められていた僕は召喚された世界で奈落に落ちて、力を持った俺は地上に返り咲く》第56話 噂は早かった

俺はギルドで全Sランク依頼を一気に注し、それをクリアし、ステラに先を越されたSSランクになろうとしていた。

その數、37件。

「影分!」

そういうと俺の影から何人もの俺が現れた。その數、37人。依頼と同數だ。

「それじゃあ一人一つ。依頼をクリアしてくれ。頼んだぞ!」

『おう!任せろ!』

37人の俺が一斉にそういうと各地へと散らばっていった。

そして殘った本の俺はまた別の場所へ向かう。

それは今や帝國が進軍している王都であった。

目的は勇者たちではなく、王都の冒険者ギルドだ。

「久しぶりだな、ここも。」

大きな扉を開けて中にはいる。いっせいに中に居た冒険者の視線がこちらへ向く。

冒険者達は戦爭中だからか予想よりも殺気立っていた。そんな中を普通に歩いて付へ行く。

「こんにちは!登録ですか?依頼ですか?」

そういったのは俺とステラの登録を擔當したネコミミ獣人ルミナだ。

どうやら俺の事を忘れてしまっているらしい。

「久しぶりだな、ルミナちゃん」

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「ふ、ふにゃぁ」

そう言いながら俺はルミナの頭をでる。

気持ちよかったのかルミナは目をトロンとさせた。だが、それをよく思わない者達が大勢。

「てめぇ!何ルミナちゃんにれてんだぁ!?ぶっ殺す!」

「許されざる大罪。即刻死刑」

「そ、某達、ルミナファンクラブもれたことかないのに!」

そんなことを言いながら襲い掛かる冒険者達。

というかルミナファンクラブってなんだよ・・・

「はぁ、『頭が高い』」

俺がそう唱えた途端、襲い掛かってきた冒険者達は床を砕く勢いで地面に張り付けになり、けなくなった。

「覚えてる?俺の事」

「ふにゃぁァ・・・・・・はっ!思い出しました!お久しぶりです!シンヤさん!」

どうやらでられたで思い出したらしい。

「久しぶりだな。ガランに用があってきたんだけど、今會えるか?」

「もちろんです!Sランク以上の冒険者は直ぐにお通しするのが規則ですから!」

らしい笑顔でそういうルミナに笑顔で返し、案してもらう。

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「あ、さすがに可哀想なので解放してあげてください」

「仕方がないな。けど、ルミナファンクラブってなんだ?」

「またそんなのが出來たんですか・・・・・・し前に壊滅させたんですけどね。まだお仕置が足りないようです。あ、気にしないでください。案しますね」

え、こんな可らしい子が壊滅させたって言った?

・・・・・・・・・人は見かけによらないな。

2階に案され、ギルドマスターの部屋にたどり著く。

「ギルマス、シンヤさんがお見えになりました!」

ルミナがそういうと中からガタッ!と音がして、その直後何かが崩れる音がした。

「ギルマス!?」

その音に驚いてルミナが中にはいる。

俺も中にはると非常に部屋がぐちゃぐちゃになっていた。しかも今倒れた書類なのかまだ空中で落ちてる途中の書類もある。

「大丈夫ですか?ギルマス」

「だ、大丈夫だ。驚いて散らかしちまっただけだからな」

そう言って立ち上がったのは筋ゴリゴリマンガランである。

「それよりもシンヤが來ただって?」

「はい、そこに」

そこで俺はガランと目が合った。

「よう」

「…………」

暫く見つめ合ったあと、ガランは大きくため息を付いた。

「近々來るだろうとは思ったが……來るなら來ると先に連絡してくれ」

「ん?どうしてそう思ったんだ?」

「ついこの間ステラ嬢ちゃんが來て推薦書を求めてきたからな。」

やはり來ていたか。SSランクになるには二人のギルドマスターと一人の國の主の推薦書が必要になる。俺とステラが知っているギルドマスターと言ったらオルフェリアス帝國の副都(現在アレクがいるところ)と王都のガランしか知らないからな。

それについ先日冒険者ギルドはオルフェリアス帝國を國家として認めたばかりだ。つまりアレクからの推薦書を貰えば條件は確保できる。あとは一定數のS級依頼をして認められれば晴れてSランクになる。

