《《完結》待されてる奴隷を救った、異世界最強の龍騎士》第11話「朝の

家のを利用して、クロエイに見つからないように進んだ。

ベルのカラダは、ほとんど重がじられなかった。ロクにものを食べてないのかもしれない。ふつうではない軽さだ。

それでも生きているんだ――と訴えるかのような溫が、ぜられた。

「クロエイって、見たじ口しかついてないけど、どうやって周囲を知してるんだ?」

「クロエイは音を聞くことが出來る。あと、品質の悪いわれる」

「品質の悪い……。庶民とか奴隷のってことか?」

「そう」

たった二文字の返答だったが、その聲には哀愁が帯びられているようだった。

つまり、クロエイはベルにもわれてくるのだろう。だからこそこの世界では、奴隷が暴に扱われるわけだ。

(でも、だからって、奴隷に暴して良いわけない)

正義漢ぶってるわけではない。

ベルみたいな暴されている場面は、糞が悪いのだ。龍一郎にはサディストではない。

「逆に、貴族のとかには弱いんだろう?」

「うん」

「じゃあ、オレは噛まれても大丈夫なんじゃないか?」

「それはダメ。クロエイを倒すことができるのは、あくまで《影銃》で撃っただけだから。それでも、私みたいなでは倒せないけど」

「とりあえず、できるだけ音を立てなければ良いわけだ」

村の出口らしき場所が見えてきた。木の柵で囲まれている。大量のカンテラが転がっていた。

「そう言えば、クロエイは明るいところには近寄って來ないんだったか」

「そう。を嫌ってる」

たしかにそんなじの見た目だ。

「それでやたらとこの村には、外燈が多いわけだ」

異様に多い。

ただ、これを発させるにもが必要なのだろう。

「でも、を嫌っているというだけで、倒すことはできない」

「質問攻めで悪いけど、クロエイはどこから沸いてくるんだ? 村の中で現れたりはしないのか?」

「村の中で沸くことはない。明かりのイッサイない暗闇で沸くと言われている」

村には外燈がある。

仮に外燈がなくとも、月明かりがある。

6つも浮かんでいるのだから、かなり明るい。

「森の中とか、窟とかか?」

「曇りや雨の日だと、平原にも沸く」

「なるほど」

さすがに、世界全域を明るく照らすのは難しいだろう。どうしても出現を抑えることは出來ないわけだ。

「ヤツらは暗闇で沸いて、庶民のを求めてさまよいはじめる。だから明るくしていても、村が襲われることは珍しくない」

それでこんな事態になってるわけだ。

「待てよ。じゃあ、朝になればクロエイは死ぬのか?」

「朝になると、地中にもぐって行く」

だからもうじき――とベルが言った。

まるでその言葉が合図だったかのように、北の空が白みはじめた。どうやらこの世界では月は南に沈み、太は北からのぼるようだ。

「朝か?」

「そう」

世界が、すこしずつ北のアケボノにより照らされてゆく。クロエイたちはピタリときを止めた。

そしてノロノロと地面の中に潛り込んでゆく。を掘っているわけではない。溶け込むようにして消えていったのだ。

夜更けかと思っていたが、どうやら、夜明けだったらしい。殘夜の終わりに、龍一郎はホッとをナでおろした。

「これで安心して都市に行けるな」

「でも、クロエイは完全に消えたわけじゃない。午前中でも暗いところに潛んでいたりするから、気を付けたほうが良い」

「わかった」

こうして日の出のもとで見てみると、村のなかはけっこう荒らされていた。

家の壁が剝がされたり、を開けられたりしている。おそらくクロエイは、怪力を宿しているのだろう。

なによりも酷いのは、村の出り口だ。カンテラが散しているだけではない。人の死と思われるものも積み重なっていた。

「クロエイに襲われて、ああなったのか」

「なかには影を食われて、クロエイになった者もなくないと思う」

「悲慘だな」

あんまり見ていたい景ではない。死が積み重なっている場所から、龍一郎がいるところまではけっこう距離があった。それでも、吐き気を覚えた。死臭すら漂ってくるような気がする。

「おーいッ。ベルッ。どこ行ったァ」

怒鳴り聲が聞こえてきた。

ベルを痛めつけていた男の聲だった。

さっき龍一郎と対峙たいじした男の聲だ。

ベルのカラダがビクリと跳ねあがるのがわかった。寒気に襲われているかのように、震えている。

「あ……あ……」と妙な聲まで発している。酷い怯えようだった。この村に長くいるのは、良くなさそうだ。

「行こう」

龍一郎は、ベルを背負って村を出た。

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