《《完結》待されてる奴隷を救った、異世界最強の龍騎士》第21話「マチス・ヒューリー侯爵」

マチス・ヒューリー侯爵は、グランドリオンの領主だ。

質値80。この數字が、マチスに侯爵の座を與えた。レオーネにとっての質は、人の価値である。

(私はまだ上へ行ける)

王族ですら質値は100前後。マチスは王族に薄している位置にいる。

王族とのコネクションを強くしていけば、いずれは公爵になること間違いない。

マチスは恰幅の良いカラダを、イスに沈めた。領主館の窓からは、グランドリオンをヘイゲイすることが出來る。この窓からの景がマチスはお気にりだった。私の都市なのだ――と思うと満足を與えてくれる。

気分が良くなったところで、領主館を見て回ることにした。ホールから廊下まで、メイドたちに徹底的に掃除させている。

「気を抜くなよ。ホコリひとつ見逃すな。近日中に、第三王のフィルリア姫がいらっしゃるんだから」

「はッ」

メイドたちの聲が返ってくる。

フィルリア姫は、暗黒病を治癒するを持っている。世界でただ1人の人間だ。訪問された都市には、幸運が訪れるとまで言われている。王は常にフィルリア姫を傍に置いているらしい。

それに――。

マチスは舌ナめずりをする。

フィルリア姫は姫なのだ。傾國のと言っても過言ではない。

どうにか、あれを自分のに出來ないだろうかとマチスは苦心している。王のお気にりとはいえ、幸いにも第三王だ。

地盤固めとして、國の有力貴族のもとに嫁ぐことになるだろう。王だって第三王を外國へとやりたくはないはず。

マチスにもまだまだ、フィルリア姫を手にするチャンスがある。あの姫を自分の腰の上で躍らせるところを想像すると、ヨダレが止まらない。

フィルリア姫をモノにする、切り札もある。

影銃―タイプ0》

マチスの雇っている技者たちが開発した、最新式の《影銃》だ。

通常の《影銃》よりも一回り大きい。と同じく鮮の銃をしている。一発のの消費量がやたらと多いために、量産向きではない。だが、フィルリア姫なら扱えるだろう。

これを贈りにするつもりだ。

「失禮します」

と、兵士の1人がってきた。

グランドリオンの兵士はすべて、領主であるマチスに忠誠を誓う騎士である。

「どうした。こら、土足でってくるな」

「これは失禮。大変なことがありまして」

「大変なこと?」

なんだその漠然とした言いは。

フィルリア姫が來訪すること以上に、大変なことなんてありはしない。

質値200を越える者が、グランドリオンに來ているようで」

200?

200といったか?

「悪いが、聞き間違えたようだ。知質値いくらだって?」

「200です」

マチスは鼻で笑った。

王族ですら質値は100前後だ。200というのはつまり、質計で計れる限界値ということだ。ありえない。

「それは質計の故障だ」

「いえ。それが他の質計で測定しても200を越えておりました。つまりその、計測の針が振り切っておりまして」

「王族の者か?」

「いえ。素はわかりませんが、16歳の青年です。奴隷のを1人連れておりまして、シラカミリュウイチロウとか名乗っておりました」

聞いたことのない名前だ。

マチスが知っているなかで質値がイチバン高い人間は、フィルリア姫だ。

龍神族と言われる彼は知質値が130を越える。それでも、130だ。

外國の王族か何かだろうか? しかし、そんな人が來訪するなんて耳にしていない。

「その人は今、どうしているんだ?」

「グランドリオンの都市を観しているようですが」

「バ、バカ者ッ。なんの接待もせずに通したのか」

「ええ。素がわからなかった者ですから」

兵士は気まずそうに目を泳がせてそう応えた。

「とりあえず、ここにお通ししろ。私がこの目でたしかめる」

「はッ」

兵士があわてて領主館を出て行こうとした。マチスはその背中に聲をかけた。

「あ、待て」

「何でしょうか」

「私のセガレは見つかったか?」

「いえ。それがまだ――」

「そうか。とりあえずそのシラカミリュウイチロウとやらを、こちらにお通ししろ」

兵士は、あわてて駆けていった。

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