《生産職を極めた勇者が帰還してイージーモードで楽しみます》會合
「暇だ」
5000萬を稼いで1週間、俺はホテルのベッドで暇を持て余していた。ミシェはまだ熱心にパソコンに向き合っているが俺はやることがないのだ。
大金を稼いだからチンピラをボコって小遣い稼ぎをする必要はないし、趣味である作りも最近までやっていたのでクールタイムだ。趣味でも長く続ければ飽きがくるのだ。
昨日、一昨日とやったのは俺の異空間に畑を作って日本の作を植えることだ。多分うまい合に育つだろう。あそこは本當の意味で俺の世界なので天気も管理されている。
トントントン
ちょうどそんな時、扉がノックされた。
「あいあい、どうした」
扉を開けるとホテルの従業員がいた。
「お客様に手紙を預かっております」
「手紙?ありがとよ」
俺達を知ってるやつなんていないはずだが、、、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リバース卿へ
本日15時、娘さんも連れて同ホテル最上階まで來られたし
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Advertisement
「ほう」
「これは」
「俺がリバースだってこともミシェの存在もバレている。どこの誰だ?リバースは瀬戸佳にしか名乗ってないし、その関係者か」
「おそらく。どうしますか?」
「ちょうど暇だったんだ。行こう。後2時間くらいだろ」
「わかりました」
何処の誰かは知らないが俺の暇を潰してくれるのならありがたい。
「じゃあ行くぞ」
「はい」
このホテルの最上階はワンフロアが一部屋となっている。超VIP仕様である。エレベーターも専用のカードキーがなければ最上階に行かない。手紙に同封されていたのでそれを使って向かった。
チン
エレベーターが最上階に到達し、扉が開くとそこには黒いスーツを著てサングラスをかけた厳つい男が2人待っていた。おそらく護衛なんだろう。
扉が開いた瞬間、2人から驚いた気配がしたのは俺達の格好を見たからだろう。最上階を指定されたってことは相手が相応の人だってことだが俺はTシャツにGパン、ミシェはワンピースというかなりラフな格好だ。お偉いさんに會うのは不適切と言えるだろうが気にしない。
護衛の2人は俺達の格好には何も言わず、ボディーチェックをすることもなく奧の部屋へと案する。
案された部屋の扉はかなり豪華で明らかに必要ないってくらい裝飾されていた。
警護の2人が扉を開けると中央に膝くらいの高さのテーブルが1つと、それを囲むようにソファが4つあるだけの部屋だった。もちろんそのテーブルもソファも一目でわかる高級品だったが。部屋の周囲はズラリと警護の人が並んでいて50人近くいた。
中央のソファで待っていたのは4人の男だった。若い男と老人の男が1組ずつ。若い男の方は俺達を見て驚いた格好をしていたが老人2人は眉一つかさない。怒っているわけではないだろうが喜んでいるわけでもない。敢えて言うなら真剣な表だった。
「ふむ。リバース卿、いや、逆巻雄吾殿、ミシェ殿。よく來られた。座ってくれ」
老人の男が俺たちに聲をかける。紋付袴をに纏い、杖をついているその姿はとても様になっていた。老人のは著で若い2人はスーツとドレス姿だ。
「ん、お招き謝しよう。
で、何処のどちら様だ?」
俺とミシェは遠慮なく老人に向かい合う形でソファに座る。向こうの世界で王族と何度も面會していたのでこのくらいで張する心は持ち合わせていない。
「儂の名は瀬戸源十郎。これは妻の妙子。
倅の直継とその妻の梨だ」
「そうか。俺は逆巻雄吾、リバースだの他の名で名乗ることもあるが本名は逆巻雄吾だ。こっちはミシェ、娘ということになっている」
「ミシェと言います。今はマスターの娘です」
ミシェも澄まし顔で答える。俺達が張した様子もなく答えているのに何人かの護衛が反応する。おそらくまだ新りなんだろう。
「それで用件はなんだ?ああ、俺は最近暇でな。ただ雑談に付き合わせるために呼んだってのも大歓迎だぞ?」
「ふむ。々あるだろうがまずはこれだろう」
そういうと爺さんは立ち上がる。それに合わせて3人も立ち上がり、4人揃って深く頭を下げる。
「ッ佳を助けてくれてっありがとうっ」
「ほう」
俺は心する。向こうの世界の権力者はみんな偉そうだった。確かに立場的に簡単に頭を下げちゃいけないんだろうけど下げなきゃならんところでも頭を下げれない奴等ばかりだった。
「気にするな。あれは正當な取引だった」
「だが、、、いや、何も言うまい」
どうやら爺さんに決定権があるようで爺さんが殆ど話すようだ。
「ああ、々話す前に聞きたいことがある」
「なんだ」
「どうして俺たちのことがわかった?尾行はまいたはずだが」
まずはそこを確認しなくちゃならん。
「ああ、そのことかね。確かに尾行は失敗した。だから別の方向から追ったのだよ」
「うん?」
「君はその翌日に銀行に全額預けただろう?5000萬という大金を一度に預ける人間はそう多くない」
「る程。思ったよりメディアの手は長いみたいだな。銀行にも顔が聞くとは」
「ふむ。まぁ長く生きていればそれなりに付き合いも増えるものだ」
「クハハッ!食えない爺さんだ」
俺と爺さんは顔を見合わせて笑い合う。
