上げようとする。
「そっか。じゃあ次からは、あぁなる前に、早めに補給しようか。」
「はい、分かりました…。」
「じゃあ、この話は終わりって事で、誰にも見つからないに、さっさと下に行こうか?今なら廊下に誰の気配も無いし。」
「はい、畏まりました。」
 漸く元通りの狀態に戻ったフラウは、聡の言葉に同意し頷きながら、ベッドから降り立つ。
「あ、その前に著替えなきゃか。」
「…あ!き、著替えて來ます!」
 だが、自の格好がネグリジェで、普通は男に見せる姿では無い事に気が付いて、バタバタと慌てて部屋に戻るのであった。
 こうして、聡の平和な一日は幕を開けたのだった。
 この數日後、凄慘な景を目の當たりにするとも知らずに、聡は呑気にも『顔を赤くしたフラウは可いな』とか考えていた。
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