目を開くと真っ白の世界にいた。周りにはクラスメイトがボチボチと目を覚ましており気がついたものはここはどこなのかを必死に騒いでいる。

「ここは……いったい……」

「やあ、君たち、こんにちは」

誰も聞いたことの無い聲を聞いていっせいに聞こえた方を振り向く。

「だ！誰だよ！」

「ここはどこよ！」

「まあまあ落ち著いて？僕は君たちの世界で言う神と言うものさ。そしてここは神界にある僕の部屋」

「はあ？何言ってんだあんた頭になんかわいてんじゃねえか？」

「ひどいこと言うなぁ、僕は正真正銘神様なのに。あ、そこの君今早く出せって思ったでしょ。そっちの君はこれってまさかのテンプレの……って考えたでしょ？ねえ、當たってるでしょ」

「「……」」

どうやら図星のようだ。しかも今ので相手の心を読めるという人間離れしたことを見せられてこの人が神ではないという可能は低くなった。

「まあ、そこの子がさっき思った、テンプレってやつは當たってるよ。これから君たちには異世界に召喚されてもらう。そのためにしはあちらの世界のことを話すのと君たちには力を與えようと思ってね」

「異世界に……召喚……？」

「そうだよ。君たちにはこれからゾルダという世界に言ってもらう。そこにはさまざまな種族がいて、魔がいて魔法が使え冒険者がいる。要するに君たちの世界で言うラノベでよく出てくるやつだ。そして君たちにはその世界を救ってもらう。何せ君たちは勇者として召喚されるわけだしね。

しかし、君たちの世界では魔力も戦うすべも無い。だから、ゾルダの神である僕が君たちに力を與えようという訳だ。いいかな？」

「すみません、その世界では何から世界を救えばいいのですか？」

「ああ、それは魔王だよ。今ゾルダでは魔王が人族やエルフ族の領土を奪って世界征服をしようとしているんだ。それを君たちには止めて魔王を倒してもらいたい。」

「……分かりました。あともうひとつ帰る方法はあるの？」

「さあ、それは僕もわからない。時に偶然とは神の力をも超えることがあるからね。」

「そんな……帰れないなんて。」

そうか……帰れないのか…………

「…………。さて、そろそろみんなに力を與えよう。一人一人こっちに來てくれるかな？順番に力を與えて、ゾルダに送るから。」

そう神は言ってし離れたところに一人一人呼び出した。順番に行ったら最後がぼくになった。

「最後は君かな？君には……。その前にし話をしよう。」

「なんでしょう？」

「恐らく君にはとても辛いことが起こるだろう。それは今までのように自分を犠牲にしても乗り越えられない。その時君はどうするか。自分で考えるんだ……。君にはそれに相応しいスキルを與える。しかし、時が來るまで絶対に使ってはならない。いいかい？闇瀬神夜。僕は君とまた會える時を願っているよ」

「いったい何を言っているんですか？」

「それは僕からは言えない。ただ、僕は君に死なれたくはないと思ったね。」

「……あなたは優しいんですね。」

「そんなことは無いさ。……そろそろ送るよ。」

「ありがとうございました。最後にお名前を聞いてもいいですか？」

「……僕の名前はソナーダ。創造神ソナーダだ。」

「ソナーダ様。ありがとうございました。」

「ああ、行ってらっしゃい。」

ソナーダ様がそう言うと僕の意識は深く沈んで行った。最後に「ごめんね」とソナーダ様が言ったように見えた。