「それに、だ。その口座の所有者の戸籍に違和があった。調べてみれば最近僚が1人辭めている。そしてその娘が不治の病を患っていたが何故か・・・治ったというじゃないか。まるでどこかの歌姫ののようだな」
「ん〜、やっぱり分かる奴にはわかるのか」
「これでも業界では重鎮と呼ばれているのでな。だが儂の方で偽裝を重ねておいた。そう簡単に見破れるものでもないだろう」
「そうか、それは助かる」
俺は素直に禮を言う。
「では次はこちらから質問させてもらおう。聞きたいことが山ほどある」
爺さんは姿勢を正し、俺の目を正面から見據える。威圧を醸しながら口を開いた。
「お前は何者だ?」
【書籍化&コミカライズ決定!】10月5日コミカライズ連載スタート!10月15日文庫発売!追放された元令嬢、森で拾った皇子に溺愛され聖女に目覚める
※舊タイトル【追放のゴミ捨て場令嬢は手のひら返しに呆れつつ、おいしい料理に夢中です。】 「私はただ、美味しい料理を食べたいだけなんだけど」 幼少期にお腹を空かせてばかりいたため、食いしん坊 子爵家の養女となり、歌姫となったキャナリーだが、 他の令嬢たちは身分の低いキャナリーを標的にし、こきおろす。 「なんでもポイポイお腹に放り込んで、まるでゴミ捨て場みたいですわ」 不吉な魔力を持つ娘だと追放され、森に戻ったキャナリー。 そこで怪我をしていた青年二人を助けたが、 一人はグリフィン帝國の皇子だった。 帝國皇子と親しくなったキャナリーに、 ダグラス王國の手のひら返しが始まる。 ※本作は第四回ビーズログ大賞にて、特別賞とコミックビーズログ賞のダブル受賞をいたしました! 目にとめていただき、評価して下さった読者様のおかげです。本當にありがとうございました! 【書籍情報】 2022年10月15日に、ビーズログ文庫様から書籍として発売されます! また、書籍化にともないタイトルを変更しました。イラストは茲助先生が擔當して下さっています! 先生の手による可愛いキャナリーと格好いいジェラルドの書影は、すでにHPやオンライン書店で解禁されていると思いますので、ぜひ御覧になっていただけたらと思います! 中身は灰汁をとりのぞき、糖分を大幅に増し、大改稿しておりますので、WebはWeb、文庫は文庫として楽しんでいただければ幸いです。 【コミカライズ情報】 コミックビーズログ様などにおいて、10月5日からコミカライズ連載がスタートしています! 作畫はすずむし先生が擔當して下さいました。イメージ通りというより、はるかイメージ以上の素敵な作品になっています!漫畫の中で食べて笑って話して生き生きとしている登場人物たちを、ぜひチェックしていただきたいです! 【PV情報】 YouTubeにて本作品のPVが流れております! キャナリー役・大坪由佳さん ジェラルド役・白井悠介さん と豪華聲優様たちが聲を當てて下さっています!ぜひご覧になって下さいませ! どうかよろしくお願いいたします!
8 76夢のまた夢が現実化してチート妖怪になりました。
見捨てられ撃ち殺されてしまった私、 なにがどうだか転生することに! しかも憧れの人とも一緒に!? どうなる!? あるふぁきゅん。の過去が不満な方が出ると思います
8 148仏舎利塔と青い手毬花
田舎ではないが、発展から取り殘された地方の街。 誰しもが口にしないキャンプ場での出來事。 同級生たちは忘れていなかった。 忘れてしまった者たちに、忘れられた者が現実に向って牙をむく。 不可解な同窓會。會場で語られる事実。そして、大量の不可解な死。 同級生だけではない。因果を紡いだ者たちが全員が思い出すまで、野に放たれた牙は止まらない。 ただ、自分を見つけてくれることを願っている。自分は”ここ”に居るのだと叫んでいる。誰に屆くでもない叫び聲。 そして、ただ1人の友人の娘に手紙を託すのだった。 手紙が全ての真実をさらけ出す時、本當の復讐が始まる。
8 124現代知識で異世界無雙したかったよ……
神様の間違いで殺された主人公が女に転生して異世界で暮らしていくほのぼのファンタジー たまに戦闘あり、百合ありでやっていきます! ちょっとだけシリアスもあるよ 第1部:1章〜8章 第2部:9章〜15章 第3部:16章〜最新話まで
8 171ステータス、SSSじゃなきゃダメですか?
最強にして至高。冷酷にして無比。従順にして高潔。人間の間でそう伝わるのは、天魔將軍が一人《瞬刻のヴィルヘルム》。これまでにステータスオールSSSの勇者達を一瞬で敗北へと追い込み、魔王の領土に一切近付けさせなかった男である。 (……え? 俺その話全然聞いてないんだけど) ……しかしその実態は、ステータスオールE−というあり得ないほど低レベルな、平凡な一市民であった。 スキルと勘違い、あと少々の見栄によって気付けばとんでもないところまでのし上がっていたヴィルヘルム。人間なのに魔王軍に入れられた、哀れな彼の明日はどっちだ。 表紙は藤原都斗さんから頂きました! ありがとうございます!
8 157朝、流れ星を見たんだ
天涯孤獨の少年竜也と、病に身體を蝕まれている少年大翔。 大翔の最期を看取ってやりたい竜也だが、大翔の命の期限が迫った時、竜也は一ヶ月間イギリスに行くことになってしまう。 その一ヶ月間、大翔は病に耐え続けられるのか、それとも竜也のいない間にその目を永遠に閉じてしまうのか――――未來は誰にもわからない。
8 80