私の名前は柴崎亮一郎。今年で40になる。日本で僚として働いている。

私は孤児院で育った。親の顔は見たことがない。孤児院も家族という雰囲気ではなく最低限の世話をしていると言ったじの孤児院だった。だからだろうか、私は家族というものに強い憧れを抱いた。

私は高校と大學をバイトをしながら通い、奨學金で生活して僚となった。僚となったことに理由をつけるとするのなら自分のに合っていたというくらいだろう。日本を良くしたいという思いはない。もちろん仕事はきちんとしていたが。

そんな私にも嬉しいことにする人が出來、その人も私のことをしてくれた。そして結婚し、念願の家族を手にれた。私は家で帰りを待ってくれている人の素晴らしさを実しながら生活していた。

そして嬉しいことに子寶にも恵まれた。娘の香と妻と共に暮らす日々はとても幸せだった。

だがその幸せも長くは続かなかった。娘の香が調不良を訴えだし、病院に連れて行ったところ病気だということがわかった。さらに現代の醫療では治療法が見つかっていない病気であることもわかった。

私は自分の持てるツテを総員して海外の醫者にも見せたが治療法は見つからなかった。日に日に弱っていく娘を見ながらどうすることもできない自分に憤りを覚えた。

そして娘が目を覚まさなくなって一月が過ぎた日のことだった。その日も妻と共に出來るだけ娘のそばに居たくて病室に泊まろうとしていた時のことだ。あの男がってきたのは。

「ヤァヤァ、こんばんわ。今夜はいい夜ですね」

日本人の30代半ばという顔の男だが語に出てくる魔のようなローブを著ていた。その表も仕草も口調も全てが怪しい男だった。

「な、なんだお前！」

「えっ、え？」

いきなり病室にってきたのは男に妻が眠っていることも忘れ大聲を出してしまった。

「どうも柴崎さん。はじめまして。今夜はいいお話を持ってきたのです」

「な、何を言っている」

男が私の名前を知っていることに驚き、警戒した。妻と娘を庇おうとするが全くがかない。

「な、何が起きている。どうしてがかない！？お前は誰なんだ！？」

「オヤオヤそう興しなさんな」

男はつかつかとベットに歩み寄る。

「柴崎香ちゃん。12歳。なかなか可いじゃぁないか」

「む、娘に近づくな！！」

娘の顔を覗き込みながらそう言った男に飛びかかろうとするがやはりくことはできない。

「だぁがぁ？現代醫療では治せなぁい病で殘りない命だぁ」

「っ！！」

「もぉ一月も目が覚めていないそうですねぇ？」

「な、なんなんだお前は！！」

男の言葉にが痛んだ。

「でもぉ？それが治るって言ったら通しますぅ？」

「なんだと！？」

私は男を睨みつける。私がから手が出るほどしい治るという言葉だったがこの怪しい男は信用できない。

「実際に見せてあげよぉ〜」

男が懐から何かを取り出し、香の口に垂らす。

「なんだそれは！？止めろ！香にれるな！」

「やめてぇ！！」

妻と絶するがその時信じられないことが起きた。

「、、、、パパ？ママ？」

一月も目が覚めなかった娘が目を開けて私達を呼んだのだ。

「み、香！」

「香！」

だがそれも一瞬でまたすぐに眠ってしまった。

「香？香！起きてくれ！お父さんだよ！聞こえないのか！？」

「香！？ママよ！」

私は懸命に聲をかけるがそれでもピクリとも反応しない。

「こぉれでわかったかなぁ？今のは一滴だったから一瞬だったけどぉ？この試験管１つ分飲めばぁ病気は治るよぉ〜」

「ほ、本當か！」

「もちろんだともぉ」

「そ、その薬をくれ！頼む！香を！香を！」

「お願い！それを頂戴！お願いします！」

怪しかろうと何だろうと私は飛びついた。娘のためになるのならば何でもよかった。

「薬をあげてもいいんだけどぉ、薄々気がついてるんじゃないかなぁ。なんでこういうやり方をしているのかぁ」

私は混しっぱなしの頭をかし、男の言を思い出す。

「、、、、、私に何かしてほしいことがあるのか」

「そのとぉりぃ〜。そしてぇちょっと違法かも知れないんだよねぇ」

私は犯罪者という言葉に詰まったが娘のためならば迷いはなかった。

「聞こう。娘のためなら犯罪者にでもなってやるさ。人殺しでもしてやろう」

「あ、貴方！」

「いいねぇ。いい覚悟だぁ。だが安心してイイヨォ。そういうことじゃなぁい。僚としての貴方にぃしてほしいことがあるのさぁ」

「なんだ。何をすればいい！」

「まず１つ、私と私の仲間の2人分戸籍を作ってほしいんだぁ」

「こ、戸籍だと？それはそう簡単なものでは！」

「娘さんのためだよぉ〜」

「っ！わ、わかった」

自分の仕事で悪事を行うのは気が咎めたがそんなこと知ったことではない。

「２つ目ぇ、私のこともぉ、この薬のこともぉだよぉ〜。何故か病気が治ったってことにぃするんだよぉ」

「あ、ああ」

「要求はこの２つだけだよぉ」

「そ、それだけでいいのか？」

「強は良くないよぉ。あ、でも他の人にバレないヨォにしてねぇ？私達の戸籍を作ったらぁ、予定通りぃ僚を辭めるんだよぉ？」

「わかった」

「罪悪に負けて後から出頭するなんてことがないヨォに監視してるからねぇ？君もぉ、奧さんもぉ、娘さんもぉ」

「あ、ああ」

思ったよりもない要求に困したがこれ以上深く聞くべきではないと自制した。機嫌を損ねて薬をもらえなくなっては困る。

男が帰った後、娘のことを妻に任せ私は職場に戻った。その日から私は死に狂いでいた。皮なことにこれまでの仕事よりも悪事の方が一生懸命だった。だが娘が助かる希が見えて泣きたいほど嬉しかった。

それから1カ月、戸籍を作り終わりもともと戸籍があったように偽裝もした。もしかしたらアイツは國者なのかもしれないし、テロリストかもしれない。あのがかなくなる力からして悪魔の類かもしれない。それでも娘の命よりも優先することではない。

私はその日の夜、赤いタオルを窓から下げた。こうして私は悪魔と取引するのだった。