《生産職を極めた勇者が帰還してイージーモードで楽しみます》取り引き

ターゲットを決めて、エリクサーを創ってから5日経った。まだ柴崎亮一郎とは接できていない。これは完全に俺とミシェの見込みが甘かったのだ。簡単に報が手にってターゲットを決めることができたからなんでもできる気になっていた。

だがそうではなかった。柴崎亮一郎の居場所がわからなかったのだ。向こうの世界では王城に行けば文なり國王なりに會えたけどそれは勇者だったからだし、向こうの世界だったからだ。日本の警備は意外というえに、そもそもどこにいるかわからない。

僚だからと國會に行ってみたものの結構人の出りが多くて見つけられなかったし、どこに住んでいるかをミシェが調べてもわからなかった。

最終的には柴崎亮一郎のやっているツ◯ッターの寫真の背景からその寫真の場所を特定していって、範囲を絞った上で《ワールドマップ》と《探知魔法》をフル稼働してやっとの事で柴崎を見つけることができた。尾行して職場、家、娘がいる病院を突き止めた。

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これからが本番である。

俺は深夜、向こうの世界の魔導師ファッション(足元まであるローブ)で病室へ向かった。ここ數日、柴崎夫婦は娘の病室で寢泊まりしている。娘はここ一月意識を取り戻していないんだそうだ。

ミシェに人払いの結界を張ってもらって病室を孤立させる。俺もちょっと仕掛けをして扉に手をかける。

「ヤァヤァ、こんばんわ。今夜はいい夜ですね」

俺は芝居掛かった喋り方で病室にった。喋り方とかはその場のノリだ。俺は結構こういうのが好きなのだ。

「な、なんだお前!」

「えっ、え?」

急にってきた俺に驚く柴崎と寢ていたのか困している奧方。

「どうも柴崎さん。はじめまして。今夜はいいお話を持ってきたのです」

「な、何を言っている」

狀況が未だわからないがかなり警戒している。がくことはない。俺がした仕掛けでかせないのだ。擬似的な金縛りである。

「な、何が起きている。どうしてかない!?お前は誰なんだ!?」

「オヤオヤそう興しなさんな」

俺はつかつかとベットに歩み寄る。

「柴崎香ちゃん。12歳。なかなか可いじゃぁないか」

「む、娘に近づくな!!」

柴崎は真面目で実直、仕事もきっちりことなすが家族を何よりも大切にしている。

「だぁがぁ?現代醫療では治せなぁい病で殘りない命だぁ」

「っ!!」

柴崎は顔をしかめる。やっと頭がすっきりとしてきたのか奧さんの方も私の言葉に涙を流す。これはいい家族だなぁ。

「もぉ一月も目が覚めていないそうですねぇ?」

「な、なんなんだお前は!!」

聲が震えている。いきなり現れた得の知れないやつに辛い現実を突きつけられて怒っているのか泣いているのか。

「でもぉ?それが治るって言ったらどぉしますぅ?」

「なんだと!?」

柴崎は俺を睨みつけて、奧さんはポカンとしている。

「実際に見せてあげよぉ〜」

そう言って懐からエリクサーを取り出して娘さんに近づける。

「なんだそれは!?止めろ!香にれるな!」

「やめてぇ!!」

エリクサーを一滴、娘さんの口に垂らす。すると

「、、、、パパ?ママ?」

一月も目が覚めなかった娘さんが目を開けてヨロヨロと柴崎夫妻に顔を向けて聲を出す。

「み、香!」

香!」

柴崎夫婦は聲を上げる。驚愕に歓喜が含まれていた。だが目を開けたのは一瞬、娘さんはまた目を閉じてそれまでと同じように眠りにつく。

香?香!起きてくれ!お父さんだよ!聞こえないのか!?」

香!?ママよ!」

柴崎夫婦は金縛りでけないままに懸命に聲をかけるがもう一度目を覚ます様子はない。

「こぉれでわかったかなぁ?今のは一滴だったから一瞬だったけどぉ?この試験管1つ分飲めばぁ病気は治るよぉ〜」

俺の言葉に目を見開き、固まるがすぐにぶ。

「ほ、本當か!」

「もちろんだともぉ」

「そ、その薬をくれ!頼む!香を!香を!」

「お願い!それを頂戴!お願いします!」

これは隨分とされてるねぇ。香ちゃんは幸せだなぁ。

「薬をあげてもいいんだけどぉ、薄々気がついてるんじゃないかなぁ。なんでこういうやり方をしているのかぁ」

「、、、、、私に何かしてほしいことがあるのか」

「そのとぉりぃ〜。そしてぇちょっと違法かも知れないんだよねぇ」

俺の言葉に顔をしかめる數秒思い悩む仕草をするが、決意した顔で俺を見る。

「聞こう。娘のためなら犯罪者にでもなってやるさ。人殺しでもしてやろう」

「あ、貴方!」

「いいねぇ。いい覚悟だぁ。だが安心してイイヨォ。そういうことじゃなぁい。僚としての貴方にぃしてほしいことがあるのさぁ」

「なんだ。何をすればいい!」

「まず1つ、私と私の仲間の2人分戸籍を作ってほしいんだぁ」

「こ、戸籍だと?それはそう簡単なものでは!」

「娘さんのためだよぉ〜」

「っ!わ、わかった」

柴崎は罪悪のある顔だがちゃんとやるだろう。なによりも家族が大切って顔をしている。

「2つ目ぇ、私のこともぉ、この薬のこともぉだよぉ〜。何故か病気が治ったってことにぃするんだよぉ」

「あ、ああ」

「要求はこの2つだけだよぉ」

「そ、それだけでいいのか?」

「強は良くないよぉ。あ、でも他の人にバレないヨォにしてねぇ?私達の戸籍を作ったらぁ、予定通りぃ僚を辭めるんだよぉ?」

「わかった」

「罪悪に負けて後から出頭するなんてことがないヨォに監視してるからねぇ?君もぉ、奧さんもぉ、娘さんもぉ」

「あ、ああ」

柴崎は険しい顔のまま言葉なに頷く。

「はいこれぇ、作ってほしい戸籍の報ぉ。2人は親子ってことにしてねぇ?」

「わかった」

「薬はぁ戸籍が出來たのを確認してからだよぉ。私の見立てではぁ娘さん結構危ないからぁ、急いでねぇ」

「ぐっ!わかってる!出來上がったらどうすればいい!」

「病室の窓からぁ赤いタオルをぶら下げておいてヨォ。そしたらここにもう一度くるカラァ」

「わかった」

「それじゃぁねぇ〜」

俺はそのまま部屋を出る。金縛りはもうしとかないでおこう。

「マスター。首尾は?」

「上々だと思うよ。娘さんにも狀態固定の魔法をかけたから間に合わずに死んじゃうってこともないしね」

「マスターはお優しいですね」

「いやぁそれほどでも〜。じゃあ出來上がるまでは自由行だね。俺は久しぶりに異空間の魔導工房に篭って作りをしようかな」

「私はマスターが言っていたハッキングというのを頑張ってみようと思います」

「そうか。じゃあ頼んだ。

あ、ついでにまた調べを頼む。今度は金持ちで病気のやつだ。戸籍が出來たらそいつと取引して大金を確保する」

「わかりました」

こうしてそれぞれ俺達は戸籍ができるのを待つことにした。

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