《《完結》待されてる奴隷を救った、異世界最強の龍騎士》第26話「赤の男」
宿屋があった。
さすがに宿屋は、ほかの木造家屋よりも大きく造られていた。なんと建が逆三角形を描いており、左右の建にはさまれるようなカッコウになっていた。
「崩れそうだな」
「安宿だから」
いったいこの世界の建築法はどうなっているんだろうか。都市の外は、正確には都市ではないらしい。だから、どんな建を建てても良いのだろうか。建は脆弱だったが、かわりに外燈だけはたくさん突き出ていた。
宿屋にる。
チリンチリン。
ベルの音が鳴った。
「いらっしゃい」
と、カウンターにいたが、活気よく迎えれてくれた。メイド服を著ている。
人々を見ていて思ったのだが、どことなく地球の文化の影響をけているように思う。龍神族という人種がいるらしいし、この世界に地球文化の影響を與えた人がいるのかもしれない。
「部屋をとりたいんですが」
「3種類ありますよ。大広間。2階の個室。3階の大部屋。どれにいたしますか?」
大広間は、みんなで雑魚寢のようだ。
カウンターテーブルの奧に、みんなでフトンを敷いて眠っている姿が見けられた。
ケチる必要はない。
出來れば個室がしい。2階の個室は1人部屋になっているそうだ。3階の大部屋を借りることにした。
「何泊いたしますか?」
「あー」
決めていない。
そもそも都市に來たのも、ベルのすすめがあったからだ。當てなんかない。
「とりあえず今日1日で」
「はい。それでは採させていただきます」
チューブを刺しこまれて、驚かれる。そして、ペコペコと頭を下げられる。もはやお決まりの展開だ。
最初のほうは自尊心をくすぐられるものがあった。今となっては、しヘキエキする。
適當にあしらって階段をのぼることにした。
すると――。
「お嬢ちゃん。かわいいね」
と、聲をかけられた。
龍一郎にかけられたわけではない。ベルにかけられたのだ。
気が付くと、男がベルを抱きとめるようなカッコウになっていた。
赤の髪をポニーテールにまとめた男だった。良く言えばRPGの主人公のような――悪く言えば、軽薄な印象をけた。
それを見て、カッとした。
自分の好きな人に手を出されたときに生じる、嫉妬心や敵対心。そういったものが突発的に込み上げてきたのだった。
「おい。なにしてるんだ」
「おっ。やんのか」
赤の男はコブシを構えた。
ケンカをしたことなんか、一度もない。いや。一度だけこの世界に転移したときに負け戦を挑んだことがあった。
ケンカになったら、まず勝てない。
それでも、込み上げてきた怒りを抑えられるほど、龍一郎は冷靜ではなかった。
とりあえず、ベルのことを抱きすくめている男を引きはがそうとした。しかし、簡単に毆り返されてしまった。1発毆られて、足払いをかけられた。床に叩きつけられる。
ようやく冷靜になった。
(何を熱くなってるのか。別に、オレが怒ることでもないよな。ベルのことをカワイイって言ってくれる人がいるなら、それはそれでベルにとっては幸せなことなんだし)
冷靜になってももう遅い。
続けざまに、コブシが顔に落ちてきた。
「この。クソッタレの貴族がッ。こんなの子に、こんな酷い傷を負わせやがってッ。お前も同じ目に遭ってみやがれッ」
「痛いッ。違がっ、オレは……」
勘違いだ。
凄絶な傷をいくつも宿すベルのカラダを見て、この赤の年は正義を燃やしたのだろう。その気持は龍一郎にもよくわかる。
「ウルセェ。黙れッ」
意識が遠のくのをじた。
毆られ続ける龍一郎のことを、ジッと冷たい目で見つめているベルを見た気がする。赤の男とベルが手をつないで、宿屋を出て行ってしまうような予があった。
「ベル……」
モウロウとした意識の中で、手をばした。
同してたわけじゃない。
自己満足で助けようとしていたわけでもないのだ。
ただ、可憐なが喜ぶ姿が見たかっただけなのだ。こっちを振り向いてしかっただけなのだ。
【書籍化決定!】家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです
俺には五人の姉がいる。一人は信仰を集める聖女、一人は一騎當千の女騎士、一人は真理を求める賢者、一人は人々の魂震わす蕓術家、一人は國をも動かす大商人。才知に優れ美貌にも恵まれた彼女たちは、誰からも愛される存在だったのだが――俺にだけ見せるその本性は最悪だった。無能な弟として、毎日のように姉たちから罵詈雑言の嵐を受け続けてきた俺。だがある日、とうとう我慢の限界を迎えてしまう。 「とにかく、俺はこの家を出るから。もう決めたんだ」 こうして家を出た俺は、辺境の都市で冒険者となった。こうして始めた新生活で気づく。あれ、俺ってもしかして超有能……!? 実力を評価され、どんどん出世を重ねていく俺。無能と呼ばれ続けた男の逆転劇が、いま始まった! ※GA文庫様より書籍化が決定、1~5巻まで発売中!
8 126崩壊世界で目覚めたら馴染みのあるロボを見つけたので、強気に生き抜こうと思います
仮想現実を用いたゲームを楽しむ一般人だった私。 巨大ロボを操縦し、世界を駆け抜ける日々は私を夢中にさせた。 けれどある日、私の意識は途切れ…目覚めたのは見知らぬ場所。 SF染みたカプセルから出た私を待っていたのは、ゲームのような巨大な兵器。 訳も分からぬまま、外へと躍り出た結果、この世界が元の場所でないことを確信する。 どこまでも広がる荒野、自然に溢れすぎる森、そして荒廃した都市群。 リアルすぎるけれど、プレイしていたゲームに似た設定を感じる世界。 混亂が収まらぬまま、偶然発見したのは一人の少女。 機械の體である彼女を相棒に、私は世界を旅することになる。 自分の記憶もあいまいで、この世界が現実かどうかもわからない。 だとしても、日々を楽しむ権利は自分にもあるはずだから!
8 198グンマー2100~群像の精器(マギウス)
2100年のグンマーは、半知成體ビーストとの戦いの最前線。 群馬で最高の権力と知能、精神力を持つ少年少女達の生徒會。 名は、群馬最高司令部、通稱GHQ(Gunma・Head・Quarters)。 此れは、グンマー人によるグンマー物語であるかもしれない。 ★は挿絵等有り 人類の敵、ビースト。 OTONA(國連)や首都圏首席との政治的対立。 首都圏、栃木・茨城・千葉連合との武力衝突。 色んな事が起こる予定。 アルファポリス様にも投稿
8 77地獄流し 〜連鎖の始まり編〜
“復讐”と言う名の”地獄流し”をしていると言われる不思議な少女”復魔 彩” 復讐に必要な道具…それは”憎しみ”と”怨み”と”地獄流し”…彼女に必要なのはこの3點セットのみ。 さあ、次は誰がターゲットかな?
8 189シュプレヒコール
理不盡な世界に勇敢に立ち向かい、勇気と覚悟と愛を持って闘っていった若者たちを描いた 現代アクション小説です。
8 149【意味怖】意味が分かると怖い話【解説付き】
スッと読むとなんてことないけど、よく考えて読むとゾッとする。 そんな意味が分かると怖い話をたくさんまとめていきます。 本文を読んで意味を考えたら、下にスクロールして答え合わせをしてくださいね。 ※隨時追加中
8 199