「それならお前も來るだろうと思ってたんだ。これだろ?」

そういいながら機から一通の封書を取り出した。

「SSランクの推薦書だ。」

「おー、これこれ。これを貰いに來たんだ。」

「だろうな。ってことはもう一人のギルマスの目途がついたのか?」

「まあな。帝國副都のギルマスだ。」

「帝國副都?ああ、帝國か。ってことはお前は帝國にいるのか?」

「ああ、皇帝とも仲がいいぞ」

俺の言葉にガランとルミナが顔を見合わせてから微妙な顔をしだした。

「その、なんというか。帝國は大丈夫なのか?」

「大丈夫、とは?」

「正直、いまだに信じられないのです。國王と勇者が共謀して他國に侵略するつもりだなんて。それに王子と王が國王を裏切るってのもなんだかな」

「まだ信じていないのか?」

このことはアレクが王國中に発表したから結構広まってると思ったが。

「ならこれでどうだ?」

俺はひとつの映像を見せる。

それは國王と騎士団長アルバ、そして勇者のリーダーである霧乃崇が會している様子であった。

その容は勇者を使って他國へ侵略戦爭を試んでおり、霧乃もそれに加擔している。更にはアルバは前騎士団長のレイラと共に無能な勇者をダンジョンで事故を裝い殺害したというものだった。

「これが事実だ。これを見てもまだ噓だと思うか?」

「………」

見せた映像にガランもルミナも沈黙を貫く。

そしてゆっくりと口を開いた。

「この映像が本でも偽でも………冒険者ギルドのやることは変わらない。」

「ん?」

「冒険者ギルドの第一理念はその地に住む人と生活を守ること。そしてそれらの脅威となりうるものを排除することだ。ギルド本部は既に帝國を一つの國として認めた。これはもう反じゃなく、國家間の戦爭だ。」

ガランの言うとおりである。冒険者ギルドとは大陸中のあらゆる國家が一つになって組織した前の世界でいうところの國際連盟や國際同盟に似たような組織だ。

冒険者ギルドが認めたということは大陸のほとんどの國家が認めたと同義。もはや王國の反などという名目はなくなっている。

そしてギルドの第一理念は民とその生活を守ることだ。帝國が王都に侵攻し、殺をしようものなら王國の前冒険者どころか他國の冒険者が帝國の敵となる。

「帝國の皇帝と仲がいいならそれだけは伝えてくれ」

「もちろんだ。アレクもわかっているさ」

正直そんなことは何度も話しているし、全將軍が知っていることだ。

「それよりも帝國の快進撃はすごいな!」

「それは私も気になってたんです!」

突然思い出したように二人がそういうので驚いてしまった。

「それでし調べてみたんですけど、どうやら皇帝アレクサンドリウスは二人の軍師を雇ったようです。」

「軍師?」

「はい、名前は確かノワールにティア。二人とも仮面をかぶった謎の二人組らしく、その二人の仲間に人の姿になることのできる龍と思わしき存在が確認されています」

ここまで詳細に伝わっているのか。というか完全に俺達のことじゃねぇか。

「人化可能なうえ、龍だと?厄災クラスなんてもんじゃねぇな。魔神クラスじゃねぇか?」

「かもしれません。それに皇帝を支える三人の將軍も非常に優秀です。さらに帝國軍最強と言われているのが聖魔隊です。」

「聖魔隊?なんだそりゃ?」

「ん~、これがなかなか報が出てこないんですよね。小規模の遊撃部隊ではないかと言われているようですが、リーダーも構人數も不明なんです。けど、五人組で戦地を縦橫無盡に駆け巡って各戦場で圧勝を収めているらしいんです。」

「また化みたいのが、向こうについてるんだな」

「ですが、帝國はそれよりもすごいものが味方しているらしいですよ!」

「これ以上っていったいなんだよ」

「それが天使様の軍勢が皇帝本軍にいるらしいんです!」

「な、なんだって!?」

ガランは驚いて立ち上がる。

「天使様が味方につくってことは天が帝國を味方するっていことかよ……!皇帝は神に選ばれたってことか?!」

「まだわかりませんよ。私も噂を聞いただけですし、かなり尾びれ背びれがついていると思います。」

「そりゃそうか。まさか天使様が地上に降り立つなんてあるわけないか」

二人は笑っているが、シンヤは心非常に驚いていた。

(ある程度報が洩れているとおもったが、全部ばれてんじゃねぇか!?)

そしておもむろに立ち上がった。

「どうした?」

「そろそろ帰る。ステラ達も殘したままだしな」

「そうですか。ではご案いたしますね。」

「いや、転移で戻るからいらん。じゃあな。推薦狀謝する」

そのままシンヤは転移魔法を使って帝國へと戻るのであった。

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